「地の果てから来た怪物(マレイ・ラインスター著)」メモ(ネタバレ)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「地の果てから来た怪物(マレイ・ラインスター著)」メモ(ネタバレ)

2017-05-17 19:00


    ・南緯60度15分、西経100度16分の位置にあるガウ島は、ニュージーランドのウェリントンから3470マイル、チリのバルバライソから1992マイル、南極氷冠から600マイルの距離にあり、港が氷結しないこともあってアメリカ合衆国南極基地への中継点として便利に使われていた。たぶん実在の島ではないのだと思うけど、この小説ではそういうことになっている。原題は「THE MONSTER FROM EARTH’S END」。
     

     飛行機は週に一度来るか来ないかで、来ても給油とか補給物資の積み込みとかを終えると1時間も滞在しないで飛び去ってしまう。船はもっと来ない。何もない島だが、温泉が沸き、一角には海鳥の営巣地がある。

     だがある日、珍客がやって来る。南極のギッセル湾というところにある基地(特に書いてないけどマクマード基地というのが開設時期からいってモデルなのかもしれない)から、合衆国に帰る輸送機が嵐を避けてこの島に16時間、一晩とちょっと留まる事になる。
     単調な生活に飽きているこの島の駐在員にとっては、盆と正月が一緒に来たようなイベントとなり、みんなソワソワしながら到着を待っている。 
     この飛行機には多くの科学研究資料、生きたペンギン5匹、ホット・レイクス地方で採れた植物標本、7名の乗客、3名の搭乗員が乗っているという。

     南極大陸の地図なんかじっくり見た事ないけど、ちょっと詳しめの地図で見ても検索しても、ギッセル湾もホット・レイクス地方もヒットしないので実在の地名ではないのだろう。
     この小説が書かれたのは1959年らしいので、1957年1月に昭和基地ができたそうだから当時は南極の知識も今より乏しかったろう。
    http://www.eco.misawa.co.jp/nankyoku/map/pop_kakudai.html
     小説内の描写によればホット・レイクス地方は(小説の時間で)昨年空中からの観測で発見されたばかりの数百マイルにわたる湯気が立ち上る裸地(今調べたら らち って読むんだな。はだかち だとずっと思ってた)で、湖も点在する。どうも温泉みたいなのが南極にある、ということらしい。今調べると大陸ではないけど極地のデセプション島というところでは海底温泉が沸いていて、海水浴ができるらしいので規模はともかくそういう土地があると想像することはSFとしてはありかな。
     ここは地球の他の地方とは氷雪で切り離されているようなもので、500万年以上孤立していた生物圏ということになり、作中ではここの生物を調べることは他の惑星の生物を研究するに等しい価値がある、みたいに書かれている。

     一方島にいるのは女性4名を含む19名。と犬4頭。最高責任者である行政官を筆頭に、補給、整備、通信、調理、倉庫、電力などの係員がおり、生物学者も常駐している。
     主人公はこの行政官、ヒロインは行政官の秘書の女性になる。こういう設定で女性が4人もいるのは当時としては珍しい気がするが、小説としては女性がいた方が面白い。

     19名全員がきちんと描写されていはいないのだが、一応拾ってみると

    ドレイク ・・・行政官。はっきり書いてないけどかなりの年配だと思われる。
    ノーラ  ・・・行政官秘書。23歳の優秀な美人。
    スポルディング・補給部主任。
    ホリスター・・・整備主任。
         ・・・整備員。
         ・・・整備員。
    ベルデン ・・・整備助手。19歳の若者。
    ビーチャム・・・生物学者。
    スパークス・・・通信士。
    ケイシー ・・・倉庫係。
         ・・・司厨長。賄部主任とも。
         ・・・コック。
    トマス  ・・・コック助手。
         ・・・電気技師。電力担当官とも。
         ・・・営繕課技師
         ・・・動力担当技師。動力主任とも。
    エリーサ ・・・担当は不明。動力担当技師の彼女。エリーズとも。
    ホーテンス・・・ずんぐりした女性。あまり美人ではないらしい。
         ・・・もう一人女性がいることになっている。

