映画「グランド・ホテル」メモ
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

映画「グランド・ホテル」メモ

2017-06-27 19:00


    ・ワンコインDVDで視聴。いろんな会社から出てるみたい。製作は1932年。

    ・ホテルの電話交換室(女性オペレーターが何人も働いている)から話が始まり、関係者や宿泊客たちが電話ボックスであれこれ話をしている。

     ポーターは妻が出産を控えていてまだか、まだか、と病院に電話している様子。山高帽をかぶった老人は医者にあとわずかの命と言われたらしく、もう会社には戻らず思い出作りにしばらく最高級のこのホテルに滞在すると誰かに話している。貯金を全部持ってきているらしい。その彼の会社の社長もこのホテルに滞在中。何か重大な合併案件をかかえているらしく、義父に状況は厳しい、と話している。年配の女性は女主人の具合が悪く、今は薬をのんで休んでいると誰かに伝えている。男爵と名乗る男はなにやらよからぬことを企んでいる様子。誰かに準備は整った、団長とも知り合いになったがホテル滞在費が足りないので金をよこせ、と連絡している。
     電話はせず、ソファーでタバコをくゆらせながらくつろいでいる老人もいる(この人物はほどなく医者とわかる)。

     ホテルのホールを上から俯瞰したシーンが時々入る。何層にも吹き抜けになっていて、円形の通路が各階にある。これはセットなのか実際にそういう場所で撮影したのか。
     男爵は部屋に犬を飼っており、この犬の散歩をさせるようホテル従業員にいいつけ、団長と呼ばれる人物と親しげに会話をする。実業家は仕事仲間か顧問弁護士かわからないがそんな感じの男性の訪問を受け、このままだとまずいぞ、例の取り引きの返事はまだか、みたいに尋ねられるがそのうち電報があるはずだ、と苦悩している様子。男性はホテルのフロントに実業家の部屋へ速記者をよこすように頼む。白黒でアップもあまりないのでちょっとわかりにくいが、ソファーでくつろいでいた老人は顔の右側にブラックジャックみたいな大きな火傷か痣がある。フロントに彼宛のメッセージがないか尋ねるが何もない。山高帽の余命宣告された男は部屋が気に入らず、もっと広い部屋に変えてくれ、と交渉しているが待たされてイライラしている。この時老人が医師だとわかる。山高帽の男はここで男爵と名乗る男とも知り合う。男爵をホテルの運転手みたいな制服を着た男が話があると呼び止めるが、あとだ、とあしらわれる。制服の男がドアの方にいくと、入れ替わりにすごい美人が入って来る。これが速記者。速記者と山高帽と男爵と団長は同じエレベーターに乗り、同じフロアで下りる。
     速記者は指示された部屋を訪ねるが、実業家はバスローブ姿で、しばらく部屋の外で待つように、と締め出される。山高帽と男爵はすっかり打ち解けた様子で、山高帽は自分が余命いくばくもないことも話した様子。彼が自分の部屋に去った後、男爵は廊下でポツンと待っている速記者に話しかける。男爵は話が上手く、翌日食事でも、という話になる。そこに山高帽が戻って来る。三人で話が弾んでいると実業家が現われ、速記者に部屋に入るように指示する。
     山高帽と男爵はしばらく話を続けるが、隣の部屋から年配の女性が出てきて女主人が休んでいるので静かにしてほしいと告げ、二人は解散する。
     女主人はダンサーらしいが、人気が落ちていて、昨日は拍手も無かった、私はもうダメ、みたいにグダグダしていて今日は踊らない、みたいなことを言っている様子。
     団長がやってきて彼女を慰め、マネージャーがやってきて厳しいことを言ったりして、なだめたりすかしたり。今日は客の入りがよく、高貴な人も見に来ている、みたいに適当を言ってようやくその気にさせると彼女は車で出かけていく。団長とマネージャーはもう駄目だな、なんて話をしている。

