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  • 東方WITH A MISSION ~狼たちが幻想入り~ MISSION28 地獄の閻魔と地霊殿

    2020-11-08 00:50
    (タダイマ)

     お空を担いだタナ輩が地霊殿に戻る。岐路の途中に合流したお燐も一緒だ。館の奥から足音が聞こえる。こちらに走ってきているようだ。

    「お空!大丈夫?」
    (気絶シテイタ。大事ニハイタラナカッタヨ)
    「そうなんですか……、よかった」

     さとりが安堵していると玄関の扉が開かれた。なにやら、小さな木の板?を持った女性と、大鎌を持った女性だ。

    「こんにちは、さとりさん。そちらの方ははじめましてですね。四季映姫・ヤマザナドゥと申します。こちらは部下の小野塚小町です」
    「よろしく」
    (アア、ヨロシク)
    「何故黙っているのですか?」
    「四季さん、そちらの方は発声ができないのです」
    「ああ、新しいペットですか」
    「いえ、どうやら幻想入りしたそうです」
    「はあ……、どうせ紫の仕業でしょう。まあいいです。本題に入りましょう」
    「旧都で暴れていた妖怪のことですね」
    「ええ、見てきました。あの妖怪は絵に描いたような牛鬼ですね。正直言ってはじめて見ました。私の前の閻魔の管轄かもしれません」
    「四季さんの前の閻魔……、十王ですか」
    「いえ、十王と私の間にもう一名いました。魔界の地獄と兼任していたのですが、さすがに忙しすぎたのか何年もやっていなかったそうです。後、ほかの世界の神、それも主神に歯向かったとかで10万年ほど封印されていたとか」
    「そんな閻魔がいたのですか……」

     10万年というワードにタナ輩が反応する。

    (10万年?ナンカ聞イタコトアルナ)
    「タナカさんは知っているんですか?」

     反応するさとり。そのさとりの言動に反応する四季映姫と小町。

    (間違イガナケレバナ)
    「そうですか、差し支えなければ教えてもらえますか?」
    (アア、カマワナイ。トイウカ、心当タリガ1ツシカナイガナ)
    「1つ?」
    「そちらの妖怪は、心当たりがあるのですね」
    (聖飢魔Ⅱダロウ?)
    「せいきまつ?」
    「ええ、当たりです。もっと言うと、その中でかつて閻魔を勤めていたのが、ゾッド星嶋という方です」
    「ゾッド、ほしじま?」
    「はい、私がまだ地蔵だったころ、若しくはそれより前に、一時的に務めていたものです」
    「あたいの記憶にもないんで、多分あたいが生まれる前っすかね」
    「おそらくそうでしょうね」
    「あの、因みにそちらの方と確認は……」
    「してません。というか個人的に苦手なのでしたくありません」

     やけにきっぱりと断る映姫。何故?とさとりや小町に尋ねられ、いやな顔をしている。

    「ゾッドさん喧嘩っ早いし乱暴なんですよ。しかも繊細だし」

     ああ、と納得する小町。

    「あと地獄耳ですよね、こういう話をしてるときに限って向こうから連絡来ません?」
    「ええ、来ますよ。まあそれはいいのです。向こうから連絡が来るといっても極稀になので、それより一番あせったのは、十王相手に真っ向から喧嘩吹っかけたことですよ」
    「十王に喧嘩売ったんですか……」
    「何ですかそれ……、初耳っスよ」

     唖然、呆然とする小町とさとり。そんな中、唐突に地霊殿のドアが開け放たれる。

    「ゾッドだあ! 顔見せに来たぜ! 映姫ちゃん!」

     頭を抱えため息をつく英姫、もしかしたら、親分はストレスの原因かもしれない。

    to be NEXT MISSION!!

