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一問一答「あなたは、どうすれば本当に大切なことができるようになると思いますか?」【セルフモチベート】
あなたは、どうすれば本当に大切なことができるようになると思いますか?
今回は、自分の理想の人生のために何をすればいいのかという質問をもとに、自分のやる気を高めて、目指すべきそれぞれのゴールに向かって進むための心理学を解説させてもらいます。
「Q. 人生で自分の理想を叶えていくためには何が重要ですか?」
できなかったことをできるようになるためには、それを簡単にすることが必要です。
簡単にするためには2つの軸が必要になります。
それは先延ばし対策と習慣化のテクニックです。
自分のやりたいことややるべきことを目標として立てたら、それをまず適切なスモールゴールに分解していきます。
例えば、英語を喋るようになりたいという目標であれば、いきなり英語を上手に喋るというのは難しいので、単語から始めたり海外の人と会話をしたり色々な練習方法があるわけですが、それらを適切に組み合わせて階段を作り、それをひたすら登っていけばいつかゴールにたどり着けるわけです。
このような続けさえすればゴールにたどり着くロードマップを作るのがとても重要です。
そして、このロードマップさえ作れば、後は、先延ばし対策と習慣化のテクニックがあれば大丈夫です。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
やる気が出ない本当の理由
基本的に、そもそもやる気がない人はいません。
生まれつき全くやる気がない人はいないはずです。
やる気がないのではなく、やる気を無くすような目標設定をしているのが原因です。
目標設定が上手なゲームであれば、多くの人が自然にやる気が出ます。
ゲームであればいつまでも夢中になってするのに、やるべき事に対してやる気が出ないのは、結局目標設定が間違っているからです。
目標設定が無謀なものになれば人は当然やる気が出なくなります。
重要なのは、ゴールまであとどれぐらいなのかということを明確にすることです。
試験でも受験でも、ゴールがいつなのかがはっきりしているから頑張ることができます。
いつになったら終わるのかがわからなければ、無限に続くことのように感じてやる気をなくします。
そして、締め切りがなければ手を付けることができないように、いつまでたってもやるべきことができなくなります。
目標はどこが自分のゴールなのかをわかりやすくするためのものです。
ゴールまでの進展をフィードバックすることで、ゴールまで自分がどれだけ進めばいいのか理解できて、それによって初めてやる気が出てきます。
人は自分がいつ死ぬのかがわかりません。
もし自分の人生があとどれくらい残っているのかがわかれば、人は自分にとって本当に大事なことができるようになります。
想像してみてください。
もし自分の寿命があと3年という場合と3ヶ月という場合、そして、残り3日という場合でそれぞれ考えてみてください。
3年あれば結構無駄なものにも時間とお金を使ってしまいます。
3ヶ月と言われても結構それと近いことをしてしまいます。
ところが、これが3日しかないとなると、本当に大事な人と過ごしたり、人は身近な幸せの方に目が向くようになります。
これも同じです。
自分に残りの時間やゴールまでの道のりがどれだけ残されているのか明確になると、本当にやりたいことが見えてきますし、やる気も高まってきます。
ゴールまでの道のりがフィードバックされると、モチベーションが上がりますし、切羽詰まるとエンジンもかかりやすくなります。
とはいえ、成果やゴールを意識してもモチベーションが続かないという人もいると思います。
この場合の原因としては、目標が高すぎるという場合もあると思いますが、習慣にすることができていないということもあります。
モチベーションというものは永遠に続くものではありません。
目標を立てる際には無謀なレベルにならないように、目標を現実的なレベルまで引き戻すことがまず最初のステップです。
現実的な目標を立てて、その目標に向かって遂行していく段階になったら、大きな目標を思い出しながら、目の前の努力に目を向けすぎないようにするのが次のステップです。
そして、そのモチベーションも永遠に続くわけではありませんので、大きな目標を思い出しながらモチベーションを高めて継続しつつ、それを習慣にしていくということが必要になります。
最終的には、歯磨きをするのと同じように意識しなくてもできるような習慣にしてしまえば、後は、時間さえ経過すれば自然と目標を達成することができるようになります。
この3つの段階が必要だということを覚えておいてください。
1. 現実的な計画を立てるフェーズ
