「妖怪人間ベムリターンズ(津島直人作画)①~③」
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「妖怪人間ベムリターンズ(津島直人作画)①~③」

2019-02-10 19:00



    ※ニコニコ市場には4巻までしかなくて4巻は画像なしだけど、アマゾンに行くと5巻まで画像があります。

    ・妖怪人間ベムがテレビアニメとして「BEM」というタイトルでリメイクと聞いて、そういえば漫画のリメイク版を買った覚えがあったなと押入れから発掘。ちゃんと読んでなかったのでこの機会に。
     平成4年(1992)から月刊少年ガンガンという雑誌に連載されたようで、コミックスは1994年から1995年にかけて全5冊が相次いで発行された様子。

     第一巻には脚本・剣名舞、作画・津島直人とあるけど途中で剣名さんの肩書は設定協力になって、鈴木俊介という人が脚本として加わっている。鈴木氏は4巻から参加のようで、テコ入れだったのかガラッとそこで作品世界が変わっている。原典や原作者の足立明氏、テレビアニメに関する言及などは無い。ちゃんと許可もらってるのか、と疑惑を感じるが、当時ベムの再アニメ化企画があったのがいろいろあって漫画版だけ生き残ったものらしい。

     舞台は近未来になっていて、20XX年という設定。TOKYO・MEGALO POLCEから話ははじまる。
     世界は遺伝子工学が暴走したディストピアみたいになっていて、獣と人間の遺伝子を混ぜたキメラ(獣人)と呼ばれる存在が特別移住区域(スペシャルコミュニティ)に隔離されて暮らしている。彼らは自然に生まれたのか人工的に生まれたのかはっきり書いてないけど、20世紀末から増え始めて最初は人間のペットみたいに扱われていたけど次第に隔離されて収容所で暮らすようになったらしい。
     獣人の知能は人間と変わらないようで、体力は人間よりちょっと上っぽい描写もある。全員なのかわからないけど超能力を持つ個体もいる様子。

     ベムたち妖怪人間は獣人とは異なり、軍用兵器として作られた新人類。地中海にあるペリメリ共和国の秘密研究所でゼウス博士によって作られたが、スポンサーである軍のヘルメス将軍は彼らを使った最強の軍隊を作ろうとしていたよくある設定。ゼウス博士はそんなことに使ってほしくないと反逆するが、そこに敵国の核爆弾が落ちて博士も将軍も死亡。
     培養容器にヒビが入った新人類たちもこのままだと全滅というところだったが、天から謎の声が響いてお前たちは希望だ、世界の悪や災いを取り除け、と指令を与えて送り出す。

     妖怪人間が軍用兵器だったというのは最初のテレビアニメ放送時に「ぼくら」に連載していたバージョンでもそうだったはず。

     ベムはドラゴンボールにこんな顔のキャラいたな、という風貌。ベラはちょっとだけオリジナルより若いかな、という印象。ベロもドラゴンボールの小さかったころの悟空みたいな衣装を着ている。テレビアニメ同様妖怪バージョンに変身するほか、ベムは念動力、ベラは瞬間移動、ベロは読心の超能力を持っている設定。三人はお互いにテレパシーで会話することもでき、身体を切断されても再生できる。

     獣人たちは差別されるので当然人間を倒して獣人の社会を、みたいになっていて地下組織みたいのもある。そして獣人でも妖怪人間でもない、妖獣というものも存在している。
     妖獣というのが獣人を駆り立てて人間を襲わせたり、人間に取り付いて他の人間を襲わせたりしているこの作品での悪役で、ベムたち妖怪人間も旅をしながらの妖獣退治が任務みたい。獣人というものがいる世界ということでベムたちも通常そう思われて、尖った耳などは怪しまれない。ベムは謎の声の加護でか、世界で数名しか持たないというゴールドカードを保持していて、本来入れない高級店などにも入ることができる。ベロがゴールドカードを使うシーンもあるけど、ベムに借りたのか三人とも持っているのかはちょっとわからない。ベラがカードを使うシーンは無かったと思う。