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  • 東方WITH A MISSION ~狼たちが幻想入り~ MISSION27地底で宴会ドンジャラホイ

    2020-08-12 23:372
    (ナンダコレ)
     
     タナカが現場に着くと、既に騒動が終わっていた。倒れている化け物はよく伝承や絵巻物で見るような、蜘蛛の体に人のような顔をした「牛鬼」そのものだった。傍らには、なにやらヒゲ面のおっさん達が酒瓶を片手に盛り上がっているのが見える。なんだか見たことがある風貌をしている。いや、明らかに見たことがある容姿だった。

     (間違イネエ、「コルピクラーニ」ジャネエカ)

     実際に目にするのは初めてだ。おそらく、きっとそう。うん、たぶん。なぜあの人たちが日本の、それもこんなところにいるのだろうか。まったくもってさっぱりだった。よくわからぬまま眺めていると、一人の金髪ロン毛のヒゲ男が近づいてきた。ヨンネだ。

    「よお!お前見たことあるぞ、MAN WITH A MISSOIONだろ!」

     ガハハと笑いながら語りかけてくるヨンネ。その時点でタナカは心底驚いていた。

    (ナンデ日本語喋レルンダ!?)

     そう、なぜだか知らないが、思いっきり日本語で語りかけてくる。ためしに、日本語で地面に「ナンデ日本語喋レルノ?」と書いてみたが、首をかしげていた。

    「すまん。日本語わかんねえんだ」

     思いっきり日本語である。だがここは幻想郷。何があってもおかしくないのだろう。推察に過ぎないが、本人は日本語を喋っている自覚がないのだろう。あるいは、なんかこう、ドラ○もん的な何かが働いているのだろう。それ以上はもう考えないことにした。

    「なんだ、もうおわっちまったのか」

     助け舟になるのだろうか、星熊勇儀が残念そうにやってきた。

    「お前らがやったのか?」
    「おう!俺らの宴会邪魔しやがったからな」
    「へえ、じゃああんたら強いのか、いっちょやってみようぜ」
    「ガッハッハ!すまねえな嬢ちゃん俺らは"森の妖精”だ。悪戯ぐらいしかできねえ」
    「いや、悪戯で倒すのは十分すごいと思うぞ、現に空が伸びてるし」

     確かに、瓦礫の山となっている一角に目をやると空が伸びていた。あまりボロボロでない所を見るに、当たり所が悪かったのだろう。

    (ウン。帰ロウ)

     あまり長居しても意味がない。そう思ったタナカは空を担ぎ、帰ろうとした。

    「何だ、タナカもう帰っちまうのか?」
    (ウン)

     頷くタナカ。そのまま地霊殿へと歩いてゆく。

    (ア、ソウイエバ何デ幻想郷ニ来テタンダロウ。聞キ忘レタナ。マアイイカ)

                                   to be NEXT MISSION!!
  • 東方WITH A MISSION~狼達が幻想入り~ MISSION26 地底の旧都で大騒ぎ!? ハプニングだぜ!地霊殿

    2017-05-20 21:132
    トーキョータナカが幻想入りしてから早数日、旧都は今日もにぎわっていた。そんなにぎわいを見せる中、スケボーに乗り、地霊殿へと颯爽と街中をかけて行くタナ輩の姿があった。

    (マサカ地霊殿ニスケボーガアルトハ思ワナカッタナ)

     地霊殿の敷地内に偶々置いてあったスケートボード。さとりに聞いてみたところ、どうやらこいしが無意識で持ってきていたらしく、使いたいのなら好きにしていいそうだ。

    (使ワナイワケニワイカナイヨナ、チョットダケボロイケドマダマダ乗レルシ)

     そんなこんなで何事も無く地霊殿に到着したタナ輩、時刻はちょうど昼食時。今日はお燐がご飯を作るらしい。お燐の料理は燻製に香辛料をふんだんに使ったものが多く、少々塩辛い。食事時にはカボチャや芋類の甘口スープが欲しくなる。

    (昨日ノ飯ハ美味カッタナア)

     昨日のご飯はお空が作っていた。まるで老舗の定食屋の料理でも食べているかのような、そんな満足感が口と胃を朝昼晩満たし続けていた。お空曰くなんとなく作っているそうだが、そんなことを言われてしまえば、プロの料理人は皆嫉妬するだろう。

