映画「イベント・ホライゾン」(ネタバレ)
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映画「イベント・ホライゾン」(ネタバレ)

2018-11-29 19:00
    ・GYAOで無料配信中(12月5日まで)

    ・これは以前映画館でみたことがあるんだけど、よく覚えていない。GYAOで無料配信だったのでおさらい。
     上の映画紹介だけ見ると宇宙科学SF映画みたいだけど、どっちかというとホラーみたいな。あまり後味のいい作品とは言えない。

     2047年。極秘任務を帯びて地球から発進し、海王星を越えたところで消息を絶った宇宙船「イベント・ホライゾン」号が7年ぶりに発見される。宇宙船からの信号がキャッチされ、人間の声のようなものが含まれていた。
     これを調査・回収し、生存者がいれば救助するためにレスキュー船・ルイス&クラーク号が派遣される。乗組員は以下の通り。
    スターク中尉   ・・・金髪の女性。副長。
    ピーターズ    ・・・黒髪の女性で医療隊員。小学生くらいの子供がいる。
    ジャスティン   ・・・若い男性。機関士。
    クーパー     ・・・ファンキーな黒人男性。救助隊員。
    スミス      ・・・男性操縦士。ヘビースモーカー。
    DJ       ・・・男性。医師。
    ミラー      ・・・黒人男性。船長。
     そして客が一人。
    ドクター・ウェアー・・・イベント・ホライゾン号設計者。愛妻家。

     イベント・ホライゾン号が発見されたのは海王星近傍。行くにはちょっと遠いので冷凍睡眠じゃないけど液体を浸した重力槽というのに入って眠って行く。これはメインエンジン始動中の重力30Gに人間が耐えられないため。56日で海王星到着。
     博士はイベント・ホライゾン号の設計者で、これに搭載された重力波を利用して空間を曲げ、擬似的な超光速飛行を可能としたグラビティ・ドライブ理論を実用化した人物でもあった。ひと言で言えばワープエンジンですね。

     レスキューチームは団結力の高い優秀なチームだが、それだけに通常よそ者は乗せない。さらに今回はイベント・ホライゾン号の発見が急だったため、予定されていた休暇を返上しての任務。ピーターズなどは子供と過ごす予定だったクリスマス休暇をキャンセルして乗船している。ミラー船長は我々は呼ばれれば何時でも何処へでも行くのだ、と言いつつも博士に対し不満を隠さない。

     さっそくイベント・ホライゾン号にミラー、ピーターズ、ジャスティンの3名が乗り移って調査開始。事前のスキャンでは生命反応が確認できたものの位置が特定できず、船全体に生命が均一に存在しているような測定結果になってしまう。ホライゾン号は前方の操縦室や居住区と後方の機関室を長い連絡通路で連結したような構造になっており、連結部は中央あたりにある。ミラーとピーターズは前部へ、機関士のジャスティンは後部機関室へ。調査の様子はルイス&クラーク号のコクピットにも映像で送られてスターク、DJ、スミスもこれを見ている。レスキュー担当のクーパーは万一に備え宇宙服姿で出入り口付近に待機。船内の重力は停止していて様々なものが凍結して浮遊している。ミラーとピーターズは操縦室で乗組員の遺体を発見。凍結して空中を浮遊しており、眼球が無い。減圧で破裂したものと思われたが、全身がズタズタに傷付いており何か動物にやられたようにも見える。
     この間、幻のようなものを各自が目撃する。博士は妻を、ピーターズは息子を、ミラーは助けられなかった部下を。

