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・独特の特徴のある絵柄で、和風~という感じの作品。著者が個人誌として発表したものが半分、商業誌に発表したものが半分くらい入っている。
・加持祈祷うけたまわり〼
主人公(表紙手前の人物)は高校生の高校2年生。父親が早く死んだため、神社を相続して神主でもある。一方裏家業として陰陽師も営んでおり、よそに断わられたり効果がなかったりしたワケありの客が依頼にやってくる。神社の敷地内には女性が子供二人と住み込んでおり、依頼の取次ぎや雑用などはこの人がしてくれる様子。住み込みの家政婦さんみたいでもあるがどういう関係なのかはよくわからない。
霊感も霊力も強いためいろいろあって友人ができず、わざと自宅から遠くの中学・高校に通う。目立つことを極力避けて、なんとか平穏な生活を送っているのだが、彼の霊力に気付いちゃった同級生(表紙奥の人物)がいて、彼が主人公の心霊写真を撮って週刊誌に売り込もうとカメラ小僧をはじめたので平穏が乱されはじめた今日この頃。
このカメラ小僧は中途半端に霊感があって、そのため怖がりに育っているのだけど好奇心は旺盛で、主人公には何か特別なものを感じていて付きまとっている様子。
こういうポジションのキャラクターにしては珍しく写真機好きのかわいい彼女がいる。
主人公の方にはそういう存在はいない様子。
学校には古文教師で民俗学者の先生(表紙真ん中の人物)がいて、この人とはウマが合う様子。
というような設定で、正編が3話、番外編が4話入っている。正編はちょっと何がどうなったかわかりにくいところもあって印象が淡いんだけど、3話のピアノの話はしっかりまとまっていて良かったと思う。著者は4月からはじまって月に1本、全部で12本の作品を描こうと構想したらしいけど3話描くのに7年かかって棚上げ状態の様子。番外編の方はページが少なくピンポイントな話になっていてわかりやすい。この形式で描き進んでも面白い気がする。
雰囲気は好きな作品なので初期構想通り12話描き上げてほしい気がする。
・第1話 桜(はな)のみてぐら
登場人物紹介編みたいな。民俗学的にも貴重な場所に大規模マンションの開発がはじまり、古文教師で民俗学者の先生は業者に抗議するが業者は取り合わない。だが業者は何かに取り付かれ、主人公にお祓いを頼んで来る。
・第2話 陰と陽
女性タレントが失踪し、主人公に行方を捜すよう依頼がある。同じ時期に同じ名前を持つ若い女性が何人か行方不明になっている。主人公は青木が原樹海に怪しい気を感じ、たまたま高校行事のゴールデン旅行があって主人公たちは青木が原に向う。
・第3話 雨だれ
主人公の学校に、誰もいないのに曲が奏でられるピアノがある。曲はショパンの「雨だれ」である。主人公とカメラ小僧は一緒にこの謎に挑むが、生霊がからんでいることがわかる。問題のピアノはある女流ピアニストが戦時のどさくさで失ったものだった。
上記本編3つに挟まるように番外編が4つ入る。2ページから4ページ程度。
・青桐はカメラが嫌い
青桐というのは主人公の名字。霊感が強いので、子供の頃から彼が写真を撮ると心霊写真になってしまい、周囲の子から怖がられた過去がある。なので今は絶対カメラに触らないという話。カワイイ子がシャッター押してください、と言ってきてもカメラはわかりませんと断固拒否。写ルンですであっても。
・宮司にX’MASは無い
主人公は家業が家業なので未だにクリスマスケーキを食べたことがない。お祓いの依頼があるとわざとクリスマスイブに呼んだりする。
・副島涼介の午後
副島は主人公に付きまとうカメラ小僧。彼女とのカメラ談義。
・青桐志貴の余暇
主人公の趣味、苔盆栽について。作者の趣味なんだろうか。
以上で表題作は終わり。全て同人誌に発表した作品とのこと。ここまでで全体の7割弱。残りは別の短編だが改めて。
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