「さがみはら宇宙の日」 はやぶさ2トークライブ12
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「さがみはら宇宙の日」 はやぶさ2トークライブ12

2017-12-03 19:00



    ・チラシ。
    http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/036/935/1026_01.pdf

    ・私は前回行けなかったので久々のはやぶさ2トークライブ。今回ははやぶさ2本体の話ではなくて、リュウグウで採取されるであろうサンプルからどんな事がわかると期待されているか、という話。

     その前に一応恒例の報告を吉川先生から。「順調です!」、といういつもの報告に付け加えて「忙しい!」と「運用訓練中」の文字が。次回以降は報告すべき内容が盛りだくさんになってくるらしく、こうした簡単な報告は今回が最後になる様子。トークライブもあと2回はやると決まっているが、そのあとは忙しくなるので様子を見てということになるみたい。

     一番手はパリ天文台のアントネラ・バルッチ教授。先にゲラシメンコ彗星を観測した探査機、ロゼッタの運用に参加されていたみたい。ロゼッタはヘッドとボディと呼ばれることになった二つの部分が狭くなった部分でつながったダンベルっぽい形状の小惑星で、反射率の低い黒っぽい物質がその大部分を成し、予想された氷ではなかった。事前のスペクトル分析でわかることはわずかであり、ロゼッタも予想外のことばかりだったみたいで、リュウグウもこれから接近するにつれていろいろなことがわかっていくだろうと思うみたいな話だったんだろうと思う。

     スペクトル分析で水素と重水素の比率がわかる話なんかもしたと思うけどあまり克明に覚えてない。
     ロゼッタとランダー・フィラエの活躍を描いたアニメーションも紹介された。フィラエは彗星表面を弾んで日陰に落ち込んでしまい、太陽電池が多分使えなくなってバッテリーが切れるまでの間にできる限りのデータを送って深い眠りについたという。アニメーションは日本みたいな擬人化されたもの。フィラエはヘルメットをかぶってリュックを背負って、いろいろな測定器やサンドイッチを持って出かけて行った。

     こんな感じのキャラでした。








     次はNASAのマイケル・ゾレンスキーさん。まずボイジャーだったと思うけど、太陽系のファミリーアルバム、探査機が振り向いて太陽系の全体を撮影した写真を紹介。
     でも見えるのは木星とか天王星とか。地球はうんと拡大して、1ピクセルの点にしか見えない。 プラネテスでは国境線なんか見えない、みたいに言っていたけど、1ピクセルの中で争っているのかと思うとさらに。

     マイケルさんはドーンという探査機の小惑星ベスタ、小惑星セレス(追記:ケレスと発音していた。今は小惑星ではなく準惑星のカテゴリーになるみたい)の観測に関わって、多くの小惑星や彗星の観測データと、5万に迫る隕石の分析データを見ているみたい。
     地球の水はどこから持たらされたのか、ということは現在不明だが、 彗星や隕石には水が含まれているものがあり(よく理解できなかったけど「水隕石」いう、液体の水ではなくて水分子が石の中に混じっているもの?があるらしい)、そうしたものからは地球よりも昔に出来たらしい水が発見されていたりして、あるいは塩分やハイドロカーボン・炭化水素の中に微小な泡のような感じで水が閉じ込められていたり(その水の中にさらに真空の泡があったりするらしい)、ということがあるらしくて、何かグラフを示したのだけど、何かと何かの割合(含水鉱物のSIMSによる酸素同位体分析と言っていたような・・・SIMS:二次イオン質量分析計; Secondary Ion Mass Spectrometer)みたいのが地球の水とは全然異なって、隕石由来の水が地球の水の起源とは思えないらしい。

     でも小惑星や彗星起源だというのはまだ確認されておらず、近年の惑星の誕生経緯についての説は惑星は今ある位置で出来たのではなく、今の位置に落ち着くまでに激しく軌道を変えたりしたらしい(惑星や小惑星がミックスされたらしい)という説が有力になりつつあって、地球の水=小惑星起源説は有力になりつつあるらしい。そう聞くとじゃあその小惑星の水はどこから、とか思ったりするのだが。昔のベストセラーで「灼熱の氷惑星」というのがあったが。
     だがイトカワのサンプルからも1999年に打ち上げられたスターダストという探査機によるヴィルト第2彗星というものから回収されたサンプルからも水は検出されず、リュウグウのサンプルが待ち望まれている、ということになるらしい。

     こうしたサンプルの分析には京都大学の伊藤正一教授、
    https://kyouindb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/sN3lA

    北海道大学の圦本尚義(ユリモト ヒサヨシ)教授、https://researchers.general.hokudai.ac.jp/profile/ja.CnEl6XRc2ctamcKALou4Hg==.html

