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不死者の話

2016-06-04 19:00
    「ポーの一族」復刻版を出版社の思惑にまんまとハマって買って40年くらいぶりに読み直してしまったせいで、こうした不死者の出てくる作品について連鎖的に思い出したので書いてみる。

    ・白暮のクロニクル

     現在もまだ連載中だと思うゆうきまさみ作品。これは不死者が社会的に認知されていて、「オキナガ」と呼ばれており、厚生労働省が彼らの面倒を見ることになっている社会の話。
     主人公は厚生労働省の身長が高い新人の女性。彼女が「オキナガ」の一人(外見は若いが中身はジイサン。私はこの人物が絶対可憐チルドレンの兵部京介とイメージがかぶる)とだんだん関わりを深めていく。おりしも「オキナガ」を狙った連続殺人事件が起こったり、7年←確認したら12年だった。訂正します に一度女性を襲う殺人鬼が関わってきたりするうちに、二人が組んで捜査をするみたいな感じになってくる。新人女性の若くして亡くなった祖母も殺人事件の犠牲者であり、その祖母は若い頃の不死者になる前のジーサンの大切な人だったりするが、「ポーの一族」のメリーベルと
    彼女に心惹かれる人々みたいなロマンチックな雰囲気には全然ならない。
     著者がどう語っているかは知らないが、これはゆうきまさみ版ポーの一族のような。

    ・不死を狩る者
     一度大昔に読んだだけ(たぶんSFアドベンチャーに連載していた)の、鏡明著作の連作小説。やっぱり不死の人々がいて、人間社会の陰の実力者みたいになっている。一方で彼らを殺して、その時に発せられるエネルギーの霧みたいのを浴びると活力が漲り、一種の中毒みたいになって彼らを追うハンターがいる。
     話はすっかり忘れてしまったけど、彼らの長老同士は互いを「雨」とか「海」「河」「雪」「沼」みたいに呼んでいる、というのが面白かった。

    屍鬼
     アニメや漫画にもなった、小野不由美さんの有名小説。これに出てくる屍鬼も、ポーの一族の不死者そのもの。不死になっても人間的にダメな奴は変わらず、不死者の社会でもダメな奴として扱われるのはちょっと救いがないと思った。ポーの一族だと一番古い人は大老ポーで姿も老人だが、これだと一番古い人は少女で、彼女が自分の両親役や護衛役などを仲間に加えていったことになっていたと思う。
     この少女の声がアニメ版では新人時代の魔法少女まどか役の人だった。
     十二国記の新刊が出るというアナウンスがあってからずいぶんになるが・・・

    暗黒神話
     諸星大二郎さんの有名作品。これに登場する竹内老人(実は武内宿禰)がちょっとタイプの違う長命者(不死ではないけど)。この人の印象が大老ポーと私はかぶる。
     この作品では不死者は別に登場するが、不死と引き換えに知恵と人間の肉体を失うことになっている。
     諸星作品では、知恵と不死はそのどちらかしか選べない、ということになっている設定(もともとは聖書らしいが私は全く知らない)の作品が他にもあり、妖怪ハンター「生命の木」に登場するじゅすへるの子孫たちや、「マッドメン」に登場する、バナナではなく石を取った人々の子孫が印象に残っている。
     知恵と永遠の生命の両方があれば神と一緒なので人間がそうなるのは許されない、という感じだったと思うが、エドガー達は神と同じなのか。

    宇宙英雄ローダン

     ドイツでチーム執筆の形で中心になっていた作家が亡くなっても50年以上続いていて、3000巻近く、日本版(原書2冊で1巻)でももうすぐ523巻が出る、どうするんだこれ、というシリーズ。全巻初版で買って読んでいる人って今どのくらいいるんだろう。
     東西冷戦時代に月面で科学力に優れるアルコン人の宇宙船が遭難しているのを発見したアメリカ人宇宙パイロット、ローダンが、彼らの科学力を借りて地球を統一し、地球に押し寄せて来るエイリアンたちを退けつつ、太陽系帝国を作り、アルコン星に行って彼らと対立したりもするが結局彼らの後継者となり、アトランティスを滅ぼした時間警察じゃなかった、時空を超えた敵を退け、機械生命体みたいなポスビとも対立するがやがて良好な関係となり、銀河系だけでなく他の宇宙まで含めた統治者みたいになっていく。
     彼や彼の周辺スタッフ、彼の周囲に集うエスパー(作中ではミュータント)などは、生命の星というところで手に入れた細胞活性装置というのを身に着けて、肉体的には老化することなく不死となる(銃で撃たれたりすれば死んでしまう)。
     私は10巻ぐらいまで続けて読んで、あとは飛び飛びで100巻ぐらいでリタイアしちゃったけど、今どうなっているのか、最新刊の紹介文を読んでも全然わからない。知っている固有名詞が地球以外に一つもない。
    惑星ロクヴォルトの研究施設では異人キウープをリーダーとして、あらたなヴィールス実験がおこなわれるはずだったものの、肝心のキウープが行方をくらましてしまって、そのままもどってこなかった。しかも、キウープのラボから資材や備品が盗みだされる事件が頻発し、研究員たちのあいだに疑念がひろがる。そんななか、地球からキウープを探しにやってきた少女スリマヴォとその同行者までもが忽然と姿を消してしまった!
     不死の指導者に永遠に導かれる人類(+他の知的生命体)が幸福なのかどうか、深く考えてはいけない。
     以前読んだ情報では未訳の本国版では既に地球も敵に破壊されて無くなっていて、人類は宇宙の放浪者みたいになっていて神との戦いを始めたとか終わったとか?美人ミュータントのベティ・タウフリーあたりは第二次遺伝子危機で一度死んで、甦った後は今も健在なんだろうか。

    超人ロック
     
     個人が描く同一主人公の作品としてはローダンよりすごい気がする超人ロック。今も連載中。不死の超能力者ロック(ある時期が来ると肉体を再生する)は、ローダンみたいに一時は銀河帝国を率いる立場になったり、銀河帝国が滅びた後に登場する銀河連邦みたいのに助力したりした時期もあったけど、最近は自分の記憶や能力にも制限をかけて普通の人間として生きている様子。愛した人も敵も味方も友人も、みんな時の流れの中で去っていってしまう。いつに間にか作られた自分のクローン達と戦い続けることになったりもする。作品の中では1000年くらい経っているんだと思う。不世出のエスパーで不死の彼が統治者として努力しても、人間社会の愚かさは変わらないという。

    月夢

     
     妖女伝説シリーズの一遍で、この中の「月夢」には不死となり、ある人との再会を求めて宇宙へ行く人のエピソードが載っている。
     ジブリはこれを下敷きにしてあの映画作ればよかったのに、と思っている。

     他に「メトセラの子ら」に代表されるロバート・A・ハインラインの長命人なんかもあるが、だんだんポーの一族の不死者からはズレてきたのでこの辺で。
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