      一方機関室のジャスティンだが、ここで強力な生命反応を確認。機関室の中心には球を直径の異なる二つのリングで囲んだという感じの物体があり、球もリングも任意の方向に回転している。博士によればこれが重力ワープエンジンのコアだという(上の写真のやつ)。
     二つのリングが垂直方向に揃った時、中央の球の部分が固体から液体に変化したように見える。水面が垂直に立っている感じ。生命反応はこの液体から来るらしい。いぶかしく思ったジャスティンが液体表面をなでると、彼は液体内に引き込まれてしまう。この時コアが発光し、重力波らしきものが大量に発生。その余波がルイス&クラーク号にまで影響を与え、船体に巨大な亀裂を作ってしまう。応急処置は不可能ということで、一度ホライゾン号の中に避難して修理手順を検討することになる。ピーターズが航海日誌のディスクを回収。ホライゾン号のクルーの最後の様子が記録されているがノイズで見えない。ノイズを除去してもう一度中身を確認することにする。
     クーパーが連絡を絶ったジャスティンの救出に向かい、液体内から跳ね返るように出てきた彼を救出するが意識が戻らない。ルイス&クラーク号から必要な資材を運び、一息ついたものの酸素は20時間しか持たない。その間にルイス&クラーク号をどう修理するか考えねばならない。重力を入れたために浮遊していた乗組員の遺体は床に落下し、血飛沫を上げて砕け散る。スタークは自分の考えをミラーに訴える。生命反応が機器の故障でないのであればホライゾン号が生きているとしか思えない。幻覚は船が自分を守るために見せているのではないかと。ミラーは今は生き残ることを考えよう、と取り合わない。ミラーは博士にホライゾン号の目的地はどこだったんだ、消息を絶っていた7年間はどこにいたんだ、と問いかけるが博士ははっきり答えない。
     ミラーとクーパーがルイス&クラーク号の亀裂の溶接をはじめる。ジャスティンがピーターズが目を離したわずかの間に覚醒し、闇が来る、みたいなことを口走って自殺しようと宇宙服を着ずにエアロックに入ってしまう。スタークが内側からロックを外して救出しようとするがジャスティンは外側のドアを開けるボタンを押してしまう。ミラーが外からジャスティンを押し戻して助けるが、真空にさらされたジャスティンは両目を失う。
     ミラーは医師のDJにこれまでに誰にも話した事がない秘密を打ち明ける。昔ある事故で1人の部下が炎に包まれ、まだ生きている彼が助けてくれと叫ぶのにハッチを閉めたことがある。もう彼を救うことは不可能で他の部下たちを助けるためで、必要なことだったがミラーにはトラウマになっている。だからこそ二度と同じミスをしないように自分を律してきた。だがこの船に来てからその時の光景を幻覚で見たり、部下の声が幻聴で聞こえるようになった。船は俺の心の中を知っているのだと。
     DJは以前ホライゾン号が発見された時にとらえた通信の翻訳結果をミラーに語る。あれはラテン語で、「地獄からおのれ自身を救え」という意味だったのではないかと。
     航海日誌のノイズが除去される。ここの映像をどう解釈すればいいのかわからないけど、お互いに噛み付きあったり目を繰り抜きあったり自分の口の中に腕を深く差し込んだりしている乗組員たちが映ってるんだと思う(カメラが激しく動いてよくわからない)。生存者がいないことがこれで確定したんだと思う。
     クーパーとスミスからあと20分でルイス&クラーク号の修理が終わりそうだと連絡が入り、ミラーは撤収を指示する。だが博士はホライゾン号が私の家だ、と撤収にイヤイヤする。ミラーは相手にしてられない、と部下に次々と指示を出していく。だが撤収作業中にピーターズは息子の姿を見てしまう。幻だとわかっているはずなのに思わず追ってしまい、彼女はダクト内に入った息子の影を追っているうちに転落死してしまう。

     彼女の遺体を発見したのは博士だったが、博士もその場で幻覚を見る。妻と暮らしている自宅の映像だが、博士はやめろ、やめろ、と妻の幻に叫んでいる。博士が妻を愛しているであろう描写と、妻の幻覚を見るシーンは冒頭から繰り返し入るのだが、ここで妻は浴槽で手首を切って自殺したことがわかる。研究に没頭して妻の方を向かなかった自分が悪かったみたいな侘びを言い続ける博士だが、やはり妻は死んでしまう。崩れ落ちる博士。だが死んだはずの妻が再び現われて寂しかったけどこれからは一緒にいましょう、素敵なものを見せてあげる、と博士の目を潰す。これは幻を見た博士が自分で自分の目を潰している。
     クーパーが修理完了!と叫んでいるところでスミスがいつの間にかルイス&クラーク号に戻っていた博士がホライゾン号に向うのを発見する(宇宙服を着ないで連絡通路を歩いていく後姿を見る)。おかしいな、と思ってミラーに連絡すると、ミラーはホライゾン号に設置されていた緊急用の爆薬が外されているのを発見する。ホライゾン号から撤収することに反対していた博士がルイス&クラーク号に爆薬を仕掛けたのだ、と直感したミラーはスミスに逃げろ、と伝える。スミスは爆薬を発見して停止スイッチを押すがカウントは止まらず(停止スイッチが起爆スイッチになっていたようにも見える)ルイス&クラーク号は爆発。スミスは死亡し、外で宇宙服を着て工具を片付けていたクーパーも吹き飛ばされる。博士は医務室のDJも襲って殺害する。
     ミラーは博士を追い、途中で何で倒れていたのかよくわからないけど倒れていたスタークを救出する。二人は操縦室で博士と対決。博士は目が潰れたまま動き回っており、すでに人間ではない。博士はホライゾン号は別の次元に行って帰ってきたのだ、とミラーとスタークに語る。そこは邪悪な世界で、ホライゾン号はそこで命を授かった。みたいなわかったようなわからないようなことを語る。そしてこれからまたその次元の向こうへ帰るのだと。姿は博士だが既に心は違うものになっている様子。ミラーと博士は釘かボルトを打ち出す工具みたいので打ち合いとなり、博士が打った釘だか何かが窓を破り空気が抜ける。ミラーはなんとかスタークと共に部屋の外に出てハッチを閉めるが、博士は宇宙に吸い出されてゆく。
     
