「エクステ」感想
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「エクステ」感想

2016-12-27 19:00


    ・DVDが出たばかりの頃に買ったんだけど、ずっと見てなかったのをようやく消化。
     映画公開も2007年、DVDが出たのも2007年だったらしい。そんなに放置してしまったか。

     栗山千明主演、園子温監督。他に大杉漣、佐藤めぐみ、つぐみ、町本絵里、佐藤未来など。
    公式HPももう無いみたい。

      横浜港で異臭がするコンテナが見つかり(見つける警備員は田中要次さんと柳ユーレイさん)、中を調べると人間の髪の毛がぎっしり詰まっている。これはエクステと呼ばれる付け毛の材料で、特に違法ではないらしい。実際にこんなふうに小分けもせずにぎっしりコンテナに詰め込んだりはしないんだろうが。
     それだけなら問題は無かったが、髪の毛の中に少女(田井中蘭)の死体があった。

     少女は内臓や眼球を抜かれていて、臓器売買組織の犠牲者らしい。検死した技師らしい男と刑事がそんな話をしたあと、検死官?は沈痛に手を合わせて死体を下げる。だが廊下に出て一人になったとたん、彼は死体が乗ったストレッチャーを押して嬉々として駆け出していく。
     彼は死体愛好癖がある様子で、さらに髪の毛フェチらしい。結局彼はどうごまかしたのか、この少女の死体を自宅に持ち帰り、ハンモックに寝かせる。
     何故か少女の死体は腐ったりせずに、髪の毛が部屋を覆うくらいに伸び続ける。すると男は怖がるどころか狂喜して、君ってすごいねーとか少女に語りかける。この男が大杉漣さん。
    熱演というか怪演というかやりすぎと言うか。関係者から文句出そう。

     一方、栗山千明さん演じるスタイリストの卵がいて、結構スタッフの多い美容院で働いている。彼女はダンサー志望の女性ユキ(佐藤めぐみ)と一軒家を借りて共同生活し、海岸や海沿いに走る電車と伴走し、商店街を抜けて自転車で職場に通っている。ロケ地は鎌倉あたりの様子。彼女の自己紹介は、何かドラマで聞いた、主人公が自分で自分の状況説明をする、という遊びが同僚との間で流行っている、という感じで説明されていく。これはちょっと面白い。
     美容院には主人公のほぼ同期でひと月だけ先輩の女性サチ(町本絵里)、ちょっとイケメンの男性スタッフ、にこやかな先輩女性、ちょっと怖そうな先輩女性(満島ひかり)、人懐こい女性(たぶん秒速5センチメートルの尾上綾だと思うが違うかも)、さばさばした女性、つん、とした感じの女性(たぶん夏生ゆうな)、女性オーナー(山本未來)が次々と出勤してくる。栗山さんの演ずる役が一番の新米ということらしい。この出勤シーンで満島さんだけはオーナーに名前を呼ばれてワケアリ風の会話をしておりちょっと目立つ(が、以降特に活躍はしないしほとんどセリフも無い。この時の会話も特に伏線ではない)。女性はほとんど名前で呼ばれないので誰が誰だかあまり私は特定できない。

     主人公には非常に性格の悪い姉(つぐみ)がいて、子供の頃から姉による虐待を受けていたらしい。その姉が突然訪ねて来て、9歳の娘(佐藤未来)を一方的に預けていく。どうも男と遊ぶのに邪魔だったらしい。行儀がよく、言葉使いも丁寧な子だが、どこかおどおどしていて、表情に乏しく子供らしさがない。放り出すわけにはいかないのでひと晩預かるが、娘の身体が痣だらけなのに気付く。姉は娘にも虐待をしていると気付いた主人公は、娘を迎えに来た姉(主人公の留守に娘に家の中から鍵を開けさせて勝手に入り、主人公のコートやアクセサリーも持ち出そうとする)に同居の女性と一緒に反抗し、娘を帰すまいとする。姉はさんざん悪態をつき、暴力も振るった上で一度引き下がる。ここらの様子は見てて胸が悪くなる。それだけつぐみさんの演技が上手いという事か。

     娘は一人で留守番するが、主人公の部屋にあるウィッグをついいじって髪の毛を変にしてしまい、さらにしまってあるウィッグ(首だけのマネキンが並べてある)を全部崩してしまう。怒られ続けて育ってきた彼女はどうしていいかわからず思わず街にさ迷い出てしまう。

