「火星のプリンセス(E・R・バローズ著 小西宏訳)」を今ごろ読む
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「火星のプリンセス(E・R・バローズ著 小西宏訳)」を今ごろ読む

2016-12-08 19:00



     火星シリーズ、というと昔はSFファンなら誰でも知ってるSFの古典だったんだけど、
    今はどうかな。
     中学か高校の頃読んだっきりだったので、久々に再読。上記リンクでは訳者は厚木淳さんになっているけど、私の手元にあるのは小西宏さんの訳になっている。

     今や火星には何機も探査機が到達し、周回したり着陸したりで、最新知識を活かした火星を舞台にした小説がいくつも書かれている。日本の「のぞみ」はあと一歩で力尽きたが、その失敗がはやぶさに役立ったりもした。

     でもこの作品が書かれたのは1917年。来年で書かれて100年になる。科学小説というよりは、秘境冒険ものと言ったほうがいい内容だが、舞台は火星。南北戦争に参加した経験を持つ主人公は、肉体を地上に残したまま火星に精神が飛び、そこで新たな肉体を得て火星人同士の戦争に介入し、英雄となっていく(このあたりのシステムは読んでもよくわからない)。
     火星には大きく分けて二つの人種があり、一方は四本の腕を持ち、身長3m近くにもなる
    緑色人。もう片方は地球人に似た赤色人。だがどちらも卵から生まれる。
     どちらの種族も拠点にする都市ごとに国家を作っており、緑色人同士、赤色人同士、緑色人と赤色人、と争っている。彼らが住む都市は大昔に栄えた火星文明が残したもので、今の彼らは空中戦艦を飛ばしたりする科学力を残してはいるものの、この文明のピークの時代からは衰えつつある。その時代に作られたらしい火星の大気供給施設みたいなものがあり、ここだけは中立地帯になっている。これが壊れると敵も味方も呼吸ができなくなって死んでしまう。

     主人公は最初に緑色人の捕虜になるが、火星ではものすごいジャンプ力を持つことになり、この力と拳で緑色人の戦士を倒し、彼らの尊敬を得る。彼らの社会は強いものが上に立つ、というシンプルな仕組み。二人の戦士を倒した主人公は異種族の捕虜でありながら族長の資格を得て優遇される。彼らには地球人の愛情や友情のような感情が無く、笑うときは相手を殺す時、といろいろ違うが、嘘をつくことは無く、嫌いな相手であっても不意打ちしたりしないで公平に勝負を挑む。まあインディアンがモデルなんだろうなあ。
     それなりによろしくやっていたのだが、そこに赤色人の捕虜が来る。これが有力な赤色人の都市国家の王家の娘で、地球人の目から見ても美人。主人公は彼女を故郷に送り届けてやろうと、緑色人には珍しく優しい心を持った女性の協力を得て脱出する。

     有力な赤色人の都市二つと、有力な緑色人の集落二つの四すくみみたいな状況の中で、主人公は友人を増やしつつ赤色人と緑色人を結びつけて戦いに勝利し、美しい姫を伴侶に得るが、大気供給施設に故障発生という火星全体の危機を解決しようと出かけた先で意識を失い、地球に戻ってしまう。というところでこの話は終わるけど、人気が出たらしく再度火星に戻ってさらなる冒険を繰り返し、火星の大元帥だか大将軍まで上りつめていくことになる。さらに私は読んでないけどその後も話は続いたみたい。

     以前は全11巻だと思った(当初は全10巻予定だったらしい。私の手元の本の帯にはそう書いてある)

    が、現在はその3巻分ぐらいを1冊にまとめた合本版になっている。私は3巻か4巻くらいまでしか読んでないんだけど、これから最終巻まで読む元気は無いかな。
     合本版の発行については以下のようなページがあった。
    http://www.tsogen.co.jp/wadai/0105_01.html

     ちょっと前に映画にもなったが、さすがに「火星~」とはタイトルが付けられなかったのか、主人公の名前である「ジョン・カーター」というタイトルで公開された。続編がありそうな終わり方だったがあまり受けなかったのかそれっきりみたい。
     観たはずだがほとんど印象が残っていない。火星のプリンセスその人であるデジャー・ソリスがこの映画ではあまり魅力的でなかった気もする。火星人は装身具や武器は身につけるけど衣服は身に着けない、全裸の設定なのだが、原作通りやったらフレッシュゴードンみたいに
    違う客層にもっと受けたかもしれない。そういうバージョンの不思議の国のアリスとかも見たことある。


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