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  • 一問一答「あなたは、どんな人に好印象を持ちますか?」【印象操作の心理学】

    2023-03-18 12:00  
    330pt
    あなたは、どんな人に好印象を持ちますか?

    今回は、色々考えているのになかなか相手に思うように自分の気持ちを伝えられないという方の相談をもとに、好き放題やってもなぜか印象が良くなる印象操作の心理学について解説させてもらいます。

    「Q. 考えていることはいろいろとあるのに、なかなか相手に思うように伝えられません。どうしたらいいのでしょうか?」

    たくさん言いたいことがあるために、それを考え過ぎてしまいなかなかうまく伝えられないということはよくあると思います。
    その場合は、紙に書き出してみることをおすすめします。
    自分の感情が交錯したりして相手にうまく伝わらないという場合があると思いますが、それを防ぐためには、結局自分は何を言いたいのかということを客観的に見る必要があります。

    人間というものは、頭の中でモヤモヤしていることを頭の中で考えても余計にモヤモヤしてしまうだけです。
    ですから、そんな時に一番いい方法は言葉にすることです。
    外部に出して言語化することによって、人間は初めてそれを冷静に見ることができるようになります。

    言いたいことを箇条書きで3つぐらいにまとめるようにしてみてください。
    そして、「今から言いたいことが3つあります」と言ってから話し始めるようにしてください。
    世界中の小説などでも三部作が多いものです。人間というものは、ポイントが3つにまとめられているとそれだけで話が入ってきやすくなります。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    印象操作の心理学

    人はそもそも他人のことをそれほど見ていません。
    心理学では、認知的倹約家(認知的ケチ)と言われますが、人間関係やコミュニケーションにおいても、相手をしっかりと観察したり、認知的に難しいことをあれこれと考えて処理するためのエネルギーを節約しようとします。
    これを逆に利用できれば自分をもっと魅力的に見せることもできます。

    認知的倹約家の研究でよく出てくるものとして社会的比較理論というものがあり、人は判断に迷うと周りと比較して平均的なものを選ぶ決断をしがちです。
    自分の周りに起業する人が多かった学生は起業する可能性が高くなりますし、普通に就職する人が多かった学生は就職する可能性が高くなります。
    人は意識しないと実際には自分の頭で考えていないことが多くなるということです。

    これも逆に使うと、自分の印象を魅力的に見せるために使うこともできます。
    メガネをかけると頭が良さそうに見えるというのも同じです。
    伊達メガネをかけている人もいますが、元々は本をたくさん読んだりする人が目が悪くなりメガネをかけることが普通でした。
    それによってメガネをかけている人は知的な人だと思われやすくなるわけです。
    ちなみに、頭を良く見せたいのであれば丸いメガネよりも直線的でシャープな印象のメガネの方が良いです。

    不定比率強化(variable ratio reinforcement)
    寿司が好きな人がいたとして、毎日寿司を食べるとさすがに飽きてしまいます。
    時々寿司を食べるから美味しいわけです。
    時々食べるとしても、毎月決まった日に寿司を食べるとするとありがたみは少なくなります。

    時々不意に美味しいものを食べられるから喜びが増えます。
    つまり、人間に最も喜びをもたらしてくれるものは、定期的な物事ではなく不定期に喜びをもたらす物事です。
    これを印象操作に使うのであれば、皆さんが不定期な喜びをもたらす刺激を与えなくてはなりません。

    ギャンブルでも同じです。
    毎回同じ確率や頻度で勝てる保証は何もありません。
    時々不定期に大きな利益が出たりするから、そのいいイメージが残って次も挑戦したくなってしまいます。

    人間は期待値で物事を見ているのではなく、期待値とそこから感じる喜び、そして、その頻度で物事を見ています。
    魅力的な人になりたいのであれば、不定期に他人を喜ばせる人になる必要があります。
    これが心理学では不定比率強化(variable ratio reinforcement)と呼ばれる現象です。
    報酬がその都度変わったりタイミングが変わるものに対して人は魅力を感じます。

