劇場版「若おかみは小学生!」
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劇場版「若おかみは小学生!」

2018-09-23 19:00
    公式HP
    https://www.waka-okami.jp/movie/

    ・原作は児童書のベストセラーとのことで、既に全20巻で完結しているとのこと。


    それ以外の番外編も少しあるみたい。


    テレビアニメも放送されていた。この劇場版アニメはテレビの総集編というわけではなく、最初から登場人物を整理したりして作り直したものらしい。原作は読んだこと無くて、テレビアニメ版は無料で見れる2話までしか知らないんだけど(現在ユーチューブで1話・2話無料公開中)、キャラクターデザインや演出も異なる印象。
    https://www.youtube.com/watch?v=Yz_StwkXDMc

    ニコニコでは1話だけ無料。以降は最新話全て有料で、無料配信期間が無かった。
    なので見なかった。



     劇場版についてだけ言えば、子供向きと舐めていたんだけどすごく出来が良かった。

     主人公の関織子、通称おっこは交通事故で両親を亡くし、唯一の身寄りである祖母に引き取られる。祖母はもう70歳だが、元気に女将として旅館・春の屋を営んでいる。客室が五部屋のこじんまりとした旅館で、従業員はベテランの仲居さんと板前さんのみ。

     都会育ちのおっこは虫とか爬虫類とか苦手だが、さっそく女郎蜘蛛(たぶん)やトカゲやヤモリが出て来てもうイヤ!という感じ。さらにこの旅館にはユウレイがいた。

     そのユウレイはウリ坊というあだ名の男の子。いかにも昭和のワンパク小僧、という感じ。彼は実は祖母の幼馴染でお互いに憎からず想っていたが、祖母の転居で別れ別れになってその直後に事故で死んだのだった。
     何故かウリ坊の姿が見えて話ができるのはおっこだけで、これまでずっと話相手がいなかった彼は嬉しくておっこに付きまとうようになる。おっこがその年頃の祖母によく似ている、ということもあるらしい。
     祖母も子供時代はかなりお転婆だったらしくて屋根から落ちた彼女をウリ坊が受け止めてくれたこともあり、命の恩人とも言える。祖母の方はウリ坊が若くして死んだことを知らない。ウリ坊は祖母はおっこが旅館を継いでくれるのを願っていると知っているのでそう仕向けようとする。
     ウリ坊と話しているのを祖母や仲居さんに聞かれて、おっこがこの旅館の跡継ぎとなる決心をしていて、手伝いながら仕事を覚えて行きたいと強く望んでいる、と誤解されて、若おかみになってしまう。これはウリ坊の狙い通り。

     ここは花の湯温泉という温泉街で、クラスメートには土産物屋の子供も多い。そして当然、旅館の子供も他にいる。この温泉街で一番大きな旅館・秋好(しゅうこう)旅館の三代目になる予定の秋野真月(あきのまつき)はピンクにフリフリの派手な服で登校して来る有名人だが、彼女の実家がこの温泉街では力を持っていることもあって大人も含めて彼女に誰も何も言わない様子。おっこはその格好変じゃない?と真正面から言ってしまう。この時ウリ坊もちょっかいを出してきて、おっこがウリ坊のふるまいを笑うと、真月の言う事を笑い飛ばしたみたいになってしまう。当然真月は怒って仲は悪くなるが、クラスメートからはすごい!あの真月ちゃんにあんなにはっきり「変」と言ったのっておっこちゃんだけだよ!と受けてしまう。彼女は陰で「ピンフリ」と呼ばれていたのだが、おっこはそれも本人に言ってしまう。

     突然小さな女の子の姿をした幽霊が現われて、おっこの顔に落書きをするなどいたずらをする。ウリ坊は実在のモノに触れないのだが、この女の子の幽霊はモノに触ることができる。
    実はこの子は真月のお姉さん。七歳で死んだという。真月の生まれる前で、姉妹は直接会ったことはない。