2. モチベーションを維持するための報酬を思い出すフェーズ
3. 習慣化をして自動的に目標を達成するフェーズ
やる気が続くご褒美
勉強や仕事でもご褒美を用意して頑張れる人も多いと思います。
この仕事を終わらせたらチョコレートを食べていいとか、このトレーニングを終わらせたらコーヒーを飲んでいいなど、頑張った後にご褒美を用意する人が多いと思いますが、ご褒美はもらった後よりもご褒美をもらう前の方が喜びは大きいです。
つまり、ご褒美を手にするまで待っている時間を長くした方が幸福度が高くなります。
物を買ったり旅行に行ったりする「消費ゴール」が人を幸せにするのは準備している時だけです。
旅行の計画をしている時が一番楽しいのもこのためです。
Amazon で買い物をして届くまではとても楽しみにしていたのに、いざ届いたら箱を開けるのも時間がかかったりします。せっかく買った服も意外と着なかったりします。
消費ゴールは人を短期的に幸福にはします。
計画すると最大で8週間、消費すると2週間しか幸福度は持続しません。
8週間以上先のことに関しては喜びを感じませんが、8週間以内であれば待っている限り喜びを感じ続けることができます。
実際に消費すると、最大でも2週間しか幸福度は続きません。
ですから、消費ゴールをモチベーションに使う場合には、8週間の待っている時間と2週間の消費している時間を組み合わせて、8週間から10週間ごとにご褒美を用意してください。
ですから、これから2ヶ月の間の大きな目標を作って、それを達成することができたらご褒美とすると、モチベーションが続くようになります。
成長できる短期目標
どんなものでも同じですが、例えば、筋トレであれば、10回で終わりにしようと思うと7回目ぐらいで疲れてきます。15回で終わりにしようと思うと11回ぐらいで疲れてきます。
社会心理学者のエレン・ランガー氏の研究で、人はエクササイズで2/3ぐらいで疲れることが予想できると言われています。
つまり、短期的な目標設定の場合には、少し多めに目標設定した方が丁度いいぐらいになるということです。
長期的な目標については無理なく立てることが重要ですが、短期的な目標に関しては少し多めに設定した方がいいです。
勉強でも同じです。
今日はこの問題集の5ページが目標だったとしたら、調子が良くてできそうな時は10ページをやってみようと考えてみてください。
さすがに10ページはできなくて、6ページとか7ページで終わるかもしれませんが、最低ラインの5ページはクリアすることができているわけです。
このようにして頂けると、自分の予定や予測を上回る計画をこなしていくことができるようになります。
短期目標に対して2/3のあたりで音を上げたり疲れてきます。
それを超えると終わりが見えてモチベーションに変わっていきます。
時々無理ができる時には無理をして自分の予測を超えて行ってください。
計画倒れしない目標設定
人は物事を楽観的に見る傾向があります。
ですから、自分の計画や目標を考える時には、まずは最大と最小を考えて、その中間値を予測や計画とすると自分にとって適切なレベルになります。
有名な女優の出ている映画の興行収入を予測するという研究があります。
ある程度の金額の幅を決めていきなり予測してもらったグループと、最大の興行収入と最低の興行収入を予測してもらい、その上で中間値として予測してもらったグループで比べています。
どちらも幅の広さはあまり変わらないにもかかわらず、 最大と最小を考えて中間値を予測したグループの方が実際の興行収入に近い金額を当てることができたそうです。
幅をもたせていきなり選んだグループは61%の人が外れましたが、中間値を予測したグループは96%の人が予測の範囲内で当てることができました。
自分の目標や何かしらの予測をする際には、自分に出来るであろうレベルの幅をいきなり考えるのではなく、最大と最小を考えて、それからその中間値を採用するようにしてください。
つまり、どれぐらいがもっともらしいかと考えるのではなく、最大値と最小値をまずは考えてください。
勉強の計画や目標を立てるのであれば、まずは自分の本当に調子がいい時のレベルを考えてください。
多くの人はこれをいきなり目標にしてしまいます。
そこで終わらずに、本当に調子が悪かったりサボりたくなる時であればどれぐらいのレベルかも考えてください。
その中間ぐらいが自分にとって適切なレベルです。
行動加速させる思考
皆さんにはなりたい自分がいると思います。
その「なりたい自分」らしい言葉遣いをするようにしてください。
ニューヨーク大学の研究で、老人をイメージさせる単語を連想させるだけで、人は歩くスピードが遅くなるということが確認されています。