     みたいな感じかな。名前で呼ばれる人と、役名でしか呼ばれない人がいて、技師だったり主任だったり整備員だったり整備班員だったりで表記にゆれもあり、さらに技術班員や作業員というのも出て来るのだが、そういうのを全部別人とすると19人を軽く超えてしまう。

     名前がある人物はそこそこ活躍するか、犠牲者になるか、どっちかだと思ってください。本の登場人物紹介では「犠牲者」みたいに紹介されていているけど、それは内緒にした方がよかったような。

     で、お約束だけど輸送機の貨物室で何かが暴れ出したらしく、通信も途絶えて胴体着陸。
    救助に駆けつけた島のメンバーだが、乗客はパイロット一人を残して消滅している。
     パイロットも拳銃自殺してしまう。通信では銃を撃ちまくり、貨物室から何かを押し出そうとしてたらしいのだが、それに成功したのかどうかもわからない。貨物室のドアは開いていたが。
     輸送機は滑走路の中間付近で静止してしまい、島の設備では簡単にどけられない。つまり飛行機は助けに来れない。
     貨物を調べると、5匹いたはずのペンギンが4匹しかいない。植物標本は無事のようだが、ホット・レイクスで引っこ抜いてきた木があるのでこれを枯れないよう基地のそばに植えかえる作業が必要になる。他の標本は揃っているのかどうかもわからない。

     主役のドレイクは乗客が集団幻覚に襲われて暴れたのか、あるいは誰かが精神に異常をきたして暴れ、他の乗客を突き落としたのでは、と思うが真相はわからない。時代的にソ連が何かしたのでは?などとも思う。ギッセル湾の基地から別の飛行機がやって来るが滑走路の状態を見て去っていく。自力で墜落機をどけるまでは、助けも来ないし逃げることもできない。

     整備主任のホリスターは班員と共にそのための作業にかかるが、一週間はかかるだろうという。島には重機もなく、足場を組んで滑車をセットして、とか巨大なシーソーのようなものを組み上げて、みたいになるらしい。
     生物学者のビーチャムは仕事が一気に増えるが、嬉々として取り組んでいる。特にホット・レイクスの植物を枯らさないように気を使っている様子。
     補給部のスポルディングという男は切れ者なのだが線が細く、ちょっと精神的に参っているので休暇を与えようとしていたところだったのがこれで帰れなくなってしまう。彼は、事故の原因は誰かが暴れたのではなく、何か未知の生物に襲われたのに違いないと主張し、拳銃の携帯を許可するように進言する。さらに未知の生物と戦うための武器をもっと作らねば、と自分の世界に入ってしまっている。また彼は秘書のノーラ・ホール嬢にしつこくアタックをかけているのだが全然相手にされていないのだが実はノーラ嬢の意中の人はドレイクなのでいろいろとドレイクと対立しそうなあぶない位置にいる人物でもある。
     整備助手のトム・ベルデンとトマスというコックの助手はまだ青年といっていい年齢で、いつも二人でキャッチボールしている。ベルデンはノーラにあこがれに近い感情を持っているらしい。
     発電担当官だったり動力主任だったりする人物は、エリーサだったりエリーズだったりする女性と婚約寸前らしい。結構活躍して出番も多いけど名前は出て来ない。

     ドレイクはバルパライソやギッセル湾の基地に連絡をとり、飛行機を処分して滑走路を復旧するようにホリスターに命じ、ビーチャムに貨物標本のチェックを命じ、コックに客のために解凍してしまった冷凍食品の処理を許可し、パイロットの遺体を倉庫に運ばせて通夜を営もうとするなど、次々に指示を出していくが、肝心の何が起こったのかはさっぱりわからない。報告を受けた本国でもそこに疑問を感じ、関係者全員に個別に報告書を書くように指示して来たりする。
     そんなことをしていると、通夜の準備をしていたベルデンが報告にやって来る。倉庫の中に何かがいるみたいだと。駆けつけると確かに何かが動いている音がする。だが明かりをつけると何もいない。整理しておいた植物標本などが荒らされ、床に散らばっている。そして、パイロットの遺体が消えている。何かがいるのは確かなのだ。ドレイクは男性隊員に銃の携帯を許可する。
     暗闇で活動するようなので、電力班は基地のあちこちに照明を取り付けて、なるべく暗がりが無いようにする。だが、スポルディングは相手が夜行性の生物であれば光に引きつけられて来る、だから灯火管制をして島全体を真っ暗にすべきだ、と反対する。