     各エピソードを簡単に。
    1巻
    ・第1話 妖怪人間誕生
    ・第2話 妖獣アドニス
    ・第3話 アドニス解放

     三話でひとつながりのエピソード。人間の子供が誘拐され、首無し死体として発見されるという連続誘拐殺人事件が発生する。
     獣人の少年・ルカが国家警察に追われている。足を撃ち抜かれて捕まり、殺されそうになるが彼は食料を盗んだ罪。それで殺すなんて、と居あわせたベロはルカを助け、なしくずし的にベラ、ベムも参戦。大勢の人間の前で平気で変身しちゃう。ベラは顔に傷がつくと別人のように性格が豹変して怒る模様。獣人たちのコロニーにゲストとして迎えられ、透視能力を持つ猫娘ミーナ、カリスマ性のあるリーダーの狼男美少年アドニス、前のリーダーの属性不明のカリストなどを紹介されるがアドニスは実は獣人ではなく妖獣で、彼は一日一人分の子供の脳下垂体を食べないと生きてゆけない身体だった。
     つまり連続誘拐殺人事件の犯人はアドニスだった。
     アドニスは元は人間だったが交通事故で死にかけて、遺伝子工学の研究者だったらしい母親が自分の命と引き換えに生み出した存在だったらしい。なので彼は母親のためにもどんなことをしても生き延びなければならなかった。ベムたちに敗れ、ようやく楽になれる、と解放されたようにアドニスは死んでゆく。妖怪人間を恨むな、とルカやミーナに言い残して。

    ・第4話 ユイとジュラ
     中学生くらい?の人間の女の子、ユイとジュラは親友同士だったがジュラは交通事故で顔半分に火傷を負い、それを苦に自殺する。ジュラにはリョウというボーイフレンドがいたのだが彼女の死後、そのリョウからユイは交際を申し込まれ、迷った末にこれを受ける。
     すると夢の中にジュラが現われ、ユイの顔には火傷のような痣が浮かび上がるようになる。ユイとふとしたことで知り合ったベロは彼女を助けてやりたいとベム、ベラに相談する。
     これは妖獣ジュラスがジュラの魂にとりついたためだった。ベムたちはジュラスを倒してジュラの魂を成仏させることに成功するが、戦いの際に変身した姿を見られたベロはユイから化け物よばわりされて落ち込む。

    2巻
    ・第5話 時の呪縛の少女
     山の中で道に迷ったベムたちは、同じように迷っていた人間の子・ダムドと出会う。彼によればこの森は夜になると外に出れなくなるのだという。朝までの辛抱だ、そうしたら俺が道案内してやるろいうので一緒に野宿するが、突然目の前に今までは存在しなかった洋館が現われる。野宿よりましだろうと中に入ると、大量の人骨。ダムドによれば森で姿を消した人間も過去に大勢いたらしい。
     そして食堂には少女の幽霊がいるが、一緒に食事をしましょうと言うだけでベムの読心でも悪意は感じない。
     ローザと名乗る少女はベロを気に入った様子で、楽しく歓談している。その間にベラはテレポーテーションで館の中を調べ、ローザの白骨と彼女の日記を見つける。50年前のもの。そこには両親が外出したこと、帰るまで留守番すること、危ないから一人で外に出ちゃいけないよ、といいつけられてそれを忠実に守って彼女が餓死したことが書かれている。おそらく両親は出先で死んだのだろう。彼女は一人で死んだ寂しさをまぎらわすために時々客を招き、両親の言いつけ通り外には誰も出さない、と客を餓死させていたのだった。
     彼女の行動は柱時計の時報に従って食事、風呂、就寝みたいに決まっており、彼女と時計が互いを呪縛したようになって同じ行動を繰り返している。描写は無いけどベロとローザは一緒にお風呂に入ったはず。ベムはローザにお前の両親はもう帰ってこない、今呪縛から解き放つから成仏するがよい、と時計を破壊する。
     すると両親の霊が現われて、彼女を冥界に連れて行く。呪縛が強すぎてこれまでそうすることができなかったらしく、両親は娘を解き放ってくださってありがとうございます、と礼を言う。ローザはベムにおじさんの嘘つき、ちゃんとパパもママも帰ってきたじゃない、と笑顔を向けて消えてゆく。