つまり、目標や計画を立てる際に、自分らしくない言葉を使えばどんどん自分らしくない人間になっていきますし、ネガティブな言葉を連想すると、実際に影響を受けてしまうことがあります。
自分がやるべきことを考える時に、多くの人は「なぜそれをやるべきなのか?」ということを考えます。
それをやることによってどんないいことがあるのか? やるべき理由や意義について考えることも重要ではありますが、人が何かをやろうと思った時には、理由について考えるよりも手順を書き出す方が行動が早くなるということが研究で示されています。
つまり、やるべきことがあるのであれば、それをやるべき理由についてあれこれと考えるよりも、それを終わらせるための具体的な手順について考えた方がモチベーションが上がり、素早く行動に移すことができるようになります。
勉強や仕事をする時も同じです。
勉強することの意味や将来のメリットについて考える時も必要でしょうが、どちらかと言うと具体的な手順を書き出してみてください。
そして、その手順を減らすことも重要です。
必要なアクションが減れば減るほど人は行動が早まります。
例えば、人が自由に手に取ることができるクッキーにどんな反応をするのか調べた研究があります。
箱に入れた個包装されていないクッキーを渡すと6日間で全て食べましたが、個包装されているクッキーの場合は、完食するまでに24日間必要だったそうです。
ビニールの包装を破って開けるだけの手間ですが、たったこれだけのことでも、アクションが減ることによって行動が早まるわけです。
勉強であれば勉強道具はしまわない方がいいですし、途中まで読んだ本を閉じることさえもやめた方がいいのかもしれません。
片付けは必要なアクションが減ることを心がけて行なってください。
ここから先は、リスクを取ってチャンスを掴むための意欲を高める方法から、本当に大事なことに向き合い日々成長していくための方法を解説していきます。
日々成長を実感しながら充実した毎日を生きていきたい方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。
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一問一答「あなたが、思い出すことができず悔しかったのはどんな時ですか?」【記憶定着法】
あなたが、思い出すことができず悔しかったのはどんな時ですか?
今回は、読みたい本がたくさんあるのに積ん読してしまうという方の相談をもとに、勉強したり学んだりした内容をしっかりと記憶に定着させるための方法について紹介させてもらいます。
「Q. 読みたい本がたくさんあり溜まっていってしまいます。何か良い方法はあるでしょうか?」
本の最初と最後をまず読むようにしてみてください。
積ん読で悩んでいる人にいつもおすすめするのは、本の最初と最後の1章でもいいのでまずは読む方法です。
人間は空白や欠落を嫌う生き物なので、最初と最後を読むとその間が気になります。
それが読み通すモチベーションになります。
読みたい気持ちが高まる上に記憶に定着もしやすくなるのでおすすめです。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
やらなきゃ損する12の記憶定着法
知識や情報を覚えたら、それを覚えた後にしなくてはならないことがあります。
どうしても思い出せない時の思い出し方についても紹介させてもらいます。
1. 次の情報を覚える前に40秒だけリプレイ
効率良く勉強しようと考えると、ひとつの勉強を終わらせたらすぐ次に取り掛かろうとしがちです。
間の余計な時間はなくして、ゴリゴリと必死に勉強しようとする人も多いですが、特に難しいことを覚えたら、次に進む前に目を閉じて40秒だけそのことを思い出してみてください。
サセックス大学の研究で、男女の参加者を集めて動画を26本見てもらいました。
半分のグループには、動画を見終わった後に目を閉じて40秒だけその内容を復習してもらいました。
その後2週間時間をあけて、見た動画の内容をどれぐらい覚えているかチェックしました。
2週間経てば大抵のことは忘れてしまいますが、目を閉じて頭の中で動画のリプレイをしただけで、2週間経っても多くの人がその内容を覚えていました。
ところが、この40秒のリプレイをしなかった場合には、ほとんどの人がその内容を綺麗に忘れていました。
たった40秒頭の中でリプレイするだけでも、記憶への定着の仕方は全く違ったということです。
ちなみに、頭の中でリプレイした場合でも、内容を声に出した場合でも効果は同じだったそうです。
勉強した内容でも本で読んだ内容でも、学校や電車の中だと、どうしても声に出してリプレイするのは難しい状況が多いと思います。
そういった場合は、目を閉じて40秒だけリプレイすると、それだけでも記憶の残り方がかなり違うと思います。