    「あら、お帰りなさいタナカさん、もうお昼は出来ていますよ」

     地霊殿の玄関を開け、エントランスに入ると、そこにはエプロン姿のさとりの姿があった。ん? あれ? 待って? なんでさとりさんがエプロンしてるの? 思考の追いつかないタナ輩に、さとりが簡単に説明をした。

    「お燐の仕事が少し立て込んでるみたいですので、代わりに私が作っておきましたよ」
    (Oh,my God.)
    「え!? なんで!?」

     困惑するさとり、落胆するタナ輩。タナ輩が落胆するのも無理はない。さとりの料理はとにかく味付けが濃いのだ。揚げ物をつくれば胃がもたれるほど油が多く、みそ汁をつくれば舌に激痛が走るほど塩辛く、ケーキをつくれば吐き気を催すほどに甘ったるくなる。その腕前はかの星熊勇義でさえ1週間トイレに籠らせるほどである。後ほど勇義は「ニ度と食わん」としかめっ面で言い放ったらしい。
     そんなゲテモノであるにもかかわらず、等のつくった本人は何食わぬ顔で完食し、その後も体に影響が無かったそうだ。
     因みに妹のこいしは1月程、永遠亭と呼ばれる場所で入院したそうだ。恐るべし古明地さとり。
     しかし、和気あいあいとした寸劇は突如として終わりを迎える。轟音とともに地霊殿全体が激しく揺れたかと思うと、今度は聞いたことも無い雄たけびが響き渡り、雄たけびが鳴りやむと同時にお燐が必死の形相で地霊殿に駆け込む。

    「た、たた、たたたたた鯛、た、大変です! さとり様!!」
    「何があったの!?」
    「地下牢のお、奥の方からなんかあの、アレです、あの、あれとんでもなくデッカイ、お、鬼みたいな、鬼じゃないみたいな、とにかくとんでもなくあのあれが、あ、あの……」
    「落ち着いて!」
    「は、はい……」

     一喝するさとり。落ち着こうと深呼吸するお燐。

    「で? 何の騒ぎなの?」
    「はい、あ、あのですね、地下牢の奥から囚人名簿に乗っていない、謎の妖怪が飛び出しまして、旧都の方へと飛び出してしまいまして、現在お空が迎撃中です」
    「謎の妖怪?」
    「はい、以前さとり様に見せていただいた名簿には載っていませんでしたので……」
    「……映姫さんに聞いてみるわ、勇義さん達にこのことは?」
    「はい、既に妖精が伝えに行っております」
    「分かったわ。じゃあお燐も今すぐその妖怪の所に向かいなさい、お空のカバーをして頂戴」
    「分かりました!」

     さとりの指示を聞いて即行動に移すお燐。地霊殿は再びタナ輩とさとりだけになった。

    「ごめんなさい、タナカさん。いきなりわけのわからないことに巻き込んでしまって」
    (気ニスルナ、ソレヨリソノ妖怪トヤラハ、街ノ方ニ向カッタンダヨナ?)
    「え? ええ……、そうですけど」
    (ヨシ、俺モ行コウ)
    「!? いえ、タナカさんを危険にさらすわけにはいきませんよ!」
    (大丈夫ダ、コレデモ死地ヲ数エ切レナイホド乗リ越エテキタ)
    「……嘘ではないようですね……」

     任せろと言わんばかりにサムズアップするタナ輩。それを見たさとりは、小さくため息を取ると頭を下げてタナ輩に言い放った。

    「恥を忍んでお願いします。お空とお燐と一緒に件の妖怪を止めてください」
    (マカセロ)

     さとりの方にポンと手を置くタナ輩。さとりがタナ輩の顔を見上げると、今度はさとりの頭に2、3回手をポンと置いた。

    「は、速く行ってくださいよ……」

     さとりの顔が少し赤くなっていた。頭をポンポンされるとは思ってなかったのだろう。そのまま地霊殿を後にするタナ輩。普段仕事をする部屋へと向かうさとり。

    「あ、お燐が泡食っていた時に能力使えばよかった、まあいいや」

     地霊殿の門前にきたタナ輩、街の方では土煙と火柱が立っている場所が確認できた。

    (アノ辺リカ……)

