「あかつきトークライブ番外編」実習について
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「あかつきトークライブ番外編」実習について

2017-12-14 19:00
    ・先日のあかつきトークライブ番外編で行われた実習についてもう少し詳しく書いてみる。
     あかつきが撮影した、金星の雲の写真が2枚並んだものが配られる。資料の一般公開はご遠慮くださいとのことだったので、イメージとしてミクさんの画像で代用。

     左が1枚目、右が2枚目と書いてある。1枚目と2枚目は撮影した時間が異なり、2枚目の方があとから撮影したみたい。撮影した時間の差が左下に書かれている。

     そして、計算用紙が配られる。これを埋めていけばいいだけなんだけど・・・計算用紙も実物の公開はやめて、どんな計算をしたか、というイメージだけ説明します。

    1.緯度・軽度の移動量を求めよう
     課題の雲の写真から、自分でわかりやすい模様があるところを選んで、その模様が1枚目と2枚目の写真の間でどのくらい移動したかを調べる。ミクさんの例で説明すると

    左側のミクさんは撮影日時が 2016-11-19T19:19:07.088 UTC
    右側のミクさんは撮影日時が 2016-11-19T21:07:21.877 UTC

     となっているとする。つまり左よりも右の方が後から撮影した画像。
     ミクさんは風に吹かれて右から左に移動している模様。上が北、下が南とすれば、東から西へ風が吹いていることになる。金星の自転方向は何故か地球と逆向きで、風と同じ方向、右から左、東から西へ回転しているという。つまり天才バカボンの歌のようにお日様は西から昇って東に沈むわけだ。金星の場合地上から太陽は見えないんだろうけど(そうなったのは金星が次第に倒立するくらい傾いていったということだろうか。すると逆立ちしてるんであれば下を北、上を南というべきなんだろうか)。
    http://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/venus_j.html

     2枚の写真の間で、ミクさんは横方向つまり経度で7目盛り分左に移動している。ミクさんの移動を考える時、ネクタイの下端あたりを基準点と考えることにする。
     特に説明はなかったけど、金星の経度の決め方は地球と同じだろうから、上側つまり北極側から見て基準点から時計回りに西経、反時計回りに東経を180°ずつ刻むわけだろうから、いただいた写真は左から右に数字が大きくなっていっているので東経なんだろう。
     地球だと基準点はグリニッジ天文台なわけだけど、金星の経度基準点はどこなんだろう。
     ミクさんのマス目を1マス1度ということにすると、2枚目の経度から1枚目の経度を
    引けば、ミクさんは-7度横(経度方向)に移動していることになる。つまり移動量-7。
    縦方向(緯度方向)には移動しておらず、移動量0になる。

    2.雲の移動速度を求めよう
     この経度としての移動量を、実際の距離に換算して単位時間あたりの数値に直せば、
    ミクさんの移動距離を風速とみなして、風速が求められることになる。計算式は書かれているんでマスを埋めていけばいいいんだけど、cosなんかも出て来る式なのでパッと見意味がつかめない。
     図ではミクさんがけっこう大きいので、広範囲が検討対象になっちゃって、基準にする位置によって異なる結果が出たりしそうだけど、一応ミクさんのネクタイの下端あたりを基準とすると、そのあたりのマス目を見ると水平方向の赤い線を基準とすれば下方向、つまり南に3マスの位置にある。
     緯度が違うと、横方向のマス目の移動距離は同じであっても、惑星は球体に近い形をしているので赤道の周囲の距離が一番長くて、赤道から南あるいは北の極に寄るほど、その緯度に沿って一周する距離は短くなる。

    ・正しく専門用語を使えてないけど、大雑把なイメージとしては赤道の半径と、緯度θ部分の緯度を周回する部分(緯線と言うらしい)の半径は、中心点oとQを結ぶ赤い線に緯度θである点aからおろした垂線の交点Pとoを結ぶ線と同じ長さでoQにcosθをかけた値になる。

     すると周囲の長さつまり円周は
    2×パイ×半径 だから、
    赤道長さにcosθを掛ければ緯度θ
    での周囲の長さが出ることになる。


     つまり赤い円の円周の長さ×cosθ=青い円の円周の長さとなる。

     というわけで、図面で横方向(経度を目盛りとする方向)への移動距離はー7マス(1マス1度としたのだった)だったから、これに金星のミクさんがいる緯度での周回長さを掛けて、360度で割ってやると7マスを距離に換算できることになる。この緯度θでの周回長さは赤道の周回長さにcosθをかければよかったから、金星の赤道部分の長さは38026000mと計算用紙に書いてあって、

