映画「シンドバッド」紹介と感想(ネタバレ多め)
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映画「シンドバッド」紹介と感想(ネタバレ多め)

2016-05-22 19:00
    http://www.sinbad.jp/
    ・公開すぐに行きたかったけど、身動きとれなくて行けず、公開から1週間過ぎたら上映回数も大幅に削減されていて昨日行ったら空振りしてしまった作品。
     昨夜の飲む予定をキャンセルして普段より早起きしてようやく見れました。観客も朝一番にもかかわらず思ったより多くて30人程、うち10人位は子供でした。若い女の人やカップルも。

     キャンセルして行った甲斐がありました。これは良かった。本来支援の意味ではネタバレしないほうがいいんだろうけど、この作品は広告・上映体制に問題があって知名度が全然ないので、このままでは見たい人がほとんど気付かないまま来週にでも上映期間が終わってしまいそうなので、一人でもなら見てみるか、という人が出ないかな、と思って少し内容にも踏み込んで書きます。私が書いてどれだけの人が見るか、というのはまあ置いといて。

     日本アニメーションの40周年記念作品ということで、昔日曜の夜19時半からカルピスなんとか劇場とかでオズモンド兄弟とかのCMと一緒に作品を見たり、東映まんがまつりで東映動画のオリジナルの長編アニメーションを観たりした経験のある人は、どこかで見た絵柄、どこかで見たキャラクター、どこかで見た展開と感じると思う。あるいは宮崎アニメにも同じようなシーンはいっぱい。でもパクリだといって責めちゃダメ。これは一つの様式だから。

     何度かブロマガに書いているけど全3部作の今回は完結編。でも前2作を観ていなくてもダイジェスト版がついているので今回だけでも大丈夫。

     基本的に帆船が交易に使われている程度の文明の世界で、主人公シンドバッドは海に出たまま帰らぬ船乗りの父を持ち、港町で母と二人暮らし。水道も無く母は毎日遠くまで水を汲みに行く生活。
     シンドバッドは船乗りになりたいという希望を持ち、入港した交易船団の乗組員をつかまえて交渉するが、子供は駄目だと相手にされない。そんな時にどこかの名作のように空から落ちてきた女の子(空飛ぶ馬に乗っているが、エネルギーみたいなものが切れて落ちてきた模様)が空飛ぶ絨毯に乗った悪役でござい、という風貌の集団に襲われているところを助けようとして、それを交易船団の船長が見ていて、船に乗せてもらえることになって、母親に別れを言って見習い船員になる。船には同年輩の子供がもう一人乗っていて、未来少年コナンとジムシーのような関係になる。港を出た船は偶然海で遭難していたさっきの女の子を拾い、船長は彼女を客人として扱い、望むところに送り届けようと約す。女の子の乗っていた馬は、木馬になってしまっている。この馬は魔法で動く人工の馬で、女の子は今は滅びたはずの魔法族の生き残りらしい。必ずこういう作品には登場する物知りのベテラン乗組員の老人がそう教えてくれる。
     船は女の子の求めに従って西へ向かい(これも某名作に出てくる飛行石のようなペンダントをしており、これが行くべき方向を指し示してくれたりする)、女の子の仲間がいるはずの土地に着くが、さっきの追っ手が潜水艦で現われて襲って来る。これを切り抜けて上陸すると、そこは既に廃墟だった。だがシンドバッドは彼女を励まし、君の仲間はきっとどこかにいるよ、一緒に探そう、と申し出る。女の子はこれまであまり口もきかない、人を信頼しない印象だったが、ここでようやくサナと名乗り、笑顔もちょっとだけ見せるようになる。彼女はかなり身分が高い人物らしい。
     ここまで第一作。

     第二作では嵐に遭遇して修理や食料の補充が必要になった船が、ベテラン老人も知らない海図に無い島を発見し、ここに停泊する。だがサラは何かに引かれるように勝手に船を離れ、シンドバッドとジムシーじゃなくてアリという名前の子も後を追う。いろいろあるうちに船が出港してしまったのか、島に取り残されたことに気付く。 
     するとそこにまた悪役が現われて子供三人は捕まり、悪役の上司らしい美形キャラも水晶玉を使った画像通信みたいなもので姿を見せる。ここで悪役と上役はちょっと意思疎通がうまくできていないのだが、現場の悪役から魔法族が残したランプをサラの力で発見するように命じられる。この世界でもアラジンの魔法のランプの話は伝わっているらしい。
     島の反対側に難破船があり、その中からランプを発見するが、これを悪役が持っていこうとするのにサラは抵抗し、取り返す。悪人達はこれをまた取り返そうとするが、一つ目の巨人が現われたり島が揺れ出したりして悪人達は引き上げ、島に戻ってきた船長達に一行は救助される。この島は巨大な魚の背中に土が積もって出来た島で、船は勝手に出港したのではなく、島の方が勝手に動いたのだった。またこの間に、魔法を使えるサナを、悪人たちが人でなしみたいに言うが、シンドバッドはそれを聞いて自分達もサナの魔法を悪気は無いが都合よく利用しようとしたりして、それが彼女を傷付けていた事に気付く。でも勝手に船から抜け出したりしなければこういうことは無かったので、三人は船長にご飯抜きの罰を受ける。この時一緒に罰を受ける事になったサナが嬉しそうに微笑む。客人扱いから、仲間扱いになったので。ここまでが第二作。

