「ポーの一族(萩尾望都著)」40年ぶりの新作
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「ポーの一族(萩尾望都著)」40年ぶりの新作

2016-05-29 19:00
    ・既にあちこちで話題になっているが、買ってきた。ニコニコ市場にはリンクが無いので貼れない。アマゾンではもう新刊としては買えないみたいになってる。ベストセラー1位とかついてる。



     ツイッターとかでは売り切れを心配する人が買えた!とか買えなかった!とか予約してよかった!とかいろいろ悲喜こもごもだったようだが、私は近所の個人経営の書店で夕方あっさり買えた。だがその後通ったエキナカの書店では見かけなかったりしたので運がよかっただけかもしれない。

     入手後に行った飲み屋さんで30代くらいの女性が旦那さんとやってきて、この人は面識がある人なので話をしていたら漫画の話になって、そしたらその人は萩尾さんを知らないということで、旦那さん(よく知らないけど10歳くらい年上)がお前知らないのか、みたいな話になって他の客も参加して店中で彼女にあれを読め、これを読めみたいな話になった。

     でも言われてみれば、普通の特に漫画に興味が無い人は知らないのかもしれないな。
     私は見ていないが、先日この作品を原案の実写ドラマがあったりもしたが、萩尾さんの原作でマニアでない人が目にする機会がありそうな映像化作品は菅野美穂さんの出た「イグアナの娘」くらいか。「11人いる!」「スター・レッド」「トーマの心臓」「銀の三角」「マージナル」・・・とあげていっても、発表された頃にリアルタイムで接していないとなかなか厳しい。

     というわけで知らない人も意識して書くと、表現はいろいろだが不死の一族がいて、まあ吸血鬼と思ってもらえばよい。これがタイトルの「ポーの一族」で、彼らはヨーロッパの貴族社会に混ざって長く暮らしていて、多くは爵位を持っている。不死だけど、物理的に事故にあって死んでしまう事はある。
     宇宙英雄ローダンシリーズに出てくる不死者と同じようなもの。
     エネルギー源は血というよりは人間の持つ生体エネルギーのようなものらしく、ドラキュラみたいに首筋から血を吸うわけではなく、もっと静かに吸い取る感じ。スペースバンパイアみたいにけたたましくは無い。
     逆に「血」を与えることによって、相手を同じ一族にすることもできる。

     上のイラストにあるのがエドガーという主人公で、子供を一族にしてしまうと、それ以上成長しないため、正体がばれやすくなるので普通はやらないのだが、もう読んだの30年くらい前なのであまり覚えていないのだが、事情があってエドガーは16歳←14歳くらいだったみたい。くらいで一族になる。
     長老という、最も「濃い」血を持つ相手からエネルギーをもらったので、彼は一族としてはかなり強い。いろいろ葛藤はあるのだが、妹や少し年下の少年なども仲間に迎え入れる。

     だがヨーロッパの貴族社会が衰退、崩壊するに従い、彼らを世間から隠していた一族の力も弱くなり、最初のうちは大人の一族もいたのだが、彼らは死んだりどこかへ消えたりしてしまって、妹も失うことになる。

     結局話の大部分は、エドガーと彼が一族にしたアランという少年が各地を放浪する、という話になる。子供二人なのでひとところに長くはいられない。時代はうつろい、作中では数百年の時間が流れる。
     お分かりの通り、エドガー・アラン・ポー というネーミングになっている。

     もともと名門貴族だったエドガーの(異母兄の)子孫は、だんだん落ちぶれていって、現代に近い段階になると、詐欺師みたいになってしまっている。エドガーとアランは特に目的も無くただ生き続けるだけ、みたいな存在だが、子孫の動向にはちょっと目を配っている。

     だがある事件がきっかけでこの詐欺師になった子孫たちとかかわることになり、その結果エドガーはアランも失ってしまう。このエピソードが以前のシリーズの最終回だった。

     今回の続編は、アランが健在なのでそれ以前のエピソード。現代に一人で生きるエドガーの話かと思ったがそうではなかった。時代としては第二次世界大戦の初期のあたりか。
    40年が過ぎて、今続編を描くのであれば、伝えたいものがあるのだろうと思うが、それは何だろう。重めのテーマを扱っているが。
     
     太田忠司さんという推理作家の作品で、「伯林水晶の謎」というのがあるが、これと一緒に読むと興味深いかもしれない。

     ちょっと人物の顔のデッサンが???というシーンが散見されたのが気になる。全般的に顔の輪郭線が強くて目立つ印象。AWAYとかの最近の作品では気にならなかったけど、今回は少し気になった。

     今回で完結というわけではなくて、続きが冬頃にまた掲載されるらしい。また買わねばならない。

     結構忘れていて手元には無いので読み直したいな、とも思っていたのだが、復刻版が出ているのを雑誌の広告ではじめて知った。どうしたものか。

     

     そういえばこの作品のパロディで「パーの一族」というのがあったのもついでに思い出した。岡崎優さんが描いたのだと思ったが。篠原幸雄さんが主宰していた「不思議な仲間たち」という同人誌っぽい雑誌で読んだように思うが、情報が見つからない。たしか「グレンスミスの日記」が元ネタだったはず。内容はほとんど覚えていないけど、大ゴマ一杯にパチンコ球が描かれていたような。←間違っていました。元ネタは、「グレンスミスの日記」の前日談にあたる「ポーの村」の方でした。

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