日本語のアクセントをゆかりさんと勉強してみる(続き)
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日本語のアクセントをゆかりさんと勉強してみる(続き)

2017-06-30 19:00
    http://ch.nicovideo.jp/metabou/blomaga/ar1285215の続きみたいな。
    ・アクセントについてもう少し。
     NHKのアクセント辞典の改訂について、その背景として聞いた話。

     辞典はあくまでもその単語が単独で発音された場合のアクセントを収録していて、その限りではまあ正しい(正しいというのもちょっと語弊があって、無難くらいのほうがいいか)と言えるわけだけど、言葉として話される場合、単語の前には別の単語がある場合が多い。すると、その組み合わせによっては単語単独の時とは異なるアクセントになることがある。これまでのアクセント辞典はそのことをうまく表記できなかった。
     例えば「この」「男の子」という二つの単語を別々にゆかりさんに発音してもらうと

     それぞれネット大辞林で調べると

     左右が逆になっちゃったけど、「この」は[0]で平板型、「男の子」は[3]で3音目の「コ」の後の「ノ」で下がる。ゆかりさんは辞書どおり発音している。



     なんだけど「この男の子」と続けて発音すると、「オトコノコ」の「オ」は単独で読むときみたいに下がっていない。こういう発音で読む人の方が多いだろうし、自然に感じるだろうと思う。ゆかりさんも前後の単語を繋ぐとこんな感じで発音する。
     でも辞書には単語の場合の発音しか出ていないし、単語の場合は「オ」と「ト」が同じ高さで発音されることはない。

     
     ということで、いかなる場合でも上のような辞書に載っていない発音をしてはいけないんだ、という誤解を与えてしまう。
     辞書に載っていないことは間違いだ、と思い込んでしまうと、これは間違いだから、あなたの発音はおかしいですよ、ということになってしまう。こうした事例がたくさん生じたそうだ。

    頭高型でない日本語の単語は全て1音目は低く、2音目は高いのだがそれはあくまでも単語を単独に発音した場合で、前の単語に続く場合はこのように単独発音では同じ高さにならない音が同じ高さになってしまうことも多い。なんだけど辞書を真面目に解釈する人は、自分の聞いた感覚よりも辞書を優先して発音したり、指導したりしてしまう。
     それはアクセント辞典があくまでも単語のアクセントを示しているので、そうした使われ方を想定していなかったこともあるのかもしれない。
     とうわけで、以前は単語内の音の高いところ、低いところをどちらも表記していたのだが、いま説明したように単語内でどこで音が上がるか、というのは前の語との関連で一概に決められない、ということで下がる部分だけ表記しよう、ということになったらしい。

     また、音が下がるのは1回だけか、というとそうとは限らないという。
    例えば「海の家」という言葉は、アクセント辞典で調べると

     ウ\ミノイエ\   と2回下がっている。

     従来音が下がるのは1回のみ、という定説があったらしいのだが、データを集めて分析してみるとそうとばかりは言えないな、ということでこのような2回下がりのものも掲載することになったらしい。
     ゆかりさんに発音してもらうと、デフォルトでは次のようになる。


     なんだけど下のように下がりが2回あるように調整した方が自然に聞こえる。

     
     「海の」と「家」を繋げて一つの単語扱いにしてしまうと、デフォルト(左側)では変に聞こえる。右のように頭高型に調整するとマシになるが、さっきの方が自然に聞こえると思う。  

     
     下がるのは2回が上限か、というとそんなことはなく、
     トランプ次期大統領 などは3度下がるという。

     デフォルトでは左の様になるが、右のように調整した方が自然に聞こえる。

     一息で話す文章が長ければ、それだけ下がるところも多くなる場合もありそうだ。

     英語だと This is a pen みたいに 個々の単語の間には空白があって、どれが単語かっていうのは明確で、アクセントも単語単独の場合と文の中での場合で変わらないと思うんだけど、日本語で
     これはペンです みたいに言うと 前後のつながり方で 「これは」「ペン」「です」の
    アクセントは 単独に発音する場合と同一とは限らない。
     「ペン」「です」と別々の単語として発音するより「ペンです」とひとまとまりに単語みたいに発音した方が自然に聞こえたりもする。

     一呼吸で発音する言葉のかたまりをゆかりさんの場合はフレーズと呼んでいて、フレーズはいくつかのアクセント句から成り立っている。アクセント句というのは単語単独の場合もあれば単語+単語(+単語・・・)の組み合わせの場合もある。こうした組み合わせだとこういう音の高い低いになるよ、というのがアクセント句かな。上記の例では
     「これはペンです」がフレーズで「これは」「ペンです」がアクセント句 ということか。
     ゆかりさんの場合は初期設定のアクセント句を分解したり結合したりして別のアクセント句に編集したりできる。

     アクセント辞典ではアクセント句という言葉は使っていないみたいだけど似たようなものを「見出し語」と呼んでいて、一般の国語辞書だと単語が見出し語の基準になるところを、単語+単語(+単語・・・)を多く見出し語にしている感じなのはその組み合わせで音の高低が変わるからだろう。

     また、アクセントは活用によっても変わる。動詞や形容詞は活用するので、活用形によって下がる位置が動いたりする。これまでは終止形しか掲載していなかったらしいけど、主な活用については掲載するようにしたとのこと。
     いわゆる活用表の 未然ー連用ー終止ー連体ー仮定ー命令の順番にはなってなくて、連体形が無くて連用形が3種類書いてある。連体形は終止形と同じアクセントという事で省略して、連用形はあとの語によってアクセントが異なる場合があるので分けているんだと思う。
     
     動詞「扱う」だと
    終止形      アツカウ ̄
    未然形(~ない) アツカワナイ ̄
    連用形(~ます) アツカイマ\ス
    連用形(中止法) アツカイ ̄
    連用形(~て、で)アツカッテ ̄
    仮定形(~ば)  アツカエ\バ
    命令形(~う)  アツカオ\ー

     形容詞「甘い」だと
    終止形      アマイ ̄
    連用形(~た)  アマ\カッタ
    連用形(中止法) アマク ̄
    連用形(~て)  アマ\クテ
    仮定形(~ば)  アマ\ケレバ

    また、日本語には複合名詞というものがある。
    「記録」と単独に言った場合と、「世界記録」みたいな複合名詞で言った場合では
    「キロク」という部分のアクセントが異なったりする。


     これもさきほどの「この男の子」と同様、辞書にないから使っちゃいけないんだ、と誤解を招きかねないので、複合名詞のアクセントについても示したという。複合名詞のアクセントはけっこう規則的で、前半と後半の名詞の後半、辞典では後部要素で決まり、どんな前部要素が来ても同じになるらしく、いくつか例を示して前部要素が異なっても同じ考え方、みたいに書いてある。

     さらにアクセント的にややこしいものとして助数詞がある。「何本」「何日」みたいなのの「何」に具体的な数字が入ると、単位つまり助数詞部分は読み方もアクセントも一つ一つ異なったりする。



     こうしたものも基本1~20までの読み方とアクセントが収録されている。

     今回はそんなところで。内容はある講習会で聞いた事をもとにしていますが、私の誤解があるかもしれません。
     
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