「大江山花伝(木原敏江著)」
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「大江山花伝(木原敏江著)」

2018-07-15 19:00




    ・漫画文庫を読むのはきつくなってきたので読み納めて処分中。
    酒呑童子の話だが、中心になるのは茨木童子と渡辺綱。どちらも美形。渡辺綱が茨木童子の腕を切り落とし、茨木が綱の屋敷の乳母に化けてこれを取り返す、というエピソードがある。茨木は酒呑の子供という設定で、鬼というのははるかな昔日本にやってきたたぶん北欧のバイキングの子孫ということになっている。山の中に隠れ暮らしていたが迫害され、女子供を殺されたりしたのでその仕返しをするようになった。酒呑童子と茨木童子は妖力も持つという。手塚治虫さんの鬼丸大将にもあったけど、古代の日本に漂着した西洋人がいたら鬼と思われたろうなと思う。この作品にも鬼丸という茨木童子の部下が出て来る。
     茨木童子は鬼の隠れ里が人間に襲われた時まだ赤子で、母親が角を削り落として人家の前で力尽きて死に、その家に拾われて15歳まで人間として育ったという過去がある。その家にはふじこという娘がいて、兄妹のように育ち、将来は夫婦となる約束をする。
     渡辺綱の家には藤の葉という下働きの娘がいる。彼女は腕や顔の半分にひどい火傷を負っているが、気品がある美人。

     源頼光に帝から酒呑童子討伐の命が下り、斥候として綱が山伏に身をやつして大江山に入る。これを藤の葉が追って来る。綱が娘に気をとられているうちに鬼に見つかり、二人とも捕まってしまう。
     だが茨木童子は彼らに寛大な扱いをし、殺そうとはしない。綱は茨木が乱暴なだけではない、まともな話ができる相手だと信頼するようになる。茨木も酒呑の乱暴は行き過ぎであり、止めさせたいと思っている。
     茨木は藤の葉にお主はふじこであろう、と言うが、藤の葉は自分のような醜い女がそのような高貴な姫と同一人物であるはずがない、と認めない。

     鎖に繋がれた綱だが、怪力の坂田金時がしのんで来て鎖を千切り、綱を救い出す。綱の調べた鬼の砦の様子から作戦をたて、鬼の飲む酒に毒を入れ、鬼の酒盛り中に頼光や部下たちが襲撃しようという手はずになる。茨木はこれに気付いているが酒呑童子には知らせない。綱は茨木童子だけは助けてやってほしい、と頼光たちに頼み込む。

     頼光たちの襲撃がはじまると、茨木は酒呑童子や鬼丸を手にかける。鬼たちは次々に倒れていくが、茨木は自らが酒呑童子とふるまって崖の上に追い詰められる。そこに藤の葉が飛び出して、茨木と共に矢を受けて死ぬ。綱は二人を助けようとするがかなわなかった。

     もともと茨木が綱に腕を斬られたのは、綱の家にいるという藤の葉を訪ねてのことだった。穏便に話をしようとしたのだが、綱は鬼め、と話を聞かなかった。藤の葉はもちろんふじこで、火事で醜くなった自らを恥じて名乗らなかったが、大江山の鬼の中に茨木がいるのでは、と綱の家に住み込んで、ひと目姿を見たい、と思っていたのだった。

     活躍を誉められ、褒美ももらった綱だが心は晴れない。時折り大江山を訪れ、二人の面影を思うようになる。

     綱と坂田金時以外の頼光四天王、卜部季武(うらべすえたけ)と碓井貞光(うすいさだみつ)も出て来るがあまり活躍の場面はない。藤原保昌も四天王と同格の扱いで登場する。

    宝塚で舞台化されたことがあるみたい。
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