     ノーラは相手が植物にくっついてきた生き物ではないか、と意見を出す。ビーチャムは蜘蛛や蛇ならありえるかもしれないが、それなら輸送機の中で発砲したり押し出そうとしたりはしないだろう。もっと巨大な生物のはずだ、という見解。

     翌日、数人でチームを組んで犬を連れ、怪物がいるかもしれない島の温泉地帯と鳥の営巣地を見て回るが何もいない。ビーチャムはホット・レイクスから持ってきた木をこの温泉地に植えることにする。彼に言わせればこの植物は新種で、大発見らしい。なのでなんとしても枯らしたくないらしい。
     犬の一頭が4インチくらいの虫のようなものを見つけるが、すぐ逃げてしまう。人間は誰も気付かない。

     スポルディングは言われたわけではないのに、大量の火炎瓶を作っている。彼は自分が思いついた事を相談なしにやり、そのことが受け入れられないとドレイクに食ってかかる、という具合でだんだん扱いにくくなっている。

     ビーチャムは温泉地帯に植えた木が無事に根付くか心配で何度も様子を見に行くが、枝の先が不自然に折れていることに気付く。まるで何かが食べたかのように千切れて無くなっている。

     このころまでにノーラはドレイクに愛を告白しているが、このような緊迫した事態の中、ドレイクは彼女とべたべたすると士気にかかわる、と自分を押さえつけている。

     日が落ちると犬の鳴き声が聞こえ、駆けつけると茂みが激しく揺れている。風ではない。だが明かりを向けても何もおらず、揺れはやがて収まり、犬は消えてしまう。

     スポルディングはこの話を聞いて、相手は透明な生き物だ、と断定する。だが現場にいたドレイクにはそうは思えず、二人はまた激しく対立する。レーダーにもやもやした影が捕らえられる。夜なのに鳥が飛び立ったのだ。つまり鳥の営巣地が何者かに襲われている。

     さらにしばらくして、別の犬が吼え、銃声も聞こえる。駆けつけると犬は地面を転げまわって倒れ、銃声の主の姿は見えない。銃だけが落ちている。
     この時にスポルディングがやみくもに火炎瓶を投げ、通信室と発電機室を焼いてしまう。全ての照明が消え、真っ暗な中で不安な一夜を過ごす。ビーチャムは虫のようなものを目撃するが、すぐ地面にもぐってしまう。

     夜明けを待って捜索するが、ケイシーという男が姿を消している。何の痕跡もなく。
    ケイシーがやられたのと、鳥の営巣地が荒らされたのはほぼ同じ時間帯。敵は移動速度が速いのか、あるいは複数いるのか。犬の死骸をビーチャムが解剖するが、何もわからない。

     鳥の営巣地に調査隊を出すことになり、ドレイクはスポルディングをリーダーに指名する。この男は自分が有能なのに、ドレイクがスポルディングとノーラの仲がいいので焼きもちをやいて自分を軽んじている、みたいになってしまっている。ドレイクはガス抜きの意味もあって彼をリーダーにした。

     スポルディングを4人の部下と共に送り出し、ドレイクは石油ランプをかき集め、かがり火を夜通し燃やす準備をする。

     スポルディング一行が昼頃に戻るが、彼は何も報告しない。代わってベルデンが、営巣地の1/4が荒らされ、卵が潰され、多くの鳥が死んでいるが、足跡らしきものは何もないこと。
    ビーチャムがずっと地面を掘り返していたのだが、やがてガラス瓶を持って報告に来る。
     犬が苦しんでいた時に、地面に潜る虫のようなものを見た。どうもこれがそうらしい。もしかしたらこれには毒があって、犬はこれに刺されたのかもしれないと。ナナフシのような虫で、外見は小枝そっくり。だが畳み込まれた部分を広げると、そこは緑の葉っぱのように見える。ネムリグサやモウセンゴケを連想させる。そしてトゲがある。虫のように動き回り、ためしに肉を与えるとむさぼり食った。植物のようでもあり、昆虫のようでもある。ビーチャムは毒があるかもしれない、と注意した上で標本採集をみんなに依頼する。