     その直後にエアロックに誰かが外から入った警報が鳴り、ミラーとスタークは博士が戻ってきたと思って迎え撃とうとするが、戻ってきたのはクーパーだった。宇宙服のガスを噴射させて戻ってきたのだ。ホライゾン号は博士がセットしたコースで、「次元の向こう側」に向って航行している。誰も重力エンジンの止め方を知らない。
     ミラーは中央通路部分を爆破して、前方居住区と後方機関部を切り離せば、別の次元に行くのは機関部だけで居住区は助かる、と爆破に向う。これはもともとこの船はそのように前部を救命艇として使用できるようになっていて、そのための緊急用爆薬の一つがルイス&クラーク号爆破のために使われたのだった。
     クーパーとスタークは救助信号をセットし、重力槽の準備をする。自殺を図ったジャスティンは既に槽の一つに入れられている模様。すると船の天井から血が滴り落ちてきたり、何だかわからないけど液体を貯めたタンクの中が一瞬で真っ赤な血に変わってタンクが割れたりして二人は血まみれになる。
     爆破装置をセットしたミラーはリモコンを持って戻ろうとするが、突然炎に包まれた男が通路に出現して火を吐いて襲って来る。ミラーの昔の部下の幻がまた現われたのだが炎は実際に熱さを持っているみたい。ミラーは男に追われて居住区と反対側、機関室に追い込まれリモコンも落としてしまう。
     ここでミラーがお前は俺の部下じゃない、と言うと炎は消え、博士の姿に変わる。博士は顔や体に凄惨な切り傷を負った姿である。博士の眼は復活している。博士は船が私を呼び戻したと言い、この船が来たところに一緒に戻るのだ、とミラーに告げる。
     お前が言ってるのは地獄の事だろ、とミラーが指摘すると博士は否定しない。その代わり向こう側の映像をミラーの心に送り込んで来る。そこでは既に死んだクルーも、まだ生きているクルーも地獄の責め苦を受けている。
     博士とミラーは殴り合いをするが、博士の方が痛みもダメージも感じないらしく優勢である。ミラーは俺は行ってもいいが、部下はダメだ、と先ほど落としたリモコンを素早く拾ってスイッチを押す。中央通路を爆破されたホライゾン号の前部は押し出されるように地球へ向かい、残った機関部は海王星の雲の中に落下していく。

     72日後、救助艇がホライゾン号(の前部)に接舷。生存者3名を報告。スターク、クーパー、ジャスティン。最初に重力槽から出されたスタークが救助隊員の顔を見ると、博士だった。
     という夢を見て錯乱したらしいスタークを本物の救助隊員が介抱しているところで映画は終わるが、ここは果たしてまともな世界に戻って来れたのか、それとも地獄に来てしまったのかはわからないまま。観客の判断にゆだねられる。

     宇宙船の造形や船内のセットなどはけっこう魅力的で途中の雰囲気もいいと思うけど、傑作になりそこなった作品かな、という感じ。思い切り単純化して言えばブラックホールの向こうは地獄だった、みたいな。地獄のシーンは一瞬しか映らなくて映画館で見た時はよくわからなかったんだけど、止めて確認すると結構エグイ絵になっている。
     ディズニーが作った「ブラックホール」もオチがそんな感じだったけど、イベント・ホライゾンの向こう側を描くのは人間には難しい。ブラックホール映画で傑作を作ろうと思ったらあっち側を描いちゃダメなんだろうな。「インターステラー」みたいにこっち側だけ描くと傑作っぽくなるけど。
     キリスト教圏の人は違った評価をするかもだけど。

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