     ここまでちょっと馬鹿にして読んできたんだけど、これはいい話だった。館に招かれて餓死させられた人はたまったもんじゃないけど。

    ・第6話 つぎはぎだらけの肉体
     高層ビル屋上の競技場みたいなところで200年近く生きているという大富豪・ゲル・ビーツによってビューティフル・ヒューマン・コンテストなるものが開催される。観客の中にベムたちもおり、ベロはここでラミエという少女と知り合う。彼女は幼い弟と二人暮らしで、コンテストに入賞すればビーツのもとで高給で働ける、弟をいい学校に行かせてやりたいので出場するのだという。突然これにベラも出場すると言いだす。
     結果としてムキムキの男性とラミエとベラが選ばれて、ビーツの屋敷に招かれる。ラミエは弟を学校に送り出し、ビーツの所有する飛行船に乗り込む。美人秘書が押す車椅子に乗り覆面をしたビーツに豪華な食事をふるまわれる三人だが、三人が選ばれたのは彼に若い肉体を提供するのが目的だ、と聞かされる。男性の肉体、ラミエの顔、ベラの髪の毛が彼の要求に合ったらしい。ビーツの長寿は20年に一度こうやって新たな肉体を得てきたからで、ビーツは妖獣だった。車椅子から触手のようなものが伸びて男性は首を落とされ、身体を前面から縦に切り裂かれてしまう。ベラは反撃するが触手の方が速く顔を斜めに切り飛ばされる。ここでベムとベロが救出に入り、ベムはステッキでビーツの身体を貫くがこれは人形で、本物のビーツは車椅子を押していた美人秘書の方だった。ビーツを倒したと思って倒れたベラに駆け寄ったベムは背中を切り裂かれ重傷。ベロ一人ではラミエを守りきれず、彼女も触手のために全身をバラバラにされてしまう。
     ビーツは男性の身体を肉襦袢のように着込み、ベラの髪の毛を頭皮ごとかぶって同化させ、ラミエの首から目玉を外して顔の皮を剥ぎ取るとこれを自分の顔に取り付ける。ベロ一人では全然相手にならず殺されそうになるが、再生したベムがこれを助ける。だが重傷を負ったベムとベロでもビーツにはかなわず、二人は飛行船から突き落とされる。
     ここでビーツの髪の毛が動き出し、全身を切断する。もちろんベラがやったわけで。飛行船は爆発するがベムの念動力で三人とも助かる。三人はラミエの亡骸を埋葬し、彼女を助けられなかった我々の負けだ、と立ち去って行く。

     心やさしい美人ゲストが惨殺された上に死体にもひどいことをされる、人によってはトラウマ回。ラミエも弟も気の毒。男性はあまり気の毒に感じないのは何故だろう。この人も悪い人じゃないんだけど。

    ・第7話 ハンティングの報酬
     獣人の村が金持ちの馬鹿息子たちに襲撃される。ハンティングごっこだが、金持ちだから銃や暗視ゴーグルなど重装備で獣人には全く勝ち目がない。女子供まで容赦なく殺戮される。
     馬鹿息子たちは馬鹿笑いしてご満悦。リーダー格の馬鹿息子の親は代議士で、息子にこれを聞くとなんということをしたんだ、と証拠隠滅のために村ごと土をかけて埋めてしまう。
     だが一人だけ生き残った子供がいて、ベロたちに助けられる。子供の記憶は混乱していて言葉も話せない状態だが、ベロが心を読んで何があったかを知る。三人は村を訪れるがそこには村の痕跡はなく、全て土の下に埋まってしまっている。
     ベムはゴールドカードを使い獣人に声をかけて村を再建する。すると怪しんだ馬鹿息子や代議士がこれを確認に来る。生き残った子供が馬鹿息子リーダーの顔を見て怯え、お前がやったんだな、と指摘するベロを馬鹿息子は撃つ。これが犯行を自供したのも同じこととなり、ベムたちに叩きのめされた人間たちは、獣人の中に残される。獣人たちの手には武器がある。

    ・第8話 妖刀羅刹
     子供の姿をした辻斬りが現われる。親子連ればかりが襲われる。ベロは悲しみの気を発している少年を見つけ、気になって後をつける。彼が剣道場の跡取りで、両親を辻斬りのために失っていることを知る。ベムは日本刀を使った今回の事件には妖刀・羅刹がからんでいるのかもしれない、と口にすると、ベロはその少年の家にその羅刹という刀があった、と告げる。
    少年の家に向うと既に少年は羅刹に取り付かれているが、まだ自我を残している。
     ベロは羅刹の体内に侵入して少年の自我を守り、その間にベムとベラが外から攻撃して羅刹を倒す。
     少年は剣の道を行き、両親の道場を復興させるつもりの様子。ベロの変身後の姿を見ても恐れず嫌わないで、きちんとバイバイして別れる。