    当たり前にあるものにならないでください。
    時々相手を喜ばせることをしたり褒め言葉を伝えたりしてください。
    プレゼントや差し入れも毎回同じものではなく違うものにした方が不定比率強化の効果が大きくなります。

    不定比率強化では、報酬が与えられる回数が固定されていないため、より長い時間その行動を続ける傾向があります。

    不定比率強化は、動物行動学や心理学などの分野で研究されており、その効果は強力であることが示されています。特に、不定比率強化は、行動の習慣化や強化の維持に効果的だと言われています。

    簡単でお金もかからない最強の印象操作
    上司からの評価を上げるためにゴマをすっている人や、周りの男性によく可愛く見られたいからと不自然に頑張っている女性を見ると、他の人を出し抜こうとしているように見えてしまうので周りからすると嫌な気分になってしまいます。
    自分をよく見せたいというのは誰でも思うことでしょうが、とはいえ周りからひんしゅくを買うことは避けたいです。

    簡単でお金もかからないしすぐにできる行動で皆さんの魅力を高めることができます。
    その行動とは、寛大な行動です。

    周りの人が寛大で優しいと感じる行動をとるだけで、見た目に対する評価まで上がってしまうという研究があります。
    親切や寛大な行動というものは、過去の先行研究を見てみても非常にメリットが大きいです。
    例えば、ボランティア活動や奉仕活動などをしている人ほどメンタルが安定しているというデータがあったり、他人に親切にする人の方が人生における幸福度が高くなるとか、寛大で優しい人ほど健康で寿命が長くなるというデータもあるぐらいです。

    ペンシルベニア大学の研究で、人間が何かの特徴が良いと、それにつられて他の部分も良いのではないかと感じるようになる性質があるということが確認されています。
    見た目がいいと性格もおそらくいいだろうし育ちもいいのだろうと考えやすくなります。

    つまり、性格が良く優しくて寛大だという印象が先にあれば、それに影響を受けて外見に対する評価も高くなるのではないかということです。

    研究では、思春期後期から高齢者までの被験者を54年間かけて調べたアメリカの大規模なデータセットをもとに、全員の外見的な魅力を第三者の視点でチェックして、それがボランティア活動の多さと相関しているのかということを調べています。

    ボランティア活動の情報については知られていませんが、その結果、若者であっても高齢者であってもボランティア活動をしている人の方がルックスに対する高い評価を得るという傾向が確認されています。
    しかも、優しさや寛大さと外見的な魅力の間には双方向の関係が確認されたそうです。
    つまり、ルックスがいい人ほど優しく寛大な行動をとる可能性が高く、優しい行動をとる人ほどルックスが良い傾向があるということです。

    より魅力的だと判断されている人ほど他人に親切で寛大に接する可能性が高く、他人により多く与え親切な人ほど外見的にも魅力的だと思われるということです。

    寛大さや親切についてのおすすめ本
    この寛大さや親切についてはぜひ読んでもらいたいおすすめの本があります。
    ある条件を満たした上で他人に与える人が最も幸せになることができますが、それに失敗してしまうと与える人の方が不幸になってしまうということもあります。
    この本は、その失敗をしないようにするための方法を教えてくれます。

    GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

    親切や優しさについて書かれた本でスウェーデンで話題になりベストセラーになった本ですが、こちらもかなり参考になると思います。
    寛大さ優しさを求めている方にはぜひ読んでもらいたい本です。

    「やさしさ」という技術――賢い利己主義者になるための7講

    敵をつくるけれど仲間も多い人

    特に今の時代では、ネット上でDaiGo師匠以上にズバズバと物事を言って発信する人も結構います。
    彼らの特徴としては、確かに敵もたくさんできるわけですが周りに必ず仲間がいるわけです。

    そのような人に対して、周りに仲間がいたりフォローしてくれる人がいるからこそ発言できるという人もいます。
    それも確かですが、敵しかいない人はそうはいません。