     実業家は速記者にタイプで(速記者と言っているけどタイピストだな)、合併に関する文書を打たせつつ、今更のように彼女を美人と思ったのか文章の合間合間で彼女をからかうような、口説くようなことも言う。彼女は今はこういう仕事で貧乏だが、自分のルックスには自信があるらしく雑誌のモデルをしていることを話し、有名になりたいみたいなことも言う。
     そんな話をしているところに電報が届き、実業家が当てにしていた取り引きがダメになったとの知らせ。合併交渉はこの取り引きが上手くいくという前程だったみたいでマズイらしい。
     実業家は落胆した様子でバルコニーに佇む。
     
     男爵は公演に出かけて留守のダンサーの部屋に忍び込んでいる。どうも彼女の持っている宝石を狙っていたらしい。だがそこにメイドが掃除に入って来る。思わずクローゼットか何かに隠れる男爵。続いて付き人やマネージャーがやってきて、ここにもいない!どこに行ったんだ!などとただ事でない様子。どうも彼女が公演をすっぽかして消えてしまったらしい。騒いでいるうちにダンサーが戻って来る(ダンサーと言っていたが、バレエ衣装を着ていたのでバレリーナかもしれない)。彼女はひとりにしてちょうだい、と彼らを追い出すが、マネージャーは君とはこれきりだ!と去ってしまう。ダンサーは劇場の団長に電話をかけるが、代役が何事も無くこなしていると聞き、私はもういらないのね、みたいな感じになる。彼女の名はロシア風で、ロシアから来たのかもしれない。私の人生は終わった、みたいに打ちひしがれた様子の彼女に、隠れていた男爵は思わず声をかける。男爵は本心なのか方便なのか、貴方を愛しているので部屋に隠れていました、絶望している貴方を独りにはしておけない、みたいにダンサーを口説く。
     山高帽はドクターと飲んでいたらしくだいぶご機嫌。ドクターは彼を部屋まで送って去っていく。
     翌朝。実業家はホテルの一室で合併交渉中。だが取り引きが流れたことを言えないため交渉は難航。
     一方マダムと呼ばれるダンサーと男爵は部屋で和気あいあいと話をしている。彼は自分の身の上を話し、貴族の出だが今はばくち打ちで犯罪者、ホテル専門の泥棒だ、と真実を打ち明ける。彼は持っていた彼女の真珠の首飾りを返す。彼は脅されていて金が必要だが君からは盗めなかった、と告白する。マダムは男爵を抱きしめる。
     団長から電話。リハーサルに出ないか、という。マダムは元気いっぱいに出るわ!と答え、次はウィーンに行くのよ、貴方も来て、と男爵を誘うが金のない彼は躊躇する。なんとかしてみる、と彼は言う。

     実業家の交渉は続いていたが、かなりけだるい雰囲気になっている。相手は話しても無駄だ、と去ろうとするが、帰りかける相手に例の取り引きが成立していても帰るんだな、と思わずウソを言ってしまい、それで逆転ホームランのように合併交渉は成立。署名も交換される。
     だが速記者は男爵とのデートの約束がある、と帰った後だった。

     デートの待ち合わせ場所はホテルのバーで、山高帽とドクターが既に飲んでいる。ドクターは自分の顔の傷が軍医時代に手榴弾で受けたものであることを話す。
     速記者がやってきて山高帽と話しているところに男爵がやって来る。
     男爵は速記者をダンスに誘い、山高帽とも踊ってやってくれないか、と頼む。彼女は承諾するがそこに実業家がやって来て、すぐに仕事を頼む、と彼女を連れて行こうとする。
     男爵はこれを一蹴するが、ダンスをする山高帽と速記者に付きまとって実業家は邪魔をする。一曲なんとか踊って席に戻り、速記者は仕事の話をしようとするが、実業家は山高帽を追い払おうとする。山高帽が自分の会社の経理で働いていて今は病気休暇中だと知ると、病気なのにホテルでこんな贅沢をしているのか、どうせ使い込みでもしたんだろう、クビだ、などと攻め立てるが、山高帽は私はお前がクビにするより早く病気で死ぬさ、お前の帳簿を全部見ている私にはお前が無能だとわかるぞ、みたいに言い返して小競り合いになる。

