DVD「ガンマ3号宇宙大作戦」メモ
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DVD「ガンマ3号宇宙大作戦」メモ

2017-07-14 19:00


    ・火星生命体がISSの中で大暴れする「ライフ」を見て連想した作品。DVDを買ったまま放置状態だったので今しかない、と視聴することに。
     劇中で表示される正確なタイトルは「ガンマー第3号 宇宙大作戦」だったらしいが、「ガンマ3号」と劇中では呼ばれており、当時のポスターには「ガンマ第3号 宇宙大作戦」「ガンマ3号 宇宙大作戦」などと書かれたものもあったようなので自分の記憶している「ガンマ3号 宇宙大作戦」の方をタイトルにしました。「ピノキオの宇宙大冒険」「河童の三平」「マニ・マニ・マーチ」の4本立てだったとのこと。

     最近JAXAで講演を聞いてきたスペースガードや地球への天体衝突の話題と、「ライフ」の異星生命体の2つのテーマが扱われている、私にとっては個人的にタイムリーな作品。
     子供のころに映画館で見て、その後一度テレビで見たと思う。プラモを売っていたのも覚えている。
     出演者はオール外国人、スタッフは日本人で、セリフが英語のオリジナル版は海外で公開され、国内では子供向けに再編集されて吹き替え版で公開されたという異色の作品。
     東映とアメリカのラム・フィルムという会社の合作になっていて、深作欣二監督。