    いわゆる敵を作りやすい人や物事をズバズバ言う人は、その人の周りに結構仲間がいます。
    つまり、敵を作っているわけですが、それと同じかそれ以上の仲間を彼らははっきりとした発言をすることによって作っているわけです。

    この違いは何なのかと言うと、結局、自分が感情をオープンにしているかどうかということだけです。

    人は相手の感情がわからないとか、自分の感情を表に出さない人は怖いと感じます。
    そうなると、何を考えているかがわからないので信用することができず仲間にすることもできないわけです。

    かといって、そのような人を敵にするわけではありませんが、人間というものは味方と付き合います。
    敵もしくは敵かもしれない人よりは、味方の人と一緒にいようとする傾向がありますので、自分の感情を抑えて言いたいことを言わない人や、自分の考えていることを周りにアピールしない人、特にネガティブな感情を抑えるようなことをする人ほど、仲間に入れてもらえなくなります。
    敵もそんなにはできませんが、味方もできないということになり、結果守ってくれる人がいないというのは人生にとって大きなリスクになってしまいます。

    自分の考えを出せば叩かれることもあります。
    ですが、叩く人がいるということは賛同してくれる人もいるので、その中からいざという時に自分を守ってくれる人も出てきます。

    ところが、自分の感情を出さないと誰も味方にはなってくれませんので、困った時には全てひとりで解決しなくてはならなくなってしまいますので、生きていくのがつらくなってしまうわけです。

    実際に、このような感情を表に出さない人は、社会生活が苦手な傾向があるということがいろいろな研究でもわかっています。

    嫌われることを恐れて自分の感情を抑えたり自分のキャラクターを偽ってしまうと、誰からも好かれないということになってしまいます。
    確かに誰からも嫌われることはないとは思いますが、誰からも好かれないということになってしまいます。

    人は当然ですが、わざわざ自分から相手に敵対したり嫌われるような行為は誰でもしたくないはずです。
    ところが、感情を出さないことによって、人は無意識のうちに同じようなことを相手に伝えてしまっているということです。

    大事なのは、自分の感情を出していくことによって自分の敵が増えるかどうかということではなく、味方が増えるかどうかです。
    自分の味方に対して目を向けていくようにしましょう。

    マム効果(Mere-exposure effect)
    自分がどんな人間なのかを伝えなくては相手は情報不足になります。
    人は情報不足になると勝手にどんな人間なのか決めてしまいます。

    心理学でマム効果(Mere-exposure effect)と言われる現象があります。
    マム効果とは、ある対象や刺激に何度も接することで、その対象や刺激に対する好感度が高まる現象です。つまり、慣れ親しんだ対象や刺激に対して好感を抱くようになるということです。

    マム効果は、商品広告やマーケティング分野でもよく応用されています。ある商品やブランドに何度も接することで、その商品やブランドに対する好感度が高まるということです。また、異性に対する好意や人種差別などにも影響を与えることが示されています。

    マム効果は、広告やマーケティングに限らず、人々の社会的行動や対人関係にも影響を与えることがあります。ただし、マム効果が常に好ましいものではなく、反感や嫌悪感を生むこともあるため注意が必要です。

    知らなければ知らないほど人は悪い方向に考えてしまいます。
    情報不足になると相手は勝手に補います。
    その補う情報は皆さんにとってマイナスな情報です。
    自分のことを言わなければ言わないほど、人はどんどん誤解され印象が悪くなります。
    知らないものは人にとってリスクです。だから良くないものだろうと考えるわけです。

    パートナーに浮気を疑われたり、友達に裏切ったと言われたり、上司になぜか嫌われたり、実際には何も悪いことはしていないのに逆恨みされることがあります。
    これはコミュニケーション不足が原因です。
    マム効果が働いて知らないことを悪い方向に勝手に考えます。

    例えば、自分の彼女と自分の友達が知らないところで会っていたという情報を聞かされると、自分は知らないからもしかしたら浮気しているのかもしれないと疑ってしまうこともあると思います。
    後から聞いたら、自分の誕生日の打ち合わせをしていたということだったりします。
    これも知らないから悪い方向に考えるという心理が働いています。