     そして今回の新作部分。シンドバッドの帰りを待つ母のシーンがあって、どうも数年過ぎている様子。船長がもうすぐこの旅も終わるだろう、と船乗りの予感のようなものを口にしたのがきっかけで、サナはこれまで話さなかった自分の素性や、自分の国の話を全乗組員の前で明らかにする。彼女は魔法族の王女で、彼女の国には魔法を使える人間と魔法を使えない人間が一緒に友好的に暮らしており、サナの母は大魔法使い、父は魔法を使えないが優秀な錬金術師、科学者だったという。
     父と母は協力して、魔法を使えない人でも魔法が使える、「魔法機械」を作り出すが、これが両親の想いとは異なり、魔法族と魔法を使えない者達の争いの種になってしまう。
     悩んだ父は魔法機械の使用を禁じようと国民に呼びかけるが、父の弟子だった男の離反もあって、王は民衆によって追われてしまう。国は弟子の独裁国となり、魔法科学を使った軍事独裁国家に姿を変えていく。
     王と王妃は、サナの力も借りて強力な魔法を使い、魔法族をどこか違う世界に逃がす。だがこれで力を使い果たした三人は弟子の手に落ち、両親は殺され、サナは幽閉される。魔法機械を使うためには魔法族が一人はいないとダメらしい(ここ突っ込むとちょっと矛盾する所あるがスルー)。
     だがサナは、両親が生前仕掛けておいた魔法の木馬に救われ、逃げだした所で第一作の冒頭に繋がる。
     これまで漠然と船長の好意に甘えていたサナが、はじめて自分から心を開き、自分から行動を起こそうとしたことで、新しい魔法が発動し、ランプに書かれていた文字が読めるようになる。それはサナの両親が人々を送った場所の手がかりだった。
     サナは父を裏切った弟子を許せないが、それ以上に父のいう事を聞かず、弟子に味方した一般大衆に対して、恐れと不信感を持ち、人に心を開けなくなっていた。
     物知りの老人が、人は一度手に入れた便利なものは手放せないものだ、とシンドバッド達に諭す。
     だがサナはシンドバッド達との旅を通じて、人を信じる心を取り戻し、自分の願いとしてランプの示す場所へ連れて行ってくれるよう船長に頼む。だがそれはサナとシンドバッドの別れにもなることを、彼女は言えないでいる。

     ネタバレはこのへんまでであとは漠然と書くと、サナの目指した地になんとかたどりつくとやっぱり悪役が待ち構えていて、最後の戦いになる。
     某アニメのゴリアテみたいな巨大戦闘飛行船も出現。だが意外な味方が現われ、戦況は逆転する。
     第一話から登場している悪役の現場指揮官、この人は未来少年コナンで言えばダイス船長みたいな感じですね。モンスリーに相当するキャラはいませんが。
     現場を知らずに指揮をするだけの人間に対する皮肉もあって、リアルを知らずに魔法機械で得た知識だけで人々より自分は偉いんだ、と思っちゃダメよ、という感じになります。

     河島英五さんの「水瓶の唄」というのを思い出しました。
     歌詞は
     百万冊の書物を読み 一日中テレビの前にいれば どんな事でも 知ることができるだろう その部屋に寝転んだままで だけど友よそれで それで自由になれたかい
     みたいな歌ですが、今回の悪役はこんな感じですね。

     そして戦いの後は、別離と再会の約束が描かれて、きれいに終わります。

     続けて見るとよくわかりますが、最初の頃はサナの方がシンドバッドよりも首一つ分ほど背が高いのですが、ラストではほぼ同じくらい、シンドバッドの方が若干背が高くなっています。

     守るものと守られるものの逆転とか、現場をなめちゃだめ、とか、いいネタがいろいろ入ってる作品でした。
     シンドバッドが乗り組む船員たちも出番は少ないですがきちんと書き分けられていて、これが昔のカルピス劇場や未来少年コナンやふしぎの海のナディアみたいに話数があってのテレビ放送作品であれば、もっと彼らに関するエピソードもあったろうな、と思います。

     パンフが作られて無いのが残念です。エンドロールを見ると、文化庁の助成金も受けているようですが、もう少し都心部とかで見やすい時間帯に上映できなかったものかと思ってしまいます。
     広告も場所も回数も少なくて、気付かない人がきっと多い。これを読んで見てみようかと思った人は、多少無理してでも見ておくことをオススメします。この様子だと(そんなことはないと思うけど)DVDも最後までちゃんと出ない幻の作品になってしまうかも・・・

     グッズはこんな感じでした。前回もあったクリアファイルとかポストカードとか缶バッジとかをセットにして、スペシャルセットとかにしてありました。アクリルキーホルダーと缶バッジはバラでも売っていた。チラシはもう置いてなかった。



     最後は「宮下新平監督に捧ぐ」とテロップが出ました。いい仕事を残されたと思います。

     DVD今のところ2巻まで出ているが、3巻は今回のダイジェスト付きで出すんだろうか。

     ノベライズの方は2、3が合わせて一冊に。1の予告だと全3巻予定だったように思えるのだが。
     
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