「夜光島魔人(横山光輝著)」
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「夜光島魔人(横山光輝著)」

2018-03-12 19:00




    ・今もあるかもしれないけど昔はショウワノートだったかショウワの学習帳というのがあって、当時はジャポニカ学習帳はまだなかったように思うので、子供のノートはこちらが主流だったように記憶している。
     昭和のショウちゃんという、大学帽をかぶったキャラクターもいたような気がする。
     A5版で表紙と裏表紙はカラー、その反対側つまり表紙と裏表紙をめくったところは表紙や裏表紙と同じ絵柄の塗り絵になっていることが多かった気がする。

     そして、その表紙の絵柄には、テレビ番組にもなっていない漫画が採用される事も多かった。なので、読んだ事ないんだけどこのノートを通じて存在を知った作品というのがけっこうあった。覚えているのは桑田二郎さんの「黄色い手袋X」「超犬リープ」、そしてこの「夜光島魔人」があった。もしかしたらセイカノートの方だったかもしれないけどよくわからない。

    話は全然知らないんだけど、カラーイラストが魅力的で一度読みたいと思っていたが、単行本などは当時見かけたことはなく、そのまま忘れていた。
     それから50年近くたって、漫画文庫で出ている事を知って読んでみた。

     サメのかぶりものを着て、海岸に泳ぎ着いた男がいる。だが空を飛んで追いかけてきたアカエイのような怪物に炎のようなものを吹きかけられて倒れてしまう。
     そこに映画を見た帰りの山形兄弟が駆けつける。兄の武が抱き起こすと男は「夜光島」と言い残して事切れる。弟の三郎は飛行して帰って行くアカエイをカメラで撮影する。

     二人は警察に通報し、警察に後を任せて去るがアカエイのことは話さない。彼ら自身信じられなかったので。だが写真を現像してみると確かにアカエイが写っている。武はもう一度警察に電話してアカエイのことを話して自宅まで警察に来てもらうことにするが、自宅にアカエイが飛び込んできて写真を奪われてしまう。自宅に駆けつける途中のパトカーも襲われ、乗っていた刑事も死亡する。
     続いて駆けつけた警官たちに説明しようにも、証拠となる写真は無い。だが、村雨という刑事だけは兄弟の話を信じてくれる。

     村雨刑事は夜光島という島がないか調べてみよう、と言って帰る。兄弟は最初に男が死んでいた海岸に行ってみる。するとそこで2匹のアカエイに襲われ、連れ去られてしまう。
     後をつけていた村雨がこれを目撃し、ボートで後を追う。
     
     兄弟が目を覚ますと、そこは巨大な地下工場。軍服を着た男が現われ、ここは夜光島だと教え、アカエイを見た以上帰すわけにはいかん、ここで働いてもらおう、ということになる。
     工場ではいろんな国の男たちが働かされている。みなよけいな事を喋ると殺される、と口がかたいが、兄弟がひと暴れして監視員を気絶させると、一人がここでは世界征服のための誘導弾を作っているらしいと教えてくれる。また、アカエイは彼らが使う飛行服だということも。
     兄弟はその飛行服を盗んで逃げ出そうと考える。一方村雨刑事も島に潜入するが、すぐに捕まってしまう。
     いろいろあって村雨刑事はアカエイを奪って脱出。兄弟は地下工場の中を探っている。軍人たちの中で一番偉いらしい隊長という男の上に、夜光島魔人という指導者がいることがわかる。
     村雨刑事の報告を聞いた飛行機や警備艦がやってくるが、飛行機は機銃で落とされ、警備艦は水中砲という、竜巻を発生させる機械によって沈没させられてしまう。
     兄弟は隙を見て夜光島魔人と戦うが、魔人は銃で撃たれてもけろっとしている。

     そのあともいろいろあって、日本警察アクアラング部隊がサメに化けて夜光島に乗り込み、基地を制圧するが魔人はロケットで逃亡。三郎少年がロケットに乗り組んで最後の対決になる。

     結局魔人の正体は不明に終わるが、おそらく宇宙からやってきたのだろうということになる。隊長以下の軍人たちはドイツのたぶんナチスの残党で、魔人の正体を知らぬまま彼らの野望と引き換えに協力していたとのこと。

     空飛ぶアカエイ、村雨という刑事、と鉄人28号と似たようなモチーフが見える。でもこの作品の村雨刑事は警備艦と一緒に沈んでしまったのか、それっきり登場しない。

     「たのしい四年生」という雑誌に昭和35年の4月からちょうど一年間連載したらしい。白黒だけど、扉絵ギャラリーとして別冊付録分も含めて全部収録されている。小さいけどカバー見返しにはカラーで一部収録もされている。

     内容は今見ると昭和の少年漫画だな、という感じなんだけど、夜光島という言葉とかカラーイラストとかに今は描かれないタイプのロマンを感じる。
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