     確認すると、その場からお空と謎の妖怪が戦っているところに向かって、何度かジャンプして向かった。
     地霊殿内、さとりは執務室内にて電話をかけていた。ろうそくの様な形の電話機の先は地獄の閻魔、四季映姫ヤマザナドゥにつながっていた。

    『あ、もしもし? 私地霊殿の古明地さとりですが』
    『あ、どうも四季映姫です、どうしました?』
    『えっとですね、地霊殿の地下牢あるじゃないですか』
    『ああ、ありますね、それがどうしました?』
    『実は、そこの奥から名簿に載っていない囚人が脱走したらしくて、そちらの方でも調べていただけないかと』
    『……同じ名簿ですよね? こちらにあるのと』
    『はい、この一つしかないので間違いはないですね……』
    『うーん、こちらも地霊殿の囚人名簿は一つしかないので漏れは無いはずですが』
    『そうですか……』
    『こちらでも全部の名簿と照らし合わせて調べておきますので、鬼達と協力して拘束して置いてください』
    『はい、そちらの方は既に対応してます』
    『そうですか、分かりました。では、確認が取れ次第そちらに向かいますので』
    『わかりました。お忙しい中申し訳ありません、お手数おかけしてしまいまして』
    『いえいえ、これも仕事ですから、気にしないでください』
    『はい、ありがとうございます』
    『はい、でわまた』
    『はい、失礼します』

     電話を切るさとり。もう一度くまなく名簿に目を通すが、やはりそれらしいものは無い。
     一方の地獄の映姫の方でも。地霊殿の名簿に目を通すが、同じくそれらしいものは無かった。
     
    「小町、チョットいいかしら?」
    「何でしょう?」
    「この名簿に漏れが無いか手伝ってほしいのだけど」
    「あいあいさー」

     映姫の執務室で偶々くつろいでいた小町に手伝いを頼む。

    「なんの話だったんです?」
    「地霊殿の地下牢で脱獄。今は鬼達と一緒に捕縛中」
    「へえ、大丈夫なんですか?」
    「それよりも今はこっち。名簿の漏れを確認して」
    「はいはい、……んん? 四季様、この地霊殿の名簿、なんで一番最後の名簿が消されてるんですか?」
    「え? 消されてる? そんなはずは……本当だ。よく気づいたわね小町」
    「かなーり薄くなってますけど、確かに消された後だったんで、あれ? ってなったんですよ」
    「さすが私の自慢の部下ね、さぼりが無ければ」
    「そりゃないっすよぉ」
    「でも、だとしたら、なぜ消されているのかしら、向こうの名簿に名前が無いとしたら、此方の原本の名前が消された後に複写されたことになるわね」
    「そっすねえ、じゃあ、どっかの名簿に名前のってたりするんですかねえ」
    「ありえるわね、妖しいのはこの”囚人護送名簿”ぐらいね」
    「もう見たんですか、数え切れないだけの名前があるのに……」
    「中身は全部覚えてるし、消えているかどうかの痕跡を見つけるのは、一度見れば何とかなるから、ちょっと難しいけどね」
    「映姫様すげえ、じゃあもう今から出発するんですか?」
    「そう言うことになるわね、頼むわよ小町」
    「おまっかせくだしゃあ」
    「そういうのいいから」
    「Sir,Yes,Sir!」

     執務室を出る時、もう一度卓上の囚人護送名簿に視線を送る。

    (もし、もし間違いが無ければ、地底で暴れている妖怪は……、だとしたら勇義さん”だけ”では、少々分が悪いかもしれないわね)
    「四季様? 速く行きますよ?」
    「ええ、今行くわ」

     卓上の囚人護送名簿の最後のページ、その欄外には、赤字で記されていた。

     ――要注意指定妖怪「牛鬼」護送警備隊壊滅のため”一時”中断灼熱地獄跡にて仮封印――

    「少し急がないと」

    to be NEXT MISSION!!