研究チームによると、事故や犯罪の目撃者が、その状況や内容を正確に思い出すためにも応用できると言われています。
事故や犯罪、何かしらの決定的な瞬間を目撃した際に、多くの人はその記憶を改ざんしてしまいます。
その記憶の改ざんを防ぐために、覚えておかなくてはならないことを見た時には、その場で目を閉じて頭の中でリプレイすると、その出来事に対する記憶を定着させることができます。
これは授業を受けている場合でも読書している場合でも使えます。
オンラインの授業を受けているのであれば、一旦再生を止めて頭の中でリプレイすることもできますし、教室で授業を受けているのであれば、重要なポイントについて先生が話している様子を要所要所でリプレイするようにしてください。
ちなみに、人の名前を覚えるのが苦手だという人の場合であれば、相手が名刺を渡したり名乗っている時の映像を想像して頭の中でリプレイします。
相手の注意がこちらからそれているタイミングで上手に使えば、人の名前だけでなく様々な場面で使えるテクニックだと思います。
2. あえて忘れる努力をする
人は忘れようとすればするほど記憶に残りやすくなります。
ギーセン・アンド・マールブルク病院の研究で、手術前の患者さんを対象に複数の単語を覚えてもらう実験を行っています。
一生懸命覚えてくださいと伝えた場合と、同じように単語を見せて忘れるように努力してくださいと伝えた場合で比べています。
この実験の患者さんはてんかんを抱えていて脳内に電極を埋め込む必要がありました。
それによって覚えようとしている人と忘れようとしている人の脳の違いについて明らかにしようとした研究です。
その結果、忘れようと意識すればするほど、記憶を司る上で非常に重要な働きをしている背外側前頭前野や海馬で、脳波の振動数が上昇して、忘れようとしているのにより脳が活性化していたということです。
さらに、忘れようとしている人の方が覚えようとしている人よりも10%も多く単語を覚えていました。
ですから、勉強や読書をしていて、大切な内容を覚えたと思ったら、それを忘れる努力を適宜してみてください。
どうやったらそれを忘れることができるだろうかと考えていただけると、それだけで10%も多く記憶に定着させることができます。
例えば、読書をしていて重要な部分を覚えたと思ったら、その中でどのポイントを忘れたら思い出せなくなるだろうかと考えてみてください。
自分が覚えた記憶のウィークポイントを探してみてください。
ウィークポイントを見つけたら、それについて一生懸命忘れる努力をしてみてください。
致命的な忘れ方をするとしたら、どの辺りを忘れることがが原因になるだろうか?
内容を間違えて覚えるとすると、どんな間違え方をするだろうか?
自分の間違いについて想像するだけでも、忘れる努力をすることと同じような効果が期待できます。
3. 覚えた後は5分だけ歩く
記憶に定着させたい内容を覚えたら、その後に5分だけ散歩したりステッパーを踏んでみてください。
それだけでもかなり記憶への残り方が違います。
ニューサウスウェールズ大学の研究で、平均年齢20歳程の男女を対象に、見知らぬ中年男性の顔と名前を覚えてもらうという実験を行っています。
片方のグループには普通に覚えようとしてもらっただけで、もう一方のグループには、覚えた後に5分間だけステッパーを踏んでもらいました。
その結果、やはりたった5分でも歩いただけで記憶への残り方が全く違っていました。
そして、男性に比べて女性の方が、歩いたことによる記憶への定着率の向上の効果は著しく大きくなっていました。
男性の顔と名前を覚えるという実験だったので、女性の方が覚えやすかっただけという可能性もありますが、いずれにしても覚えたら歩くということは結構重要です。
実際に、エビデンスベイストの教育を行っている海外の教育機関では、授業時間を増やすことよりも、運動時間を増やすことの方が重要だということに気づいています。
ところが、日本も含めて多くの学校では授業時間を増やして休憩時間を減らそうとしているので、子供たちから運動するための時間を奪っています。
本当に増やすべきは運動の時間です。
勉強と勉強の間の体を動かす時間を増やすことによって、学んだことの記憶への定着率も上がることが十分に期待されています。
運動と記憶力は密接に関わっています。
記憶力を高めたいのであれば運動量を増やすことを意識してみてください。
4. 15分の昼寝
特に午前中に一生懸命勉強した日は絶対に昼寝をしてください。
リューベック大学の研究で、2種類のイラストを見せて覚えてもらう実験を行っています。
間に40分の時間を空けて異なる2種類のイラストを見せて、半数の人たちには、その間で昼寝をしてもらいました。
