漫画「BOX(諸星大二郎著)」
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漫画「BOX(諸星大二郎著)」

2017-11-03 19:00

    ・3巻はまだニコニコ市場にないのでリンクが貼れないけど、3巻できちんと完結する作品。妖怪ハンターや栞と紙魚子の1エピソードでもいいのかもしれないけど、独立した作品になっている。
     と言いつつ、実はこれは「キョウコ」シリーズの1編になっている。


     「キョウコ」というのは諸星さんの書いた小説に出て来るキャラクター。漫画に出て来るのははじめてだと思う。
     作品によって「恐子」だったり「狂子」だったり「凶子」だったりするが、今回は「興子」の様子。

    ・主人公はちょっと芯の強そうな高校生。二年前に彼より優秀な兄が死んでから母親がちょっと鬱になってしまい、心配だが何もできないでいる。父親も時間が経つのを待とう、という
    感じ。
     ある日差出人不明の荷物が送られてきて、中には箱根細工と「入場券」が入っている。
     登校途中に、いい年の大人の癖に木登りしてパンツ丸見えの変な女と会う。
     女は彼の学校を双眼鏡で見ていて、三階の端っこって何があるの?みたいに変なことを聞く。そこには美術室がある。
     登校した主人公が箱根細工を解くと、その美術室が突風が吹きぬけたかのようにめちゃめちゃになる。割れた窓から、変な女が登った木が見える。振り向いて反対側の窓からは、駅前のデパートが見える。
     何故かそのデパートが気になる彼は、翌日デパートの屋上に行き、そこでルービックキューブをやっている中学生くらいの小柄な少年と出会う。少年はルービックキューブの全国大会で7位になったことがあるという。彼がいまやっているルービックキューブも誰かから送られてきたのだという。そして、ルービックキューブが完成すると、またしても風のせいか向こうのビルの屋上の看板が吹っ飛び、隠れていた建物が見えるようになる。
     「次はあそこね」
     と、いつの間にか2人の後ろに立っていたあのパンツの女が話しかける。

     さらに翌日。休日なのか、昼間からその建物に主人公は行く。函山公園という公園の中にあるその建物は、真四角で窓も入り口もない。主人公も少年も、この公園はよく知っているはずなのに、この建物があるのは知らなかった。
     そしてまたパンツの女が現われる。何か事情を知っているのか、と彼女に聞くが、面白そうだから来てみただけ、という。
     彼らのほかにも何人かの人間が集まって来る。それぞれ、誰かから送られてきた入場券と、なんらかのパズルを持っている。

     老夫婦が持っていたのは、変な迷路。途中に通り抜けられない壁があって解けない。集まってきた人間たちがああでもないこうでもない、と言っているうちに、ゴスロリっぽい服を着た少女が「霊感が来た」と言って、ちょっと反則の方法で解く。
     すると建物に入り口が現われる。

     一同が中に入ると、子供のようなかわいらしい少女がいて、
     「箱博物館へようこそ」
     と、入場券を出すように言う。

     一同は、この少女の指示によって、それぞれが送られたパズルを解きながらこの建物の中をさ迷うことになる。

     メンバーとパズルは以下の通り。

    主人公・・・箱根細工。すでに解いた。
    少年 ・・・ルービックキューブ。すでに解いた。
    老夫婦・・・迷路。すでに解いた。
    ゴスロリ・・スマホアプリの立体テトリスみたいなゲーム。
    建築家・・・開かない箱。振ると何かが入っている音がする。
    郷土史家・・クロスワードパズル。縦の鍵も横の鍵もない。

    パンツ女・・パズルを受け取っていない飛び入り。名前はキョウコ(興子)。

    少女 ・・・案内役の少女。人間ではない様子。パズルを解くとプレゼント
          (の引換券)をくれる。

     郷土史家は途中で、この建物は遠野物語などに出て来る「マヨヒガ」の一種だと言い出す。次の段階に進むにはパズルを解かねばならず、パズルを全部解けば大丈夫らしいが、失敗すると何人かは外に出て来れないことになるらしい。
     また、パズルを解くと身体の一部が見えなくなったりもする。
     そして入り口はいつの間にか無くなっている。前に進むしかないが、前に進むには誰かが
    パズルを解かねばならない・・・

     建物の中で遭遇するパズルのいくつかは、実際に問題として読者に提示され、作者による
    解答が示される。その他にも各話の扉に様々なパズルが登場する。
     このパズルは考えるのも描くのも大変だったろうと思うし、よく出来ている。

     これはなかなか面白かった。最後のまとめも良かったと思う。

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