     この女の子の幽霊・美陽(みよ)も、自分の姿が見えて、喋れるのはおっこだけ、おっこをからかうのが楽しい、と春の屋にいりびたるようになる。ユウレイが二人になった、とげんなりするおっこに美陽はまだいるよ、と教える。三人目はスズキという名で、厳密にいうと幽霊ではなく鬼である。ス↑ズキと後ろを上げ気味に発音すると、人間の鈴木さんみたいだ、といやがる。ス↓ズキと後ろを下げ気味に発音するのが正しいらしい。本体は祖父が生前誰やらに貰った鬼の頭をかたどった鈴で、つまり鈴鬼である。鈴鬼はユウレイではないのでモノに触ったり、食べたりできる。板前さんが作るお菓子などを食べてしまう。それはおっこがつまみ食いしたと思われてしまう。

     鈴鬼にはお客さんを呼びこむ能力があるがちょっと訳ありのお客さんに限る。そこでちょっと面倒な客が春の屋には次々とやってくる。たとえばこんな感じ。
    ・母親を亡くしてすねている男の子と、その父親。
    ・女占い師。腕はいいらしく金持ちの様子で長期逗留中。こち亀の麗子みたいな美人。
    ・旅館の食事に文句ばかりつける男性客とその妻子。彼は事故で腎臓を摘出し、塩分とかに制限があるため濃い味付けの料理が出せないのだ。男性は今も杖が離せない。かなり長く入院していたらしい。

     母を亡くした男の子の父親は実は作家で、彼が記事を書いてくれて旅館は評判になる。
     占い師はおっこと親しくなり、一緒に買い物に連れて行ってくれたりする。高そうな車に乗っている。
     おっこにはPTSDがあるようで、車に乗っていると突然事故の瞬間を思い出し、身体が震えて止まらなくなってしまうことがある。運転していた父に落ち度はなく、突然対向車線からトラックが飛び出してきたのだった。お母さんのキャラデザは松本零士さんの描く美人という感じ。

     真月は表面上はよくある金持ちのわがまま娘、という印象だが実際は非常に頭が良く努力家でもある。自分の実家の旅館だけ繁盛すればいい、という考え方ではなくて、温泉街全体が豊かにならなくてはと常に思っている。観光客を呼べるよう、鯉のぼりを大量に飾ったり、夜景をライトアップしたり、というアイデアを次々と出し、環境にも配慮して温泉街のイベントプロデューサーのような役割を負っている。だから、たいした覚悟もないおっこが内心戸惑いながら若おかみをしているのを見るといらいらして、素直じゃないから忠告ではなくて嫌味みたいになってしまう。春の屋が潰れることがあったら温泉街全体の恥、と思っているのでそうならないよう助言もする。
     おっこから見ればおかみの実務をしないで何でも人任せにして威張っている、みたいになってしまう。

     目の前にいる客を精一杯もてなそう、という気持ちはおっこは人一倍持っている。だがドジなので失敗も多い。さらにおっこは成績もかなりよろしくない。
    いろいろ対照的な二人である。おっこ役の声優さんは子役出身だけど声優としては新人の中学生で、真月役の声優さんは超ベテランとこちらも対照的。
    でも違和感なく小学生同士の会話に思える。

     この二人が組んで、お神楽を踊ることになる。この温泉街にとっては重要な行事なのだが、二人の息はなかなか合わない。

     おっこは時々ウリ坊や美陽の姿が見えなくなり、声も聞こえなくなる。おっこはウリ坊たちがどこかへ行っていたのだと思っているが、ずっとそばにいるのである。鈴鬼はお別れの時が近づいているのだ、と呟く。

     お神楽の日は近付いてくる。そんな時にやって来るのが腎臓を摘出した男性である。おっこはこの男性をなんとかもてなそうと、お神楽の稽古で一層仲が悪くなってしまった真月の知恵を借りようと思う。真月が誰よりも努力していて、こういうことに詳しいのもおっこは知っている。自分が気まずい思いをするよりも、お客さんが喜んでくれた方がいい。
     男性はおっこに自分の事故のことを話す。その事故とは。

     アニメ版にはもっと多くの登場人物が出て来てにぎやかみたいだけど、登場人物を絞ったこの劇場版も悪くないと思う。主人公たちがぐっと成長するので印象が良い。
     シンプルな絵柄だけど作画レベルも高いと思う。よく動くし背景とかもしっかりしている。料理も美味しそう。

     親子とか、祖父母と孫とかで行くならちょうどいい作品と思う。

     
     

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