「漫画巷説百物語(京極夏彦原作・森野達弥漫画)」
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「漫画巷説百物語(京極夏彦原作・森野達弥漫画)」

2018-10-13 19:00


    ・京極夏彦氏の小説を、水木しげるさんのアシスタントだった森野達弥さんという人がコミカライズしたもの。
     原作は他にもたくさん話があるのだが、そのうち「小豆洗い」「白蔵主(はくぞうす)」の2編を漫画にしている。絵柄はアシスタントだっただけあって、水木さんの絵柄っぽいところとそうではないところが混じり合っている独特の雰囲気。おぎんという女性のキャラクターデザインはいいと思う。



    ・百物語
     漠然とした江戸時代。円海という坊主が風雨の中、橋も流されて道行きに困ってある小屋にたどり着く。小屋の中には様々な職業の人々が雨宿りをしており、百物語でもして雨のおさまるのを待とうみたいな雰囲気になる。
     トップバッターは山猫廻し(人形遣い)のおぎん。彼女は既にこの世にない姉の話をする。
     次に江戸日本橋の雑穀問屋の隠居だという 備中屋徳右衛門という老人が自分の店にいた小僧のことを語る。

     円海はこの二つの話を聞くうちに、わなわなと震え出し、いたたまれないように小屋を飛び出してしまう。そして雨の上がった翌朝、足を滑らせたのか河岸で死んでいる。

     死体を引き上げて円海の所属する寺へ知らせをやり、小屋にいた人間たちのうち五人が残って死体の番をすることになるが、百介(ももすけ)という戯作者をのぞく4人は以前からの顔見知りのようでこれでよいのだ、みたいな話をはじめる。
     わけのわからない百介がわけを聞くと、これはこの4人、御行(おんぎょう:行者のような姿をした物売りみたいな意味らしい)のいでたちをした小股潜り(今でいう詐欺師みたいなものらしい)の又市、山猫廻しのおぎん、備中屋徳右衛門と名乗っていたが実は事触れの治平という名の小悪党、小屋の持ち主の伍兵ヱという老人が示し合わせた、円海と名乗る坊主を懲らしめるための芝居だったのだ。
     円海は出家前はこのあたりで暴れまわった山賊で、伍兵ヱの娘とその弟の二人を殺しており、出家してほとぼりを冷ましていた。だが確たる証拠がない。そこで本人の口から言わせようと、二人の被害者の名前といきさつを別の怪談話にすりかえて聞かせたのだった。

     謝罪すれば許すつもりもあったのだが円海は乱心して死んでしまった。これもまた運命だろう、と彼らは話していたのだった。百介は将来の戯作の材料にこの話を使うかもしれない。

    ・白蔵主
     小豆洗いと同じメンバーが、極悪非道の盗賊を懲らしめる話。白蔵主というのは狐が法師に化けることをいうらしい。だが本来の目的であった、盗賊の女にされていた女性の救出には失敗し、女性は非業の死をとげる。

     巷説百物語シリーズは書き継がれて、アニメやテレビドラマにもなったみたい。コミカライズは森野氏によるものはこれ一冊のようだが、別の漫画家さんによってもう少し描かれている様子。


     森野氏はその後も妖怪漫画を描いているみたい。
    森野氏HP。
    http://www.gainax.co.jp/hills/morino/

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