学習の間に昼寝を入れる効果について調べたところ、昼寝をしなかったグループは60%のイラストを覚えていましたが、昼寝を間に15分入れるだけで、なんと85%も覚えていたということです。
ですから、午前中に勉強した時には、昼寝をしてから午後の勉強に取り掛かるようにしてください。
それをするかしないかだけで、25%も記憶の残り方が違ってくるということです。
これから試験に臨む学生さんや新しいスキルを身につけるために勉強している社会人の皆さんは、昼寝を上手に使う方が間違いなく本番で力を発揮することができるはずです。
人は情報を一度インプットするだけでは記憶としては定着しません。
一度インプットするだけではまだ脆い状態ですが、記憶の再活性化が起きることによって記憶に定着しやすくなります。
だからこそ何度も思い出すことが重要なわけですが、覚えたかどうかをチェックするために問題集にしにくい情報もあります。
仕事のスキルや会話のスキルなど、いわゆるソフトスキルは覚えるために問題集を作るわけにもいかなかったりします。
ところが、このような情報も含めて、昼寝には記憶の再活性化が起こりやすくなるという効果があります。
記憶が大脳新皮質に移り長期記憶に変わります。
ですから、午前中勉強したら昼寝をはさんで午前中の内容を記憶に定着させ、午後に勉強した内容は夜の睡眠で記憶に定着させるようにしてください。
眠くなくても記憶の定着のために昼寝をすると考えてください。
眠れなくても目を閉じて横になるだけでも効果は期待できますので、勉強の合間の昼寝を習慣にしてください。
5. スクワット
足の大きな筋肉を使った運動をすることによって、記憶力が上がります。
職場などでも使いやすいテクニックだと思います。
ジョージア工科大学の研究で、46人の男女を集めて180枚の写真を見て記憶してもらう実験を行なっています。
半数の参加者には、ジムにあるレッグエクステンションを使って50回足を使う運動をしてもらっています。
残りの半数の参加者は、同じような椅子に座っただけで特に運動していません。
その上で2日後に記憶のテストを受けてもらっています。
180枚の写真の内容を2日後にチェックされるわけですので、ほとんどの内容を忘れてしまいそうな気もしますが、運動しなかった参加者の写真の認識率は50%だったのに対して、足を鍛える運動をした参加者の認識率は60%でした。
記憶力を高めるためには足を使う運動が重要です。
研究者によると足の運動でなくても構わないようです。
運動することによりドーパミンが出て高揚した状態になります。この状態は特に感情と結びついた記憶が定着しやすくなります。
ですから、物事を覚えた後に運動してもいいですし、運動した後に勉強しても効果が期待できると思います。
運動して気分が高揚している時には、その前後で覚えたことが記憶に定着しやすくなります。
例えば、90分勉強したら、休憩時間にスクワット50回して、その後また90分勉強したら、2分から3分ほどバーピーをして、その後また90分勉強したら、次は15分昼寝をして、そこからまた90分勉強したら、次はまたスクワット50回…というサイクルを繰り返していただければ、それぞれの記憶同士が絡み合って混乱することがなくなります。
記憶はちゃんと区別して綺麗に記憶に定着させておかないと、バラバラになって必要な時に取り出せなくなってしまいます。
ですから、まずは昼寝をはさむタイミングを決めて、その上で、それ以外の勉強と勉強の間には運動を入れるようにしてください。
これはすぐに効果が出ることですので、明日からと言わず今日から取り入れてみてください。
7. 大事なことを覚えたら5分から15分何もしない
大事なことを覚えたら、スマホなどを触ったりもせず本当に何もしない時間を5分から15分ほど取ってください。
無駄な時間が記憶を定着させてくれるということが確認されています。
これは100年以上前から研究で示されている内容ですが、その後の様々な実験でも効果が確認されています。
例えば、ドイツの研究を見てみると、休憩を取らずにひたすら勉強した場合よりも、合間に6分間の休憩を取りながら勉強した方が、学習内容が2倍程も記憶に定着していました。
休憩を挟まなかったグループは28%しか内容を覚えていなかったのに、合間に6分間の休憩を取りながら勉強すると、勉強した内容の50%近くを覚えていたそうです。
最近は休憩中にスマホを触ったり余計なことをしている人が多いと思います。
本当に何もしないでぼーっとする時間が定期的にある人の方が記憶力が高いのではないかという研究もあります。
何もしないでぼーっとする時間を定期的に挟む人は、覚えた時から1週間経っても記憶に定着している確率が高かったそうです。
しかも、これは年齢にも性別にも寄らないで確認されている内容です。
大人でも子供でも誰でもした方がいい記憶のテクニックです。