     そこを技師?が発見する(彼は暇があると自分の欲求を満たす美しい髪の女性を撮影しようと、でっかいビデオを抱えて町中をうろついている。今なら一発で捕まりそう)。
     娘の髪が自分の理想通りで美しい、と思った彼は今なら絶対捕まる感じで話しかけ、娘を迷子として美容室まで送り届ける。そこでさらに主人公の髪に一目ぼれする。
     オーナーに許可をもらってタクシーで娘を連れ帰る主人公。この時のタクシー運転手が蛭子能収さん。ここは路線バスでしょ。蛭子さんは二人の様子を見て、母親が娘を虐待しているのだと誤解してやんわりと意見をする。
     実は主人公は一度子供を堕ろしており、詳しくはわからないがそれが姉にいたぶられるネタにもなっている。
     
     技師?は副業に死体から取った髪の毛でエクステを作り、あちこちの美容院に売っていたらしく、顔見知りらしい店に持ち込んだ後、新たに縁ができた主人公の店にも無料サンプルを持ってくる。本人はもの凄く怪しいのだが、ものはいいらしく、みんなスゴイスゴイと喜んで受け取る。もちろんあの少女の髪の毛でできている。
     美容院では近々、若手の技術向上のための勉強会を開くことになっており、主人公もそれに備えている。カットモデルは同居しているダンサーに頼むつもりである。

     ある美容院の店員(ここは一人でやっている店なので店主かも)が、客の女性をメッタギリにして自殺する。エクステを先に受け取った店である。エクステをつけた女性は、少女が殺される前の映像を見ておかしくなるらしい。
     その映像によると、少女は生きたまま内臓を抜かれたらしい。エクステが動き出して、耳から入って眼から出てきたりもする。

     さらに主人公の店のちょっと意地悪な先輩も自宅でエクステに殺される。それと前後して主人公の姉がまたしても娘を騙して主人公の家に侵入し、またアクセサリーなどを大量に盗み出し、娘も無理やり連れ帰ってしまう。盗んだものの中にエクステも入っている。
     姉は愛人と一緒に娘を虐待するが、虐待している途中にエクステが発動して愛人共々殺されてしまう。娘はベランダから飛び降りて助かるが、病院に運ばれる。
     主人公は病院で姉の身元確認をし、娘を連れ帰る。

     スタッフの一人が死んでも、勉強会は予定通り行われる。主人公は時間制限45分でのカットに挑み、カットモデルは同居人ではなく姉の娘に変更する。その勉強会の途中、刑事が店に来て中断となってしまう。だが主人公はエクステを使ってなんとか仕上げる。
     店の全員が刑事の聞き込みを受ける間、同居人と娘は自宅に先に帰る。だが聞き込みの様子から、あのエクステをつけた人が被害に遭っていると気付いた主人公は自宅に電話するが誰も出ない。思わず自転車で飛び出す。

     娘と同居人は髪の毛に襲われ、同居人は娘を守ろうとするが命を落とす。主人公も助けに飛び込んでくるが、やはり髪の毛に捕まってしまう。そこに技師?がやってきてやめなさい、と叫ぶと髪の毛はおとなしくなる。彼は主人公の家は先に目をつけたときに後をつけて突き止めている。

     技師は別に助けてくれたわけではなくて、自分の好みの髪を持つ二人を確保したかっただけのようで、二人を自分の家に拉致する。

     技師?の家で、刑事も駆けつけ、主人公と娘、髪の毛の主の少女がぶつかる事になる。

     髪の毛は人を襲うというよりも、自分の苦しみをわかってほしい、と知らせようとしているだけのようにも思える。
     大杉漣がいなければ何も起こらなかったようでもあり、少女の思惑と大杉漣演じるキャラクターの思惑とは必ずしも一致していないみたいな。もの凄く変なキャラクターだ。舌が伸びたりして普通の人間ではなかったような感じにもなる。
     美容院のスタッフは最初の登場から、いろいろ背景があって、全員髪の毛に襲われたりするのかと思ったけどそんなことはなくて、一部を除いてほとんど存在感が無かった。冒頭で結構会話があった主人公のほぼ同期や満島ひかりさんなんかもほとんどそこにいるだけになってしまう。刑事さんも全然頼りにならない。
     母親が殺されて娘が救われる、というのもちょっとせつない。
     一応ハッピーエンド風なんだけど、いろいろ引っ掛かるところも残る。

     栗山千明さんにはこういう役は合う。
     


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