     実業家はそれでも速記者を仕事という名目で連れて行き、秘書に格上げする。そしてイギリスでの交渉に一緒に来てほしいというが、ちょっと愛人契約っぽい。

     マダムはこれから劇場に向う、と男爵と話し、出かけていく。
     男爵は金を作ろうとカジノに行くがボロ負け。一方山高帽はビギナーズラックで大勝するが、男爵は彼から金を受け取ろうとしない。酔いつぶれてしまった山高帽を男爵とドクターは部屋に運ぶ。彼が奴隷のように働いて得たお金。男爵は一度はよからぬ気を起こしかけるが、結局彼の金を奪うことはできない。

     男爵のおかげで輝きを取り戻したマダムは公演も大成功だった様子でごきげんで大量の花束を持って戻って来る。

     実業家は自分の秘書となった速記者のためにホテルの部屋を取ってやり、彼女の部屋を夜訪れる。男爵は実業家の部屋に忍び込んでいたが発見され、実業家は男爵を殴り殺してしまう。
    男爵の死体を見つけた速記者は山高帽の部屋に飛んでいき、急を告げる。
     泥棒だから殺した、という実業家に金と命とどっちが大事なんだ、と山高帽は言い、自分の人生がめちゃめちゃになってしまう、と速記者を連れ込んでいたことも隠そうとする実業家に山高帽は君は私の人生に何をしてくれたかね?と辛辣なことを言い、警察に通報する。

     翌朝マダムは愛する男爵の部屋に電話をするが誰も出ない。実業家は刑事に連行されていく。男爵は泥棒だった、と噂が流れるが、ホテルマンたちはあの人はいい人だった、真の紳士だったんだ、と語る。
     山高帽と速記者は男爵のことを語り、あの人はいい人だった、盗みくらいであんな屑の実業家に殺されるなんて、と語り合っている。どうしてあんな実業家の部屋に、と聞く山高帽に、速記者はお金のためよ、と答える。山高帽は私のお金と命が尽きるまで一緒に旅行でもしませんか?と誘う。二人は一緒にパリ行きの切符を予約する。
     マダムはウィーンに発つ。団長や付き人の女性は男爵の死を知っているが、マダムには絶対知らせまい、と男爵は汽車で待ってますよ、とウソを言って彼女を連れ出す。だが太陽を見て、彼女はもう男爵の死を知らされても多分大丈夫だろう、というくらい元気になっている。

     山高帽と速記者が服装も一新してホテルを出る。すれ違うように新たな客がやってくる。冒頭で子供はまだか、と言っていたポーターにようやく子供が生まれた、と連絡が入る。
     医師が最初と同じような、ホテルで人の人生が交錯していく、みたいなセリフを呟く。
     

     こういうのが今は500円でDVDを買える。ありがたいことかも。名作といわれるものは見とくもんだな、という出来。
     この映画のホテルのように一つの場所を中心に、そこに行き交う人々の人生が交錯していく、みたいな作品を「グランド・ホテル形式」と呼ぶようになったくらい当時は画期的な作品だったらしい。また当時のトップスター5人が共演した出演料の高い作品でもあったらしい。
     今はこうした形式の作品が、舞台を駅や空港や病院や学校に変えて、当たり前のように作られ続けている。話題の「やすらぎの郷」もこの系統に入れていいんだろうな。

     ダンサーが私でも名前を知ってるグレタ・ガルボ。
     男爵がジョン・バリモア。
     老人がライオネル・バリモア。
     バリモアって聞いた事あるよね、と思うと、ドリュー・バリモアの祖父と大叔父らしい。
     悪役の実業家がウォレス・ピアリーという人。「チャンプ」という映画でアカデミー賞
     主演男優賞を取っているらしい。
     速記者がジョーン・クロフォードという人。美人だな、と思う。実生活でも大会社の
     社長夫人になったりしたが晩年はあまり幸福でなかったらしい。
     名女優でセレブでもあった人の最後の作品がこんなのというのに人生が感じられる。

     

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。