    京都大学の土山 明(土の右上に点がある)教授
    http://www.kyoto-u.ac.jp/kurenai/201603/kenkyushitu/

    JAXAにいた矢野創(ヤノハジメ)・現在は慶応大大学院教授?
    http://www.sdm.keio.ac.jp/faculty/yano_h.html

    現在は九州大学らしい中村智樹教授
    http://www.esse.epms.es.tohoku.ac.jp/

     など大勢の日本人研究者が貢献してるという。
    (講演時には名前が紹介されただけで、現在の所属や肩書きは今検索しただけなので既に古くなっていたりするかもしれません)

     スターダスト(追記:はやぶさだったかも)のサンプル回収時の写真なども紹介されて、宇宙から来たカプセルから何かが出現するのはチープなSF映画の定番ですから万一カプセルが破損して何かまがまがしいものが地球を汚染する可能性に備えて、強力な殺虫剤を持った人が防護服で研究者達の脇に待機している様子なども。この時はカプセルに異常はなく、この人は何もしないですんだという。言わなかったけどきっと危険手当も出たんだろう。

     最後はコートダジュール天文台のパトリック・ミシェル教授。
     この方は主にはやぶさ2に搭載されたランダー・着陸機のマスコットを担当されているらしい。非常ににこやかに話をされる方という印象。

     マスコットのバッテリーは16時間しかもたないということで、具体的には話が無かったと思うけどその間にいろいろな観測機器はフル稼働でデータを集めてそれを送信してくるのだろう。そのへんはフィラエの技術を継承しているのだと思う。

     はやぶさ2のミッションの困難さは3つあって、
    1.遠くの小さな目標にピンポイントで到達する。
    2.インパクタでクレーターを形成する・
    3.サンプルリターンをする。

     これらはJAXA講演会に何度も来ている人にはお馴染み。

     リュウグウは非常に重力が弱く、ヴェロシティトゥーリープザサーフェスと言っていたと思うけど、地球の場合の第二宇宙速度(地球脱出速度)に相当するものは秒速38センチメートル。ちょっとジャンプするとそのまま宇宙に飛び出して戻ってこれない。

     なのでマスコットの着地時にはけっこう跳ねたりすることが想定されているので、その辺を越えないようにもいろいろ配慮がされているのだと思う。
     マスコットは秒速19センチメートルくらいでリュウグウの地表に落下するそうだ。地表が200%の力で跳ね返してもぎりぎり大丈夫ということですね。

     地表がどのような状態かはわからないが、これまでに得られた小惑星のデータからおそらく砂であろうとの想定のもと、学生さんが様々な着地シュミレーションを作成していて,そうしたアニメーションの一部を見せてくれた。
     だが表面が粘土だったりする可能性も排除できないので、その場合は想定外となる。

     サンプラーホーンによるサンプル回収も、弾丸を撃ち込んだら地表から舞い上がってくる
    ものがあるという前提なので、下が粘土で何も舞い上がってこなかったり、舞い上がっても
    管を通らないくらいカケラが大きかったりするとサンプル採取には失敗する事になる。

     深刻に考えすぎると胃を壊しそうなところもあるが、登壇した研究者のみなさんは陽気な方ばかり。楽天的であることも必要なのかもしれない。

     バルッチさんは他の予定があって途中退席したが、最後は残った三人で会場の質問を受けつつパネルディスカッション。ここで出た質問を既に上の文に入れ込んでしまったところも
    あるのだが、他に出た話題としては

    ・探査機ドーンは最終的にどうなるのか?
     表面を汚染しないよう、高軌道に上げることになるでしょう(いつかは落ちるのかも)。

    ・マスコットはもっとゆったり着陸できないのか?
     はやぶさ2の万一の損傷を回避したギリギリの高度からの投下である。
     逆噴射したりすると表面を汚染したりするので仕方ない。パラシュートは使えないしねw

    ・地球から飛び出した隕石に混じった水が、その隕石が再び地球に落ちることによって
     地球の水が隕石起源と誤解されることはないか?
     隕石の地球引力圏脱出は絶対不可能ではないがおそらくそれは考慮しなくてよいだろう。

    ・隕石の分析技術は非常に進歩していると聞くが、あえて探査機でサンプル回収する意味は?
     隕石はどこから来たかわからないことがほとんど。出自が明確なサンプルは貴重。  
     一方で地球に来る隕石はほぼ同じような起源のものばかり。その点でも小惑星や彗星の
     サンプルは貴重。
     また、大気中で隕石の成分の99%は失われてしまう。はやぶさ2のサンプルはそういう
     意味でも期待されている。

     何の質問に対してか忘れてしまったけど、隕石がもし貴方の車にぶつかったら、修理してはいけません。車も隕石も高く売れます。なんてことも言っていた。
     時間を15分以上オーバーする白熱したものになりました。来週はあかつきです。


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