     舞台は22世紀の未来らしい(DVDの解説書にはそう書いてあるけど劇中では特に紹介されない。予告では21世紀の話みたいにも紹介している)。巨大な何十人もスタッフがいる宇宙ステーション、ガンマ3号があって(1号、2号も存在するのか気になるが特に言及は無い)、UNSC(国連宇宙センター)の地上の管制室では金星ロケットの管制などいくつもの業務をこなしている。司令が今日も変わりないな、などと秘書と談笑していると電波障害が。その原因として地球への衝突軌道にある遊星が発見される。フローラと名付けられたその遊星は600万トン(ロシア・チェリャビンスク州に落ちた隕石が1万トンだったという)の岩石の塊。それがあと10時間足らずで地球に衝突するという、今まで何を観測していたのだ、という話だが対策を練らねばならない。
     トンプソン司令(声:富田耕生)は一人の男を呼び出す。彼の名はジャック・ランキン中佐(声:納谷悟朗)。300メガトンの核爆弾を3個、フローラに仕掛けて爆破するのが彼の任務だ。
    (ツングースカ大爆発のエネルギーが20メガトンらしいので相当のエネルギーだが、これで爆破できるのかはよくわからない。そもそもこんな近距離で爆破してもダメらしいがそこはスルーで)
     だが彼はワケありで宇宙センターだか宇宙軍だかを去った人物らしく、司令は君に命令はできないので志願してほしい、という。ランキンは快く引き受けてガンマ3号に赴任する。
     この任務の間、彼はガンマ3号の指揮権も持つことになるが、現在の指揮官はエリオット中佐(声:村越伊知郎)。ランキンとエリオットはかつて名コンビとして知られたが、何かがあって現在はコンビ解消しているような関係らしい。そのことがランキンが去った原因でもあるような。
     彼はエアカーで宇宙空港へ飛び、ロケットに乗り込む。到着したガンマ3号はロケットをすっぽり収容する巨大さで、吹き抜けになった部屋もあるなど空間にはかなり余裕がある感じ。
     ここで別の宇宙船(プラモによれば名称は宇宙戦車)に乗り換えてフローラへ。ランキンと地球から一緒に来た2名(ウォレス中尉、スコット軍曹)の他、エリオットと宇宙コンサルタントの博士と助手も同行する。宇宙戦車はフローラに着陸。地上車を下ろし、3つの地点にそれぞれ爆弾を仕掛けに向かう。隊員たちは地上車のドリルで地表に穴をあけ、爆弾を仕掛ける。その間に博士は緑色の藻のようなものを発見。標本を採取する。
     地上車は車輪がぬかるみにはまった上に緑の藻のようなものがついてしまい、動かなくなったため車を捨てて徒歩で宇宙戦車に戻る。
     地上のセンターから連絡があり、フローラのスピードが増したため、あと15分で爆破してほしいという。ランキンはそれでは脱出できません、と抗議するが、努力しますと答えて通信を切る。だが集合時間を過ぎても博士が戻って来ない。ランキンは宇宙戦車を発進させるように命ずるが、エリオットは待つように頼む。ランキンはそこが君の駄目なところだ、昔の失敗を繰り返すのか、みたいなことをいって彼を責めるが、そこに博士が大発見です、生命です、と戻って来る。だがランキンはそんなもの持って行けるか、と博士の標本ケースを投げ捨ててしまう。この時緑の藻のようなものが少量博士の服に付着する。
     宇宙船は発進。ランキンはもっと加速するように命ずるが、部下はためらう。するとランキンは10Gの加速度がかかっている中、自席から立ち上がって部下の席へ行き、自分でレバーを操作する。加速のためよろめいて腕をぶつけて負傷する。さらにシールドを張るように命ずるが、部下が加速で椅子に押し付けられてレバーの操作ができないとみると、またそこまで歩いていって自分で操作する。この耐重力性は驚嘆に値する。
     やがてフローラは爆発。シールドのおかげで飛来する岩の破片にも耐え、任務は成功する。
    浮かれるガンマ3号のメンバーに対し、まだ消毒が終わっていない、とランキンは冷静に答え、博士に使用した器具を全て消毒するように命じる。
     消毒作業も終了し、ガンマ3号ではパーティーが開かれる。女性隊員は私服に着替えている様子。だが消毒室で警報が発生。ランキンとエリオット、何故か私服の女性(ルイス、声:北浜晴子)が一人が調査に行くと衣服の処理をしていたマイケルという係員が死亡している。女性は医師らしく、死体を見て電気で焼かれている、と診断する。他に異常がないか、ステーション全体を捜索するが、また一人が送電室で死体で発見される。
     さらに主動力室で不気味に動く緑色の物体が発見され、ランキンはレーザーで焼き殺そうとするが、博士が貴重な生物標本です、殺さないで生け捕りに、と懇願し、エリオットも同意する。ランキンも折れて彼らに任せることにする。
     ガス銃で眠らせてネットガンで捕らえようとするが、怪物は成長して二本足で走り回り、触手の先から花火のような電気を発してネットを焼き切る。全然うまくいかず犠牲者が次々に出て、エリオットも負傷する。ランキンはレーザーで攻撃するがレーザーも効果なく、怪物は逃げ去ってしまう。
     ランキンは地上への帰還を伸ばし、怪物を倒してから帰ろうとするが、エリオットは遊星の爆破で君の任務は済んだ、あとは俺に任せて帰れ、と抵抗する。ここでランキンは君は指揮官として判断が甘すぎる、君には任せておけんと口論になる。昔もこういうことがあって二人はコンビ解消になったらしい。女医はランキンをファーストネームで呼べる仲らしく、ジャック、言い過ぎよ、それに博士のいうとおり、初めて見つかった宇宙生命は貴重だわ、ととりなす。
     結局ランキンの指揮で怪物を倒すことになり、ステーション内外に捜索体勢がひかれる。
     博士はレーザーで撃たれた怪物が流した血を採集し、怪物は血の1滴からでも電気エネルギーがあればそれを吸って増殖し、成長すると殺傷力のある放電も行うようになると解明する。すると怪物はエネルギーのある所に現われることになる。ランキンは動力室を重点的に守るよう命じ、血を流させるレーザーは逆効果として使用を禁止する。
     だが怪物は女医のいる医務室の診断装置のエネルギーを狙って現われる。駆けつけたマーチン副長にはレーザーのことが届いておらず、彼はレーザーで怪物を攻撃。大量の血が飛び散ってしまう。隔離室に追い込むが、床に流れた血が増殖を始める。医務室は閉鎖せざるを得なくなる。エリオットは医務室の電源を落とさせるが、増殖した細胞は空調ダクト経由でステーション全体に広がる気配が見える。
     ランキンはCブロックを閉鎖し、電源を落とすとともに、倉庫内に発電機を置いてサーチライトカーで誘導し、怪物を倉庫内に閉じ込めることにする。
     だが移動した医務室がまたしても襲われてしまう。ランキンは自分がライトを持って怪物を引き付け、その間に女医や患者に逃げるように命じる。ランキンは女医たちを逃がすことには成功するが、自分は怪物に挟み撃ちになってしまいピンチとなる。だがエリオットが駆けつけてライトで誘導し、ランキンは助かる。ランキンとエリオットは力を合わせ、怪物を倉庫に閉じ込める事に成功する。だが最初に隔離室に入れた奴が残っていた。ここの壁は弱く、そろそろ破壊されそうである。ランキンはCブロックの放棄を決断。エリオットも同意する。
     全員Bブロックに避難してシャッターを閉めるが、研究資料を取りに戻った博士は取り残されてしまう。ここでランキンとエリオットの意見がまた対立する。
     博士を助けるためにシャッターを開けようとするエリオットと、それでは全員が危険にさらされるというランキン。結局エリオットはシャッターを開けるが博士は既に死んでおり、怪物が一気に押し寄せて来て全員が危険になる。
     ここで次のシャッターまで逃げて何とか隔離するが、怪物たちが火薬庫に入って爆薬をいじくって爆発が起きてしまう。モニターで見ると怪物は焼け死んでおり、熱には弱いらしいとわかる。

