「あきない世傳金と銀4(高田郁著)」メモ(半分くらいネタバレ)
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「あきない世傳金と銀4(高田郁著)」メモ(半分くらいネタバレ)

2017-09-15 19:00


    ・4巻が出たあきない世傳のシリーズ。江戸時代の大坂の呉服商に使用人として雇われた女性がいろいろあって四代目の妻になるが、四代目は人間的には最低の人物で放蕩の果てに若死に。彼女は五代目として店を継いだ次男の嫁に横滑りする。
     次男は商才のある人物だったがその分自分にも他人にも厳しく、商売に不真面目だ、と三男を追い出したほど。能力はあるが情に欠けた人物だった。ヒロインがその情を補う事でうまくいくかのように見えたのだが、ヒロインには商才もあり、それが夫を凌いでいたのが不幸を呼ぶ。
     それがわかる次男は苦しみ、ヒロインが商売にかかわらないようにしたりするが、結局得意先をしくじり、相手からあんたの奥さんは信用するが、あんたのことは信用しない、みたいにつるしあげられて、離縁届けを残して出奔してしまう。というあたりまでが前巻までの内容。

     次男はいいかげんな人物ではないので、後始末はそれなりに根回しして店が困らないようにはしてあるが、いつまでも主人不在というわけにはいかない。女は主人にはなれぬという掟があり、ヒロインが立つわけにもいかない。

     結局次男に追い出される形で家を出ていた三男を呼び返すことになる。彼は商売よりも浮世草子作家になりたいという希望を持っていたが、いつになっても芽が出ず、もうあきらめてもいい頃合いだった。
     もともと雇われたばかりのヒロインに一番優しく接してくれたのはこの三男だった。だが彼は自分に商才がないことも、商売に向かない事も知っている。とりえは人当たりのいい性格だけ。
     彼も悩むが、人形浄瑠璃をヒロインと見に行き、私は人形となって、お前に遣われよう。と店を継ぐ決心をする。
     長男の嫁が次男の嫁となり、さらに三男に嫁ぐというのはこの時代でも異例で、強い抵抗もあるのだがそれを押し切り、店を守るために三兄弟の母であるお家はんは尽力し、二人の祝言を見届けて息を引き取る。

     呉服屋の組合には、売り方は掛売り、つまりお金は後払いで、その分利子をのせる、という商売しか認めないルールがあるが、川向こうの街では掛け値なしの現金商売をやる店も出て来ており、環境も変化して来ている。漠然と客を待つだけの商売で今後もやっていけるのか。

     ヒロインは理解ある夫を得て、はじめて彼女の商才を思う存分使うことができるようになる。織物の産地に足を運び、職人と直に談判して高級品の仕入れに目処をつけ、在庫となっている反物はこちらから担いで遠方まで売りに行く。売り手には店員ではなく、独立した商人を選んで彼らに商品を貸す、という形にして彼らの金銭的な負担を減らし、意欲と能力のある者を使う。
     夫はまがりなりにも浮世草子の世界で長年暮らしており、思わぬ伝手を持っている。彼の敵をつくらない温厚な性格は、多才な人脈を形成した模様。
     ヒロインも四代目に離縁された女性と今も仲良くしており、彼女に助けられる。

     これまでは運命に流されるばかりでずっと守りの立場だった彼女が、初めて攻める番になった、という感じ。

     恩義ある店が性格のよろしくない同業者に騙され、窮地に陥ったのをきっかけに彼女はさらに大きな賭けに出る、というあたりで続く。

     このへんで終わりでもいいような気もするが、さらに続くという事は子供の代までやるんだろうか。

     ニコニコ市場にまだないのでアマゾンのリンク。
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