「初恋(ツルゲーネフ著 米川正夫訳)」メモ
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「初恋(ツルゲーネフ著 米川正夫訳)」メモ

2016-12-25 19:00


    ・何で持ってるんだろう、という感じの本を処分すべく消化中。

     「初恋」というと私が連想するのは。漫画の「愛と誠」で女性の影の番長がいつも読んでいた本。でもこんな薄い本をいつまでも読み終わらないのは不自然なので、よっぽど好きで折にふれ読み返していたのだろう。

     さぞやうら若き女性が好むようなリリカルでハーレクインでロマンスな内容なんだろう、と思ったら、これはなんというのか、薄い本の原作になってもいいような設定だなあ。

     日本でいえば高校生ぐらいの青年が、隣家に越してきた年上の女性にあこがれるが、その女性は没落したのに貴族のプライドだけは高い(だがさして教養もない)母親をかかえて困窮していて、自分の父親がはっきり書いてはいないけどおそらく金の力でものにしてしまう。
     青年の前では年上の威厳で取り巻きに囲まれた女王のように振舞う彼女だが、だんだん主人公に対する態度がおかしくなっていき、やがては父親に鞭で打たれているところを目撃してしまったりする。
     解説によるとツルゲーネフの半自伝的な作品でもあり、女性には実在のモデルがいるわけではなく創作上の人物らしいが、青年は若き日のツルゲーネフ本人でもあり、ツルゲーネフの父親でもあるらしい。
     ツルゲーネフの父親は、年上で美しくない女性と財産目当てで結婚した美男子で、浮気ばっかりしていたが妻(つまりツルゲーネフの母親)はそれでも夫を愛していたという。
     そして父親の方は、必ずしも火遊びばかりしていたわけではなく、真剣な恋に発展してしまって苦悩したこともあるらしい。その中にはこの作品に影響を与えた女性もいたのかもしれない。

     もちろんロシア文学らしく格調高く書かれているので、そのまま漫画にしても文学作品にしかならないが、設定はわざと曲解すればあぶない。

     影の番長はこの作品のどこに引かれていつも持ち歩いていたんだろうか。この作品のどこが梶原一騎さんの琴線に触れたんだろう。そっちが気になってしかたがない。

     リリカルが部分も無くはないが、女性からではなく、男の側から見てのリリカルのような
    気がする。

    青空文庫で読めます。
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000005/card53194.html

    関係ないけど、著者の名前をとった小惑星もあるんだなってのを今調べてはじめて知った。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。