     ランキンはガンマー3号の放棄と爆破を決断。脱出艇でステーションを脱出することを地上に連絡する。ここでエリオットは放棄はともかく、何故爆破しなければならないんだ、と激しく抵抗する。二人は殴り合いになり、ランキンはエリオットを連れて行くように命じる。

     だが脱出艇を発進させるハッチが開かない。怪物が外側に張り付いているのだ。宇宙服を着た隊員が数名外に出て怪物を追い散らすことになるが、エリオットもこれに参加する。

     彼らの尽力もあってハッチは開き、脱出艇は女性や負傷者を優先して次々と発進していく。格納庫には1台しかいなかったみたいなのだが次々に発進していく。
     最後の脱出艇に乗り込もうとするランキンだが、ガンマ3号を地上から誘導して大気圏に突入させるはずだったところが、信号の出力が足りずうまくいかないという。
     ランキンは誘導装置を手動で操作するためにガンマ3号に残り、脱出艇は先に発進させてあとで宇宙服を着て合流する、ということにする。
     脱出艇はまず宇宙服を着て外に出ていたエリオットたちを回収。ランキンが残っていると聞いたエリオットは助けに向う。
     怪物に囲まれて誘導装置に近づけないでいたランキンだが、エリオットの加勢で装置を無事セットする。だがエリオットは怪物につかまって重傷を負い、意識を失ってしまう。
     ランキンはエリオットを抱えてガンマ3号を脱出。
     怪物に占拠されたガンマ3号は大気圏に突入し、燃え尽きる。
     だが脱出艇に収容されたエリオットは既に死亡していた。ランキンは地上へ任務完了の報告と、エリオットの勇敢な行為のおかげであることを告げ、地球へ向う。

     現在の目で「ライフ」と見比べるともう全然比較対象にならないのだが、子供のころ見た時は怖かった。記憶では飛び散った血から次々に怪物が増殖し、ドアの隙間から流れてきた血から発生したりするような印象だったがそうではなかった。
     CGなどない時代なので、宇宙空間であんな火の燃えかたおかしいだろう、とかガンマ3号の内部が天井が高すぎる部屋ばかりで広すぎるだろう、とか、宇宙船はガンマ3号のどこにあんなに収容されているんだ、とか突っ込みどころはたくさんあるんだけど、この時代によくこんなの作ったな、と思う。
     ステーションの廊下を走り回るモニターカーというのが面白い。モニターを何台も積んでいて、いわば最前線で怪物のいる部屋の中やらの様子を見ながら作戦を立てられる。ライトを積んだサーチライトカーというのもある。
     
     ランキン、エリオット、ルイスの3名はハリウッドスターで、撮影はハリウッドスタイル(彼らは撮影所に遅くやってきて定時に帰ってしまう)のためたいへんだったとか。他の出演者は在日外国人俳優が総動員されたらしく、宇宙大怪獣ドゴラやキングコングの逆襲に出演した人なども参加しているとのこと。国連宇宙センターの主任を演じたのはラム・フィルムのプロデューサーだとか。

     宇宙戦車は実物大のモデルが制作され、宇宙ステーション内も多くのセットを組んで撮影されるなど結構力が入っていた様子。脚本や怪物のデザインはアメリカ側から提示されたらしい。
     この怪物は劇中では名前がないが、現在は遊星と同じ「フローラ」ということになっているらしい。怪物の腕がスパークするシーンを撮影所の本物の電気室で撮影したら(悪魔くんとか、東映特撮ではなぜか電気室で戦うものが他にもある)本当の火事になっちゃってたいへんだったとかのエピソードも解説には書かれている。
     メカ類はプラモが発売され、漫画雑誌の付録としてコミカライズ(井上智・成田マキホ)もされたらしい。
     海外でどの位ヒットしたか知りたいところだが、特に情報はない。海外版タイトルは
    「The Green SLIME」だったらしい。

     いろいろアラはあるけど個人的には子供のころに見たせいもあってか捨てがたい作品。「ライフ」はこれのリメイクみたいにも感じている。

     
    ようつべの英語版予告編。全然違う映画に見える。
    https://www.youtube.com/watch?v=g79_ljVC5Wk
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