「たのしい話いい話(文芸春秋編)」③高田実彦氏、常盤新平氏
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「たのしい話いい話(文芸春秋編)」③高田実彦氏、常盤新平氏

2018-07-31 19:00



    ・「たのしい話いい話」から引き続き。

    高田実彦(東京中日スポーツ総局次長) 756はメランコリーにのって

    ・プロ野球に関する細かなエピソードがいっぱい。細かすぎて要約できない。タイトルは王選手が756号を打つ頃のエピソード。打撃練習時に梓みちよさんの「メランコリー」を流していたという。登場する現役選手は新浦、西本、デービズ、マーチン、張本、若松、谷沢、柴田、定岡、リー、江藤、田淵、山本浩二、香川、ブーマー、ホーナー、原、江本、落合、斉藤(大洋)、江川、水野、田尾、大島、広沢、山倉、秦、池山、阿井、広島の長島、ナイマン、ドイル、篠塚、金森、郭、荘、トミー・ジョン、桑田、清原、関本、有藤、淡口、弘田、藤王、上川、サンチェ、バース、秋山などのみなさん。執筆期間が長きに亘っているので、王さんは王監督としても登場。長島さんも監督して登場するほか、現役時代に遡ってのエピソードも。

    常盤新平(作家) 古きよきアメリカ
    ・ノーベル文学賞作家、ウィリアム・フォークナーの話。この人は愉快なエピソードの多い人らしい。ノーベル賞受賞式に貸衣装で出席。来日時、聴衆の学生を笑わせようと15分にわたり愉快な話をしたらしいが、通訳がこれを20秒で紹介し、学生が爆笑したのに驚き訪ねる。「どう要約したんだ?」「愉快な話をしたので笑ってくださいと言いました」作家のシャーウッド・アンダーソンと面識があり、彼がフォークナーの作品を読まなくていいなら出版社から君の本を出させよう、というのでこの条件をのむ。経済的には苦しかったようで、ハリウッドで脚本の仕事をする。MGMの仕事でブラウニングという監督と組むが、三週間監督がパーティーやヨットに誘うばかりで何も仕事をしないまま解雇される。監督がMGMと話をつけてやる、となぐさめるが、直後に監督も解雇される。
    ・ある役者にエリア・カザン作品出演のオファーが来る。リンカーン役である。役者はリンカーンの研究をし、衣装もリンカーンと同じものを揃えて監督に会いにゆくが、途上で暗殺されてしまう。
    ・ジョージ・S・カフマンという劇作家の話。役者へのダメ出しが多い人だったらしい。自分の作の舞台を観客席で見ていて、役者の芝居が下手なので舞台上の俳優に電報を打ち、芝居の最中に役者に届いたという。
    ・「ジョーズ」原作者ピーター・ベンチリーは父親も祖父も作家だという。
    ・雑誌「ニューヨーカー」で劇評を担当していたウォルコット・ギプスは才人で浮気の名人だったそうで、自分の交際相手を社に就職させようとしては断わられていたという。
    ・そのギプスがいた編集部で給仕をしていたのがデビュー前のトルーマン・カポーティで、勝手に全国から編集部に送られてくる画家や漫画家の作品を検閲し、自分が気に入ったものだけを担当者に渡していたという。没にした作品は彼の退職後デスクから見つかったとか。
    ・イェルジェン・コジンスキーという作家が、毎日1時間だけホテルの部屋で執筆したい、1泊する金はない、と交渉した話。
    ・レナータ・アドラーという女流作家が自分のプライベートをしれっとインタビュアーに隠し通した話。
    ・ジョーズのピーター・ベンチリーの祖父ロバートが、友人と痛飲して店を出ると雪の中を静かに歩く象の群れを見る。彼と友人は互いに見たか?と遠慮がちに確かめ合う。この時サーカスの象が移動中だったらしい。
    ・そのロバートが酔っ払って海軍の制服を着た男性をドアマンと間違えてタクシーを頼む、と話しかける。相手が海軍軍人でドアマンではない、と答えると軍艦を頼む、と言い返す。そんな酒に関するエピソードが多かったみたい。
    ・そのロバートの友人の詩人、ドナルド・オグデン・スチュアートは酒場から出てきて雨が降っていると、傘をさした通行人の腕をつかんでどこそこまで頼む、と引っ張っていったという。
    ・アメリカプロ野球に関する話いくつか。
    ・ランダム・ハウス社の創立者であり、編集を経営を行ったベネット・サーフという人物はゴシップや怪談のコレクターでもあったという。その中から。貧乏だが美人の娘が舞踏会に招待される。服がないので貸衣装屋で借りる。白いドレスは好評で、次から次へとダンスの相手が現われるが、彼女は気分が悪くなって帰宅すると、そのままベッドに倒れ、私のドレスを返して、という女性の声を耳元で聞いて死んでしまう。実は質屋と葬儀屋が結託していて、若い女性の死者がでると、服を剥ぎ取って売っていたのだ。直接の死因はドレスに滲みこんでいた防腐剤だったとか。
    ・ジョン・ホワイトという人の「拒絶」という本の紹介。後に有名になった作品が、最初どれだけ出版を断わられたかみたいなエピソード集みたいな。「戦争と平和」「大地」「アラバマ物語」「ピーターラビット」などが紹介されているとか。日本語検索だとこの人も本も出て来ない。
    ・ジョージ・ジープという人の「最後の時」という本の紹介。メアリー1世が最後に死刑にした人の名前とか、ベーブルースが最後にホームランを打った日付とか、最後にかかわるどうでもいいことが集められている、物好きによる物好きのための本らしい。有名人の最後の言葉も多数収録とのこと。こちらも日本語検索ではヒットしない。邦訳は無いんだろうな。
    ・米第三代大統領トーマス・ジェファーソンが11歳の長女に書いた手紙について。妻が6人の子供を残して亡くなった翌年のことらしい。娘は学校の寮か何かにいて、一緒に暮らしていなかったみたい。
    ・第26代大統領セオドア・ルーズベルトが長女のアリスが奔放すぎていつもハラハラしていたとの話。娘をなんとかしろ、と言われて、大統領と娘をなんとかするのの、どちらか一つしか自分にはできない、と答えたとか。


    高田さんは現在プロ野球記者OBクラブところで文章を発表したりしている様子。
    http://tokyo-proyakyukisya-obclub.jp/archives/650
     プロ野球選手や監督に関する著書もある模様。

     常盤新平さんは直木賞もとっていてものすごく著書や翻訳が多いのだが、知る人ゾ知る、という感じでいまひとつ業績のわりに一般に知られていない気がする。私もそんなに知らないんだけど、名前はあちこちで見かけたな。

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