「サキ傑作集(サキ著)」
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「サキ傑作集(サキ著)」

2019-01-30 19:00




    ・短編小説の名手として名高いサキはペンネームらしくイギリスの人。だが生まれたのはビルマで母親をはやく亡くして本国の伯母に預けられ、長じてビルマ警察で勤務したりした後に小説を書くようになって第一次世界大戦に出征して戦死したと解説に書いてある。

     起承転結がきちんとあって、「意外な結末」で終わる作風に定評があるとのこと。ちょっと怪奇小説っぽい、SFっぽい題材も多いらしい。たしかサンリオSF文庫にもサキの短編集があった。

     この傑作集はサキの作品の中から厳選したものらしい。21編が収められているけど短いので本自体は薄い。

    ・アン夫人の沈黙 The reticence of Lady Anne
     夫婦喧嘩後、和解の糸口を探る夫に沈黙を続ける妻。どうすればまた口をきいてくれるか。
    星新一さんの「ゆきとどいた生活」を思わせるオチ。

    ・狼少年 Gabriel-Ernest
     ある男の地所に全裸の少年が現われる。嘘ばかりついているようなのだが実は。

    ・二十日鼠 The Mouse
     列車個室で女性と二人きりになった男。服の中に鼠が入ったようで脱ぎたくなるが。

    ・トバモリー Tobemory
     ある貴族の館で、動物に言葉を教えるという男。飼い猫トバモリーが喋り出すと・・・

    ・刺青奇譚 The Background
     名人に刺青を彫らせ料金を踏み倒した男。相手は芸術品として刺青を市に寄贈する。

    ・スレドニ・ヴァシュター Sredni Vashtar
     病弱な子供が従姉に内緒で大イタチを飼う。スレドニ・ヴァシュターと名付けあがめる。

    ・イースターの卵 The Easter Egg
     ある大公の歓迎会に、天使に扮した子供からイースターの卵を渡そうということになる。

    ・グロウビー・リングトンの変貌 The Remoulding of Groby Lington
     鸚鵡を飼っているグロウビーという男。軍人の兄が連れてきた猿が鸚鵡を殺してしまう。

    ・開いた窓 The Open Window
     神経衰弱で田舎暮らしをはじめた男。姉の紹介でご近所を訪ねる。15歳の娘が応対する。
     サキの代表作というとこれらしい。波津彬子さんのコミカライズで読んだことがある。
     短編小説のお手本みたいに言われているらしい。15歳の娘(ヴェラ嬢)が影の主役。

    波津彬子さんの描くヴェラ嬢。


    ・宝船 The Treasure-Ship
     沈没船の財宝を得ようと公爵夫人が雇った男が引き上げたのはモーターボートだった。

    ・蜘蛛の巣 The Cobweb
     農場に嫁入りした新妻は、使用人の老婆から台所の支配権を譲ってもらえない。そして。

    ・宵闇 Dusk
     公園のベンチで隣り合った若い男が、うさんくさい話で金を無心する。当然断わるのだが。

    ・話上手 The Story-Teller
     伯母に話をせがんではなんでなんでとうるさい子供。居合せた男がある話をすると静かに。

    ・物置部屋 The Lumber-Room 
     躾の厳しい伯母にいつも怒られている子供。伯母の窮地にここぞとばかり仕返しをする。

    ・毛皮 Fur
     友人の女同士。一方が金持ちの親戚に誕生日何をねだろうかともう一方に相談するが。

    ・おせっかいと仕合せな猫 The Philanthropist and the Happy Cat
     自分の仕合せを確認したく、他人に施しをしようとする女性と彼女の猫の話。

    ・クリスピナ・アムバリーの失踪 The Disappearance of Crispina Umberleigh
     ある男性の伯母が失踪。監禁しているので返してほしくなければ身代金をと言ってくる。

    ・セルノグラツの狼 The Wolves of Cernograts
     ある家系の者が死ぬと狼が吠えると伝説の地方。嫁に来た女性は否定するが家庭教師が。

    ・人形の一生 Morlvera
     店頭に置かれた人形の不幸を想像して憂さを晴らす姉弟。ある日人形が売れてしまう。

    ・ショック療法 Shock Tactics
     手紙を開封してしまう母親のため恋人とも連絡できない青年。彼の友人がそれを聞いて。

    ・七つのクリーム壷 The seven Cream Jugs
     盗癖のある親類が泊まりに来る。壷が無くなる。彼の荷物に壷がある。取り戻すが実は。

     以上。厳しくて口うるさい伯母さんがヒドイ目にあう話が多い気がするが、モデルがいるらしい。ちょっと考えないとわからないのもあるけど、なるほどと思うオチが大部分で確かに名手だと思う。英語教材にもちょうどよさそうだけど、こういうのを勉強として読むととたんにつまらなくなったりするかも。

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