「スペードの女王(プーシキン著)」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「スペードの女王(プーシキン著)」

2018-04-26 19:00


    ・ロシアの有名な作品。

    カルタと訳してあるけど、たぶんトランプのポーカーみたいな(ポーカーじゃないと思うけど私はトランプゲームに詳しくないのでわからない)賭け事をしている兵隊たちが夜を明かそうとしている。
     だがゲルマンというドイツ人の工兵だけは、ゲームに一度も参加しないのに他の人間の勝負を見るのが楽しい、と付き合っている。
     トームスキーという男が、自分の祖母の話をはじめる。彼女は伯爵夫人で、一切賭け事をしないという。80歳のばあさんが賭け事をしないなんて当たり前じゃないか、と他の人間は言うが、トームスキーはまあ聞け、と話を続ける。
     若き日の祖母はパリの社交界で大もてで、リシュリュー元帥なども彼女にご執心だったとか。貴婦人方の間で賭けトランプが流行り、だったが、ある日オルレアン公に大負けしてしまう。これを自分の夫に払っておいて、みたいに命令するがいつも彼女に逆らわない温厚な夫がめずらしくどこにそんな大金がある!と受け付けない。仕方ないので彼女は親しかったサン・ジェルマン伯爵にお金を貸してもらえないか相談する。するとサンジェルマンは貸してもいいがとうていすぐには返しきれない金額、これは心の負担になるでしょう、とある必勝法を教える。祖母はこれを使ってもう一度オルレアン公と勝負して、見事に勝って負けをチャラにしたという。4人の息子の誰にもこの必勝法を教えなかったが、一度だけある若者を哀れに思ったのか、教えたことがあるらしく、その男はおかげで窮地を脱したという(ただし最終的には野たれ死にしたらしい)。

    これを聞いたゲルマンは、そんな必勝法があるなら賭けトランプをして運命を試してみてもいいか、と思うようになり、その伯爵夫人の屋敷の周囲をうろうろするようになる。ここに伯爵夫人の養女の若い女性がいて、夫人のわがままに仕えるだけの人生に絶望感を持っている。彼女が窓の外に毎日のように立っている工兵士官を認め、彼女の事を見つめているように誤解する。ゲルマンは次第に彼女に接近し、手紙を渡して逢引を申し込む。
     もちろんゲルマンは彼女のことは何とも思っておらず、ただ伯爵夫人に合う道具として利用しただけ。彼女が自分の部屋に招いてくれた機会を使って、ゲルマンは伯爵夫人と談判し 必勝法を聞き出そうとするが夫人は拒絶。ゲルマンが脅しに銃を取り出すと、夫人はショック死してしまう。養女はゲルマンを人殺し、と激しくなじり、自分が夫人の死に手を貸したと悩む。

     夫人の葬儀が過ぎ、ゲルマンが一人自分の部屋にいると死んだはずの伯爵夫人がやってくる。自分の意志に反してやってきたという彼女は、「3」「7」「1」と張るがよい、ただし勝負は一日一回、その後は生涯勝負ごとはしないこと。養女を嫁にもらってくれれば、私を殺した罪は許してあげる、と告げる。

    賭け事で一財産を築いた、という男がこの地にやってきて、胴元として賭け事をすることになる。ゲルマンも友人の紹介で参加する。ここではじめて賭け事に挑み、全財産を賭ける。周囲はよせ、と止めるが引かず、「3」と賭けて大勝ちする。
     翌日もゲルマンは「7」で大勝ちする。
     三日目、これで負けると胴元もただではすまない、という感じになってゲルマンは「1」を出した・・・つもりだったのだが。

     怪談の一種なのか、寓話なのかなんとも分類に困る話だけど怪談なんだろう。筒井康隆さんにこの作品のパロディらしい「スペードの女王」という短編があり、そっちを先に読んだので私の印象は混じってしまっている。

    いろんな人が訳していて岡本綺堂訳もあるけど、岡本氏はロシア語もできたのかな。

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。