「未来のミライ」ネタバレ控えめ
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「未来のミライ」ネタバレ控えめ

2018-07-21 19:00
    公式サイト。

    http://mirai-no-mirai.jp/

    ・公開直後なのであまりネタバレ控えめで。
     予告とかでわかっているのは主人公は幼い男の子。3歳か4歳くらい?(4歳らしい)その男の子の目の前にセーラー服姿の女子高生?女子中学生?の妹がやってくる、みたいなことだけ。
     するとタイムトラベルものなんだろうな、何か未来をよろしくない状態から守るためにターミネーターみたいに妹が過去にやってきたんだろうな、みたいに思うわけですが全然そういうのと違いました。

     冒頭ほか何度か、主人公の住む街を俯瞰で見せるのだけど、よく見ると小さな車や電車が動いている。これは映画館の大画面で見たほうがいかも。火の鳥2772で未来都市をワンカットで上空からのまわりこみみたいので見せていたカットがあったけど、あれは手塚さんが是非劇場で見てください、と言っていたと思うけどこのシーンもそんな感じ。でも今はスマホとかで見ちゃう人もいるんだろうな。
     主人公の住む家は、建築家のお父さんが趣味全開で建てたみたいで歳をとったら絶対後悔しそうな階段ハウス。玄関開けたら階段登って庭に出て、階段登ってリビングに出て、階段登って寝室。家のど真ん中に庭があるみたいな。子供部屋は特に出て来なかったけど、準備してあるんだろうか。こんな家で車椅子になったらたいへん。改築も増築も難しそうだ。子供には楽しそうでもあるけど。親が歳をとったら二階にも簡単に上がれなくなるのを見ているのでこの家はアブナイと思う。玄関の段差一段でもこけたりするようになるし。
     エンディングみたいなオープニングで、若い二人が出会って一緒になり、犬を飼って子供を授かる。そしてオープニングが終わると、二人目を生んだお母さんが病院から帰って来る。
     お母さんは産休が終わって仕事に復帰。編集みたいな仕事みたい。旦那さんは退職してフリーになって自宅で子供を見ながら、家事をこなしつつ建築の仕事をしてるみたいだけど家事も子供の世話も初心者で失敗ばかり。奥さんに怒られてばかりいる。奥さんはまた怒ってしまった、と自己嫌悪。
     長男のくんちゃんは、家の中心がこれまでの自分から、まだ名前も無い妹に移ってしまったと察し、親の関心を自分に向けようとするがうまくいかず、感情的に不安定となってかんしゃくを起こす。なので妹のことも好きになれない。好きくない。
     すると家の真ん中にある庭(クス(だったと思う)の木も植えられている)のあたりで時空が歪んだのかくんちゃんが夢を見ているのか、いろいろと不思議なことが起きる。自称王子が現われたり、知らないけど親しみを感じる人たちと出会ったり。中でも未来からやってきたという年上の妹が、くんちゃんにいろいろと偉そうに指図するのだ。

     何か壮大なストーリーというわけではなくて、断片的なエピソードを連ねていく感じ。なのでちょっと軽くも感じる。個々のエピソードは結局どういうふうに収束したのかよくわからない、尻切れトンボのように感じるようなものもあり、どこかつじつまが合ってないようにも。でもそういうのは承知で作っているのだろう。
     子育て中、あるいは子育て経験のあるご夫婦が見ると、いろいろと思い当たり共感するところがありそう。当たり前のことだけど親にも祖父母にも子供時代があり、親から子へ、子から孫へといろいろなものがリレーされていく。自分が今ここにいるのはいろいろな偶然と縁と人の意志の積み重なり。親が簡単にできたことを子供はできなかったり、親ができなかったことを子供が簡単にできたり。そして子供のかわいい盛りもあっという間に過ぎてしまうし、夫婦も親子も兄妹も最初から関係が完成しているわけでなくてお互いに影響を与えあって変化して成長していく。そういうのがテーマだと思うので、特に壮大なストーリーでなくてもいいのだろうと思う。同じ監督の過去作と比べて、かなりわかりやすいと思う。子供向けの絵本みたいな話だな、と思いました。

     実際の親子関係に悩んじゃってる人が見るとつらいかもしれないし、問題解決のきっかけになるかもしれない。どちらに転ぶかはよくわからない。子供が親にも子供時代があって心があって、自分と同じように悩んだり悲しんだりする存在なんだ、自分が好きなことをやろうとすると邪魔して怒るだけの存在じゃないんだ、と察してちょっと成長するような作品になっている。

     主人公の男の子の声は最初子供の声に聞こえなくて違和感あったんだけど、終わる頃には慣れたのか気にならなくなった。子供の声を作っているのではなくて、自分の地の声でやったのかな。君の名は。のミツハの人みたい。

     意外な見所として、くんちゃんがかなりの鉄オタなのでいろいろと鉄道ネタが出て来る。そういうの好きな人には受けるかもしれない。ちょっと今のと違う東京駅も出て来るんだけど、ここは鉄道ファンには面白いかもしれない。ブラックシンカリオン(ロボットには変形しない)?幽霊電車?みたいのまで出て来る。

     それなりにギャグッぽいシーンもあるのだけれど、笑わせに徹しているわけでもないので当の子供さんが喜んでくれるかどうか。くんちゃんくらいの子供が見てもよくわからないだろうな、とも思う。これは若いご夫婦向け作品だと思います。

     風景やら室内やらの作画の完成度は高く、登場人物の動きも表情も自然で豊か。そういう点では安心して見れます。ストーリーは深まっていくのではなく断片的なものが水平に広がっていく感じで特に収束とかもしないので物足りなく、まとまりがないと感じる人もいるかもしれない。そんなところで。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。