本当に何もしないという現代人が忘れがちな行動が記憶を定着させてくれます。
人の脳はインプットと記憶の定着を同時にすることはできません。
これを分けて行わないと、いくら一生懸命勉強しても記憶に定着させることができません。
ガリガリと勉強して勉強と休憩のメリハリをつけることができない人は、脳がインプットと記憶の定着の切り替えがうまくできなくなっています。
記憶の定着をブーストさせる3つのポイント
この本当に何もしない時間で重要な3つのポイントを紹介させてもらいます。
ポイント1 :薄暗く静かな部屋でじっと座る
できるだけ視覚情報と聴覚情報が入ってこない環境を整えて下さい。
できない場合は、アイマスクとノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンを用意してください。
インプットする情報がない状態にすることが重要です。
ポイント2 :スマホ禁止
この何もしない時間には絶対にスマホを触らないでください。
通知もならないようにして目に入らないところに置いておいてください。
ポケットに入れておくこともおすすめしません。
スマホが鳴るかもしれないと考えるだけで、脳はインプットモードになってしまいます。
勉強した後にスマホを触るのも、せっかくの勉強の効果を妨げてしまうだけです。
ポイント3 :過去も未来も想像しない
本当に何もしない時間ですので、過去や未来の出来事について考えてしまうと、それもインプットモードになってしまう原因です。
どうしても余計なことを考えてしまう場合には、瞑想と同じように自分の呼吸に注目してみてください。
ここから先は、HIITなど激しい運動と記憶力についてや、簡単なのに意外と効果がある記憶の定着法についても紹介させてもらいます。
最後に、どうしても思い出せない時の記憶の引っ張り出し方についても紹介させてもらいますので、仕事でも勉強でも、記憶力を高めて効率よく覚えておくべきことを記憶に定着させるための方法について、ぜひ続きもチェックして学んでみてください。
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一問一答「あなたが、つい考えすぎてしまうことはどんなことですか?」【反芻思考対策】
あなたが、つい考えすぎてしまうことはどんなことですか?
今回は、なんとなく気分がモヤモヤしてしまう時の対処法についての相談をもとに、ネガティブな感情に振り回されないための反芻思考対策について解説させてもらいます。
「Q. 最近なんとなく気分がモヤモヤしてしまう時が多いです。何か対策はあるでしょうか?」
とりあえず自然に触れるか、できれば山登りしてみてください。
現代人は無心になる時間が著しく減っています。
スマホの通知が気になったり、過去の後悔や未来の不安に悩まされたり、外から入ってくる情報や刺激に振り回されてしまい、ずっとネガティブなことが頭で繰り返される反芻思考が起きてしまったりします。
皆さんもずっと同じことに悩まされたり不安になった時には、とりあえず山登りをしてみるのがおすすめです。
山登りをしている間は、足元に気をつけないと転んでしまいますし、道に迷ってもいけないので、当然余計なことを考えている余裕はありません。
それによって反芻思考を止めることができるという効果があります。
反芻思考を止めるというのはうつ病の改善にも役に立つことですから、くよくよ悩んでしまう自分を改善するために、土日に山に登るというのはとても良いことだと思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
「反芻思考」になりやすい人
内向的で人とコミュニケーションをとるのが苦手ということと同時に、メンタルが弱く神経症的傾向が高い人ほど、ネガティブな経験を思い出しやすく反芻思考と呼ばれる状態になりやすいという研究があります。
これは逆に考えると、外向性のなさについて改善するか、メンタルが弱い状況をどうにかするかのどちらかの対策をとる、あるいは、両方に対しての対策をとることによって反芻思考を改善することができるということです。
人間の性格というのは半分は産まれた瞬間に遺伝子により決まってしまうので、それほど改善することができないのではないかという人もいますが、この2つの要素についてはかなり改善することができるということもわかっています。
反芻思考に陥った時に取りやすい行動
反芻思考でネガティブな状況になった時に取りやすい行動として、男女それぞれに特徴があります。
反芻思考になった時に男女それぞれで取りやすい行動の特徴があり、そこまで理解しておけば、それが大切な人であればケアをしてあげることもできるようになります。
反芻思考になった時に女性が取りやすい行動
