「夏目友人帳20巻(緑川ゆき著)」
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「夏目友人帳20巻(緑川ゆき著)」

2016-04-11 19:00

    ・第1巻が出版されたのが、2005/10/5とあるので、20巻が出るまでに10年ちょっとかかっている。掲載誌が月刊誌らしいのでほぼ半年に1冊ペースで刊行され、休載もあるのか年1冊のこともある。

     4期にわたってアニメ化され、今年の秋には5期も予定されているとのこと。
     私は何十巻も続く漫画にはちょっと付き合いきれなくて、途中で脱落してしまう事が多いが、この作品は今のところずっと新刊で購入している。

     生まれつき妖(あやかし)を見ることができる主人公が、祖母から受け継いだ、祖母に勝負を挑んで負けた妖怪たちの名前を記した友人帳なるもの(名前を奪われたことになり、妖たちは友人帳の持ち主の言う事を聞かねばならないみたいになるらしい)というものを偶然引き継ぎ、妖たちに名前を返して解放してやろうとする。だが名前を返されて感謝する妖ばかりではなく、時には危険なこともある。主人公は見える分、妖からも認識されやすく、祖母は妖の世界で有名人であったため、祖母と間違えられることも多く、身の回りに妖が絶えない。
     まねき猫に封じられていた強力な妖と出会い、彼が押しかけ用心棒になったおかげで少し楽になり、次第に主人公を慕う友好的な妖達も増えてくる。

     この世界では妖を術で使役して、憑き物を祓うような生業の人間たちも存在し、その中には妖を道具として使い捨てにするような名門も存在する。主人公の持つ友人帳は、彼らから見れば非常に有用なものとなる。

     主人公も心ならず誰かを救うためにたちの悪い妖と対峙することがあるが、基本的には主人公を気に入っている自称用心棒をはじめとした妖怪たちが、自主的に戦ってくれる。
     あまり意識していないが、主人公自身も結構強い力を持っている。用心棒以外にも数体、
    有力な妖が彼に好意を持っていざというときは力を貸してくれるので、下手なプロの祓い屋よりも強大な力を主人公は行使できるのだが、それを自分のために使うつもりは全く無いし、妖を使役することも無い(用心棒だけはこき使われていると思っている様子)。
     そのため弱い妖も主人公になついてくる。

     というような設定で、最初の頃は友人帳に名前のある妖たちに名前を返す、という話の繰り返しだったが、次第に主人公ファミリーは祓い屋たちからも注目される存在となって行き、彼らとのからみも増え、友人帳が登場しない話も増えてきている。主人公は困っている人や妖を見ると放っておけない性質なので、何かと手を出して巻き込まれ、用心棒がまたお前は世話が焼ける!と助けてくれることが多いが、彼が役にたたないこともまた多い。

     主人公は妖が見えることから周囲には変な奴と思われて育ち、両親を早く亡くして親戚をたらいまわしになったこともあって人間関係が下手。
     ようやく巡りあった穏やかな養父母と、友人たち(妖も何も知らない普通の友人と、妖の存在を知っていて気配を感じたりできる友人と両方がいる)のおかげで心が少しづつ心がほぐれ、楽になっていく。

     女性誌掲載と、作者の性質もあってか話も絵柄もとても優しい。単行本内に書かれた近況など読むと人柄がいいんだろうな、と感じられる。
     話の展開がすごーくゆっくりで、10年かけてもまだほとんど変化が無いようでいて、少しずつ周囲の環境が変化している。

     おそらく妖を道具扱いする一門とは対立するようになると思うが、いわゆるバトルものにはならないだろう。このペースだとあと10年くらいかかるだろうか。
     作者には他に短編もあるが、夏目友人帳がはじまってからはほとんどこの作品に専念しているようで、作者も作品も今どきとても恵まれている気がする。

     今後も単行本は買うつもり。
    作者のツイッター。
    https://twitter.com/midorikawa_yk
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