    3巻
    ・第3巻 親友ファルマー
     ベロは持っていた食料をかっぱらわれたことから、ファルマーという人間の浮浪児と知り合う。彼は街の片隅の吹き溜まりのような地区で暮らす孤児や家を追い出されて行き場のない子供たちの親代わりみたいになっていて、そのために盗みをしている。だが街の人々からは目障りに思われていて、追い出しに来た商店街の人たちと乱闘になり銃で撃たれてしまう。
     ベロは重傷のファルマーを医者に連れて行くがゴールドカードを見せてもあの地区の浮浪児はだめだ、と取り合ってもらえない。だが院長がいいだろう、と治療を引き受けてくれる。
     喜ぶベロだが裏があって、開発中の新薬の実験台になる人間を探していたところで浮浪児なら万一のことかあってもあとくされなくていいだろうみたいな。
     発砲騒ぎの結果、ファルマー以外の浮浪児たちは保護されて施設に送られる。一人ぼっちになったファルマーを、ベロは自分たちと一緒に旅をしないかと誘う。ベラは反対するがベムは許す。ファルマーを迎えに行くベロだが、その間に薬の副作用が出て自分の感情や力を押さえられなくなったファルマーは医師や院長を惨殺して暴走をはじめる。
     ベロは俺を殺してくれ。親友なら。というファルマーの願い通りにする。

    ・第10話 霧の凶弾
     麻薬を取り締まる刑事がいる(麻薬取締官ではないみたい)。彼には娘がいるが、麻薬中毒者に殺されてしまう。このことがさらに刑事に麻薬を憎ませ、麻薬王の船に潜入して証拠をつかんだところで彼らに見つかり、殺されてコンクリート詰めにされて海に沈められてしまう。
     ベロは海で溺れていた女の子を助ける。名前はポーラ。父親のゴダードはお礼にベロたちを彼の持ち船の豪華客船に招いて歓待する。このゴダードが実は麻薬王。だがポーラにとってはやさしい父親である。
     船が怪しい霧に包まれて船の従業員や乗客が次々と殺されてゆく。ベムはこの霧が人間の怨念でできていると悟りその発生源を探ると刑事の死体がある。刑事の手帳からゴダードが麻薬王であり、刑事がゴダードに殺されたことを知ったベムはそれでも霧と戦わざるを得ない。
     船上で刑事の姿になった霧は、ゴダードに許さんぞ麻薬王ゴダードみたいに告げて、これをポーラも聞いてしまう。だが刑事がゴダードに指鉄砲みたいのを撃つとポーラがこれをかばって被弾。倒れたポーラを今度はゴダードがかばう。この時ポーラが言った言葉は死んだ娘が刑事に言った言葉と同じ。「私がパパを守るから」。これで霧の力は弱まり、ベムは霧を倒す。
     刑事の手帳をゴダードに渡し、これからどうするかは自分で決めろ、という感じでベムたちは立ち去る。ゴダードは刑事の手帳に向って謝罪する。

    ・第11話 恨みひきずる邪鬼車
     峠で自転車に乗った少年が酔っ払い運転の車にはねられて死亡する。死ぬ前に少年は運転者の顔を憎悪の目で睨み付ける。それからその峠で事故が相次ぐようになるが、事故車両は見つかるものの被害者の身体は消えてしまうという。
     酔っ払い運転をした男が峠を通ると、死者の身体が集まってボール状になったものが現れて後を追って来る。そこにベムたち登場。ボールの正体は交通事故被害者の邪気を食らって生きる妖獣・邪鬼車だった。邪鬼車の身体は加害者に恨みを持って死んだ交通事故の被害者の肉体でできており、まだ意識もある。俺を攻撃すると彼らの痛みになるのだぞ、とデビルマンのジンメンみたいなことを言う邪鬼車だが、ベロが本体の位置を探り当て、ベラが髪の毛で内部からその本体を破壊する。自転車の少年に手を合わせる元酔っ払いの姿がある。

    ・第12話 悲しみの人形
     長い間病気で入院していた女の子が手術をできないまま息を引き取る。彼女は特殊な血液型で、十分同じ型の血が集まらなかったのだった。
     彼女が生前大切にしていた人形が付喪神状態になっており、彼女は血があれば生き返るんだと思い込んで看護婦を殺して血を集めるようになる。吸血鬼が出る病院と噂になってベムたちが調査に来る。人形は看護婦殺しを捜査にきた警察官も襲うようになるが、人形の心を読んだベロが女の子はもういないんだ、と説得し、ベムに破壊された人形の魂は女の子の魂を追ってゆく。

     3巻はこれで終わり。近未来とか獣人とかの設定は必ずしも活かされきらなかったようにも感じる。
     巻末に著者のエッセイ漫画みたいなのがあって、著者が超こわがりみたいなことが書いてある。
     4巻以降はテコ入れだったのかガラッと作品世界が変わって、世界の支配者みたいなのの配下の妖怪人間たちとのバトルものみたいになる。とりあえず今回はここまで。

     ついでに思い出したMMD動画も貼っておく。


     
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