女性の場合は反芻思考になった時に、それに立ち向かうための方法として思考の抑圧というものを使います。
つまり、そんなことを考えてはいけないと自分の思考を抑えようとします。
しかし、実際にはこれをしてしまうと余計にネガティブな思考が強まってしまう可能性が高いです。
反芻思考になった時の男性が取りやすい行動
一方男性の場合は少し違いがあり、男性の場合は思考の抑圧をしようとする人も中にはいますが、女性ほどではありません。
男性の多くが反芻思考に立ち向かうための戦略として使うのは、ポジティブな記憶を思い出すという方法が多いです。
このポジティブな記憶を思い出すというのは若干は反芻思考の改善に役に立ちます。
ですから、男性の場合は反芻思考が起きてしまった時にこのポジティブな記憶をうまく思い出すことができた場合には、それを止めることができてうまくいっているケースが結構あります。
男性と女性、それぞれの特徴も理解した上で、ケアしてあげたり寄り添う言葉をかけてあげるようにしてみてください。
繰り返すネガティブ思考を止める8つの方法
嫌なことがあったり、過去の嫌な経験が思い出され、ネガティブな考えがずっと頭の中で繰り返されてしまう反芻思考に悩む人も多いと思います。
反芻思考はメンタルにダメージを与えますし、それを放置しておくと最終的にはそれが原因でうつ病になりかねません。
うつ病の一番の原因は反芻思考なのではないかと言われるぐらい危険なものだとも言われます。
とはいえ、この反芻思考は誰にでも起こります。
その程度や頻度は違いますが、ずっと思い出しては「なんであんなことをしてしまったのだろう」と悩むことは誰にでもあります。
トラウマまではいかなくても、嫌なことを思い出してしまい、そのせいで仕事や勉強が手につかなくなってしまうこともあります。
この反芻思考を止める方法について紹介させてもらいます。
この対策について知っておいていただければ、嫌なことがあっても立ち直りやすくなりますし、ネガティブな感情を引きずることが少なくなります。
反芻思考の3つの手軽な対策
ハーバード大学のダニエル・ウェグナー博士が、反芻思考をやり過ごすための手軽な方法について教えてくれています。
ダニエル・ウェグナー博士は、シロクマ実験を行い、何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる皮肉過程理論(皮肉なリバウンド効果)を提唱した方です。
どれもとても簡単なテクニックですが、非常に効果が高く科学的にも実証されているものです。
ぜひ試してみてください。
方法その1 :気をそらせるものを探す
当たり前のことと考える人もいるでしょうが、考えてはいけないと思えば思うほど、そんなことを余計に考えてしまいます。
大事なのは何かを見ないようにするのではなく、他に注目できるものを探すことです。
頭の中から特定の思考を消すことはできません。
ですから、どうしても注目してしまうものがあるのであれば、別の注目するものを探せばいいということです。
好きな仕事をしたり映画を見たり、猫と遊んだりしていると嫌なことを忘れられます。
この時嫌なことは頭の中にありますが、そこに自分の注意が向いていない状態です。
違うところに自分の注意を向けてあげれば、反芻思考のネガティブな影響を軽減することができます。
アニメを見るとか筋トレをするとか、どんなものでも構いません。
一定時間だけ夢中になれるゲームをするなどでもいいと思います。
10分間だけ自分に合った難易度でテトリスのようなパズルゲームをプレイすると、余計なプレッシャーを和らげることができるという研究もあります。
不安や緊張も、不安や緊張に注意が向いているから、それがプレッシャーになって本番で実力を発揮することができなかったりします。
ですから、不安に向いている自分の注意を切り替えるのにテトリスが役に立つということです。
これと同じように繰り返される反芻思考にも効果があります。
あらかじめ手軽にできる夢中になるものを用意しておいてください。
ネガティブな感情は消そうとするのではなく、注意を向ける対象を変えるということを覚えておいてください。
方法その2 :後回しにする
人はネガティブな感情にとららわれてしまいがちですが、もしみなさんが次にネガティブな感情が湧いてきたら、「そのことについて次にいつ考えるか?」予定を決めてください。
とりあえず、明日の通勤時間にもう一度考えようというように、予定に入れて後回しにします。
実際にカレンダーやスケジュールに「◯◯について考える」と予定を入れてください。
たったこれだけのことですが、様々な研究により効果が確認されている方法です。
ネガティブな感情や思考だけでなく、部屋の片付けをしなくてはならないとか、別に考えなくてもいいことをつい考えてしまうことはあると思います。