     翌朝、ふと思いついてドレイクがペンギンを見に行くと、4羽全てがいなくなっている。犬がまた虫のようなものを見つける。ドレイクは踏み殺し、ビーチャムに標本として持っていく。虫はともかく、あの目に見えない怪物は、もしかしたら普段はあの木を食べているのかもしれない。ビーチャムは枝の先が食いちぎられたようだと言っていた。
     ドレイクは営巣地調査のリーダーとして送り出したスポルディングに営巣地の様子を聞くが、彼はふれくされてしまって返事をしない。どうも調査チームの人間に、リーダーの資格無し、とハブられたらしい。通信室と発電機を焼いてしまったのも彼のミスであり、彼は常に賞賛されていないとダメなタイプなのでもう引きこもりモードに入ってしまっている。

     食堂の中に数匹の虫が現れ、女性隊員が悲鳴をあげる。虫は男性が踏みつぶしたり、生け捕りにして生物学者に届けたりするが、死体を素手でつまんだ動力主任が毒にやられたらしく気絶する。
     生きている標本が多数手に入ったので、生物学者が重要な発見をする。虫は油を嫌うので、油を床に塗っておくとそれを超えて侵入はしてこないという。また油をかけると死んだという。だが虫がどのように、どれだけの速さで増殖するのかはよくわからない。ビーチャムははっきり言わないが、どうも増殖力はすごいらしい。

     焼け残った通信機で受信だけはでき、滑走路もあと一息で飛行機が着陸できるまで整備された。駆逐艦がこちらに向っていることもわかる。駆逐艦乗組員にあの虫のことがわかるよう、上陸地点に注意のための立て札を立てにいこう、ついでに植えつけた木の様子もみてこよう、ということになる。結局立て札を立てるのに手間取り、木の様子をみるのは後日として基地に戻る。同行したコック助手は冷凍庫が停電で動かなくなり、肉がダメになった代わりに、とオットセイを撃ち、その肉を解体してから戻る、と別行動をとる。だが、彼はもどってこなかった。

     捜索隊を出すと、壊れた懐中電灯と、銃身が曲がった銃が見つかり、近くの茂みのなかで動くものがある。火炎瓶を集中的に投げると、何かが茂みの中でのたうっている。さらに火炎瓶をぶつけると、その何かは燃え尽きる。何かがいたのは確かだが、残ったのは大量の灰だけで、骨も何もない。コック助手のトマスもそのまま消えてしまった。

     その場に行かなかったスポルディングはまたしてもほらみろ、俺の言ったとおり相手は透明な怪物なんだ、とわめきたてるがもう誰も相手にしない。
     一方ビーチャムは油の他に虫をもっと効率的に殺せる薬を見つける。アミノ・トライアゾールという芝生用の殺虫剤が効くという。それと冷凍庫のだめになりかけている肉で、毒餌を仕掛けることにする。また、ビーチャムは敵の正体がわかったように思うが、確証をつかんでから話したい。明日一緒にあの木を植えたところまで行ってもらえないだろうか、と申し出る。もちろんドレイクは承知する。だがドレイクの疲労も頂点に達しており、足がもつれる。心配したノーラとベルデンも同行することになる。そして彼らは怪物の正体を知る。

     植え替えた木は1本も残っていない。そして今思い返すと、この木の根は地上根と思われ、地中に伸びるものではなかったようだ。それに土をかけたのだが。あの茂みの中で目に見えない何かが暴れた時、そういえば地上根のようなものを見た。茂みの中で暴れていたのは植物だった。だから何も目に入らなかったのだ。さらに荒らされた鳥の営巣地に移動すると、そこにはこの前まではなかった木が植わっている。この木は暗くなると移動し、獲物を襲うのだ。
     そして暴風雨が近づいて陽がかげり、木は動き出してビーチャムを襲う。火炎瓶で木を焼くと、表面から大量のあの虫が湧き出してくるが未成熟らしく動きは鈍く、一緒に焼け死ぬ。
     枝の先は食いちぎられたのではなく、成長すると分離して虫のように動き回るのだ。
     極地の夜ばかりと昼ばかりの季節を生き延びるため、植物と動物両方の性質を兼ね備えた生き物として進化したのだ。マダガスカルには食肉樹の言い伝えがあるというが、歩く食肉植物のような存在なのだ。