    -7.0度 ÷ 360度 ×金星の赤道長さ38026000m×cosθということになる。
    緯度は北緯-3度だったが、当日渡された緯度のコサイン表(深く悩まなくても、緯度が決まればコサインの値が選べるようになっていた)はマイナスの欄がない。
    だが、上の図でわかるようにコサイン北緯マイナスθはコサイン南緯θと
    同じ値になるので、表の3度の欄を見ればいいことになる。
     でもとっさにここのコサインの意味は何だろう?と直感的に思い浮かばなかったので、
    マイナスの値だった時にもうだめだ、おしまいだあ、と思ってしまった。

    というわけで、金星の赤道部分の長さは38026000mと計算用紙に書いてあって、
    コサインマイナス3度の値も表のコサイン3度を見ればよかったので
    =-7.0度 ÷ 360度 ×金星の赤道長さ38026000m×cos3度
    =-7.0度 ÷ 360度 ×金星の赤道長さ38026000m×0.9986
    =-738359.2922

     これは移動距離なので単位はメートル。でも求めるのは雲の移動速度だったから、これを
    時間あたりで割って速度に直さないといけない。

     撮影時間は
    1枚目 2016-11-19T19:19:07.088 UTC
    2枚目 2016-11-19T21:07:21.877 UTCだった。

     UTCというのは協定世界時という、グリニッジ標準時に代わって現在世界中で使われている時間の表現らしい。決め方とかはウィキペディアにいろいろ書いてあるけど頭にはいってこない。決め方はともかく、一番上の資料みたいな書き方は

    日付と時刻を両方表現したい場合は2008-05-16T11:25:30+09:00
    つまり日付と時刻をTでつなげる。これが世界的スタンダードとしてISO8601とRFC3339に定められた日付と時刻の表現方法。


     http://d.hatena.ne.jp/katona/20080507/p2
     ということみたい。

     プログラムに時間を組み込むときなんかにはいろんな表記法があってややこしいみたいだけど、ここではあかつきはこのUTC方式というので時刻を表わしているのだなとわかればよい。

     7マス移動するのにこの時間差があったわけだから、その差が何秒あったか計算するには
    21:07:21.877(21時07分21.877秒)から
    19:07:21.088(19時07分21.088秒)を引けばよい。

    21-19=2、21-21=0、21.877ー21.088=0.789 だから
    2時間を秒に換算して7200秒に0.789秒を足して、計7200.789→7200.8秒

     こういう表現をすると、時間→分→秒までは60進法だけど、秒の少数点以下は10進法なんだな。なにげに100m9.9秒なんて言ってるけど無意識に60進法と10進法を合わせていたのか。今回はマスでごまかしちゃったけど、経度や緯度も度→分→秒で60進法なんだな。スマホのGPSなんかの位置情報なんかはやはり秒の小数点以下は10進法なのかな。
     なんとなくそうみたいだけど奥が深そうだ。
    https://www.benricho.org/map_latlng_10-60conv/

     というわけで距離を時間で割って速度を出すと
    -738359.2922m÷7200.8秒で -102.538・・・ → -102.5 m/s

     経度は左から右に大きくなっているので、移動方向(風の方向)とは逆なので計算結果には
    マイナスがついている。
     金星の自転方向、風の方向は右から左、東から西へ吹くという事だから、この方向をプラス
    に決めるとマイナスは消える。
     これをどう呼ぶかだけど、北風とか南風という時は北から、あるいは南から吹いてくる風だから、同じように東風102.5m/s、あるいは東から西へ吹く風102.5m/sみたいに言えばいいのかな。

     計算用紙では東向き速度って書いてあるから西から東に吹くのをプラスにしてるみたいにも感じるけど、するとマイナスをつけるべきだろうか。でもこういうのは自転方向を基準とするべきだろうか。すると東から西がプラスになる。どちらにしても問題になるのは大きさだからいいか。だがプラスとマイナスを間違えるとひとみが・・・うっ

     全然自信がないけど、とにかく雲の撮影データから計算すると、80m/sから110m/sくらいの風速になるみたい(違う人もいたかもしれない)で、通常のビルのアンテナや旗竿なんかの設計強度は風速60m/sくらいだったと思うから、そんなもの吹っ飛ぶ台風どころじゃない風が吹いているんだなってことは実感できた気がする。

     そして会場のみなさんが自分の計算結果(緯度何度だと風速何m)を申告にいってシールをもらって、巨大な方眼紙みたいのに緯度と風速の分布図みたいのを共同で作った。

     こういうのは、実際に惑星科学者の人たちが昔本当にやっていたことなんだそうです。

     なんか精神的に気疲れしたけど何かをやったぞ、みたいな気にもなる実習でした。
    雰囲気だけわかってもらえればいいので、あまり計算の細かいところは突っ込まないでください。緯度とか経度とか三角関数に関する正確な用語や定義を自分が知らないなとあらためてわかりました。

     トークライブそのものの紹介はこちら
    http://ch.nicovideo.jp/metabou/blomaga/ar1379999




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