ずっとそのことが気になりながら、勉強したり読書していると、ずっと頭の中がモヤモヤした状態で目の前のことが頭に入りません。
このような状態で集中できない時には、それについて予定を決めて後回しにすると、頭の中でモヤモヤがなくなりやるべきことに集中できるようになります。
余計なことをしそうになった時も、頭の中にネガティブな思考が湧いてきた時もこの方法が使えます。
反芻思考が湧いてきたら、後でその反芻思考をしようと決めて、いつそれをやるかスケジュールに入れてください。
ダイエットや禁煙を邪魔する悪い習慣も同じです。
禁止すると余計に欲しくなります。
禁止するよりも先延ばしすることによって目先の欲求に抗うこともしやすくなります。
逆に、語学の学習や新しいスキルの習得など、人生においてやるべきことだとわかっていることがあっても、なかなかできないのも同じです。
人は先延ばしにすると、その行動をしなくなります。
方法その3 :マルチタスク対策
反芻思考をしやすい人はマルチタスクになりやすい人です。
集中力のある人は、ネガティブなことが思い浮かんだとしても、注意がそれたことに気づいて元に戻すことができます。
ですから、シングルタスクを習慣化することによって、僕たちは反芻思考を止めることができます。
反芻思考に負けないためにもマルチタスクはやめた方がいいです。
人は複数のことを同時に行うとすると、脳に負荷がかかりすぎてメンタルの余裕がなくなってしまいます。
それによってネガティブな感情を処理する能力が下がってしまいます。
Dラボの「シンプルライフ」のシリーズで、物を捨てることによるメリットについて解説しました。
物が減ると迷うことがなくなります。
物がたくさんあって迷うのもマルチタスクです。
やりたいことや気になることが思い浮かぶだけでも、脳に余計な負荷がかかって生産性が下がります。
仕事でも趣味でも、あれもこれもと手を出すのではなく、ひとつに絞ることで達成確率を高めることができるだけでなく、失敗したとしても、それを乗り越えて次の挑戦に向けて進んでいくことができます。
物事をもっとも速やかに終わらせる方法として、過去をさかのぼってみても、偉人たちの名言に複数の事を同時に進めて終わらせましょうというような言葉はほとんどありません。
サミュエル・スミスの言葉です。
「山積みの仕事を手っ取り早く片付ける方法は一度にひとつずつ取り組むことだ」
もちろん、複数の異なる世界で大きな成功を成し遂げている偉人たちも多くいます。ですが、彼らはほとんどシングルタスクです。ひとつの時期にひとつのことに極限まで集中して成果を出しているわけです。
目の前の取り組んでいることと頭の中を一致させるという意味でのシングルタスクが大事です。
肉体と精神のやっていることが違うと当然集中できないし目の前の作業も進まない上にミスも多くなります。
意識と肉体を同じ場所においてください。
「今この場所にいて」「目の前のこと」に集中する!
これを意識することが最高のシングルタスクです。
シングルタスクを極めるのであれば、こちらの本が役に立ちます。
ひとつずつのことに集中して短時間で高い生産性を出すためにはどうすればいいのかということを解説してくれている本です。
SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
反芻思考と戦う方法
心理学者のイーサン・クロス博士が教えてくれる反芻思考と戦う5つの方法があります。
この方はメンタルコントロールに関する非常に有名な権威です。
Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法
そもそもなぜ人間には反芻思考というものがあるのでしょうか?
反芻思考はメンタルにダメージを与え人から行動力を奪ってしまいます。
人の生存や子孫の繁栄のために不要な特性であれば、人類の長い歴史の中で淘汰されてなくなっていたはずです。
クロス博士の著書は、その意味から理解し対策しようというものです。
Dラボの「ACT」のシリーズでは、頭の中に湧いてくる思考や感情を否定すると、余計にそれが強くなってしまうと紹介しました。
ネガティブな感情もポジティブな感情も否定するのではなく受け入れるということでした。
反芻思考の正体は頭の中の独り言です。
人間は大半の時間を頭の中の独り言で使っています。
ここから先はクロス博士が教えてくれる反芻思考の本来の目的と、そこから考える反芻思考の対策について具体的に解説していきます。
余計な思考や気分に振り回されることなく、変化と成長のために行動していきたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。
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