    自分を正直に出したコミュニケーションを心がけてください。
    相手のことをよく知っているつもりでも、誤解されたくないのであればこまめな連絡をするようにしてください。
    身近な人でも自分のことや情報をちゃんと伝えてください。

    2つの自己認知欲求

    人には自己認知欲求(self-awareness theory)というものがあり、自分という存在を確認したい欲求があります。
    いろんな服を着て自分の魅力を再確認してみたり、鏡の前で見た目を整えたりします。

    自己認知欲求とは、人が自己に関する情報を収集し、自己の認知状態を理解しようとする欲求のことです。つまり、自分自身を知ろうとする欲求のことを指します。
    自己認知欲求には2種類あり、自分に似合う服を確認したりする自己確認欲求と、意外な自分の特徴を褒めてくれたことで新しい魅力に気づくことができる自己拡大欲求というものがあります。

    この自己確認と自己拡大の欲求を上手に刺激すると相手からの印象がかなり良くなります。
    好き放題やっているのになぜか印象がいい人は、相手の自己確認欲求ではなく自己拡大欲求を刺激するコメントが多いということが確認されています。

    つまり、好き放題しているのになぜか周りからの印象がいい人は、他の人が気づかないような相手の褒め言葉を自然に言っています。
    月並みな褒め言葉は多くの人が使っているので慣れています。自分でも自覚している特徴について褒められても自己確認欲求が満たされるだけです。
    これも大事ではありますが、一番効果的なのは知らない自分に気づいて褒めることです。
    自己拡大欲求を刺激するようにしてください。

    美女に対して綺麗ですねとかスタイルがいいですねといくら言ったところで心には刺さりません。
    例えば、「小指が可愛いね」と言われると、なぜそこ??と疑問に思い印象にも残りますし、意外なポイントから話が広がったりします。
    意外な魅力を見つけることを考えてください。

    浮気を防ぎ、良好な関係を作るためのほめ方
    人は恋愛関係でも人間関係でも同じですが、関係が長くなると自己確認欲求しか刺激しないコミュニケーションばかりになります。
    付き合った最初の頃は相手の意外なポイントをちゃんと見極めようと努力します。
    相手のことをしっかり確認して、自己確認欲求だけでなく自己拡大欲求をちゃんと刺激しようとします。
    ところが関係が長くなると、最終的には自己確認欲求しか刺激しないコミュニケーションさえなくなります。
    ですから、長く付き合えば付き合うほど相手のことを理解していると思い込み、実際には何もわからなくなるわけです。

    浮気というものは自己拡大欲求を満たす行為です。
    自分の意外な魅力や新しい一面を見てくれて、今の自分を満たしてくれる人に対して好意を感じます。

    ですから、パートナーと良好な関係を続けたいのであれば、普段から自己拡大欲求を満たしてあげるようなコミュニケーションを大切にしてください。
    パートナーの自己拡大欲求を満たす行動が減ると浮気をする可能性が高くなります。

    パートナーと一緒に新しい体験をすることが関係を保つためには重要だと言われるのも、この自己拡大欲求を満たすコミュニケーションが行われやすくなるからです。

    もちろんそれが全てだとは言いませんが、パートナーの自己拡大欲求をちゃんと刺激し続けている人が浮気される可能性はほとんどありません。

    相手の自己拡大欲求を満たすための褒め言葉は、認知的フィードバック(cognitive feedback)と呼ばれるものです。
    これは、相手の行動や能力を評価し、その人の自己概念を拡大するような言葉や表現のことです。
    相手の意外な一面を見つけようと観察したり、どうすれば意外な一面を褒めることができるか考えてください。
    認知的フィードバックを意識しながら相手のことをちゃんと観察していれば、お互いの関係は良好なものになっていきます。

    これが好き放題やってもなぜか印象がいい人になる方法でもありますし、恋愛関係や人間関係を良好に保つ方法でもあります。

    ここから先は人間の本能を刺激して自分の印象を高める方法から、信頼を勝ち取るコミュニケーションまで解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。