     ビーチャムは、自分が植え替えたことが奴らを蘇らせてしまった、と罪悪感にうちひしがれてしまう。彼らは暴風雨に襲われ、木にも襲われながら相手を火炎瓶で焼き殺し、基地に帰り着く。そして基地のメンバーに敵の正体を告げる。

     救援機がやってくるが、それまでに基地にいた木や虫はすべて殺し、焼却済だった。ドレイクが疲労で寝込んだので、スポルディングが勝手に焼却してしまった。なので救援隊はドレイクたちの話を信じたくても証拠がない。集団ヒステリーのようなものを起こしたんだろう、ということになってしまう。特に症状が重いと見なされたドレイクとノーラは治療のため一足先に本国に救援機で戻ることとなり、唯一植え替えられずに眠っているままの木(この木が目覚めてあばれなかったのはよく考えると不自然な気がするが)と一緒に貨物室に乗せられる。乗員は二人が正常ではないと思っているので話を聞いてくれない。
     そして、機内の暴風雨のような爆音と、暗がりが、また木を目覚めさせようとしている。
    冒頭のような事故がまた繰り返されるのだろう。

     紹介はここで終わりますがもうちょっとだけ展開があります。

     この手の作品で有名なのは、キャンベルの「影が行く」を原作にした「遊星よりの物体X」と、そのリメイクの「遊星からの物体X」だと思うけど、この作品も南極の基地で閉鎖空間、正体不明の敵、ということで似たテイスト。原作ではいろいろ思わせぶりなミスリード(消えたペンギンとか)をまじえつつ、怪物の正体は全体の8割ほど進むまで明らかにされない。
    「遊星からの物体X」は男ばかりの男くさい映画だったが、女性4人とこちらは華やか。でもヒロインをのぞけば残り3人はほとんど描写されず、一人は名前も明らかでない。もったいない。次々と殺されていって、全滅寸前までいく「遊星からの物体X」に比べて犠牲者は2名(+犬3頭+ペンギン1羽、輸送機の乗組員は除外)とすくないし、死体も残さず消えるだけなのでグロテスクでもスプラッターでもない。
     専門家集団なのでみな自分の役割はきちんとこなすけど、想定外の事態が起きたときに全体を俯瞰して対策を練る人物は主人公しかいない。美人秘書が勝手に好意を示してくれるので恵まれているが、実際に管理職とかの経験がある人は美人秘書なしでこういう境遇に追い込まれる事があって共感するかもしれない。
     スポルディングという悪役?だけ妙に目だってこういう人いるよね、って感じなので、著者の嫌いな知人がモデルだったりするのかも、なんて思ってしまう。
     主人公の指示に常に反対する感じで、それなりに知識も説得力もあるのだが、言うだけで自分できちんと検証しない。間接的な伝聞で自分だけの結論を出してしまう。間違った事を言ったとわかっても謝罪も訂正もしない。テレビニュースでもこういう人よく見かけるような気がする。

     現代の極地についての知見と今のCG技術で作り直すと結構見れる作品になりそうな気がする。その場合もっと登場人物は絞って犠牲者は増えて、女性は一人か二人、シャワー室とかで襲われることになるのだろうけど。

     創元推理文庫の原作は長らく絶版同然の状態だったが、2002年にカバーを変えて復刻されている模様。
    https://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E3%81%AE%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%8B%E3%82%89%E6%9D%A5%E3%81%9F%E6%80%AA%E7%89%A9-%E5%89%B5%E5%85%83SF%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%83%BC-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC/dp/4488621031

     映像化作品があるのに驚いた。ロジャー・コーマンかあ~これも幻の作品みたいな感じだったけど、昨年DVDが出たらしい。
     正体不明の怪物が売りなのに、DVDのパッケージでいきなりネタバレしているのがほほえましいというか、さすがというか。かなり筋は変えてあるみたいだけど、ちょっと見てみたいかも。映像がかなりヒドイらしいが。

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。