映画「アリータ」
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映画「アリータ」

2019-02-23 19:00
    公式HP
    http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/index.html

    ・CGの内容としては昔なら超大作なんだけど、今はCGの進歩のためかあまりそう感じない。原作は日本のコミック・「銃夢(ガンム)」(木城ゆきと作)だけどあまり日本っぽくは感じなかった。もともと原作がアメコミぽいのだけど、ヒロインの性格はかなり違うような。

     空中都市ザレムはエリートと金持ちの住処で、その足元のクズ鉄町にはザレムの廃棄物で生きる貧乏人たちが群がって生きている世界。そこでザレムから落ちてきたらしい頭と胸部だけの少女サイボーグに地上の医師兼技術者が身体を与え、彼女と医師は娘と父親のような関係になっていく、みたいな話だけど原作はもっと入り乱れて複雑。二人の関係も父と娘よりも近い印象があるけど恋人でもないという微妙な距離感。映画でははっきり父と娘、という感じにはめ込んだ印象。

     ヒロイン役の女優さんは目を大きく映像処理しているんだと思うけどさほど違和感はなく、容姿も体格もコミックのイメージを損なっていないと思う。声はちょっと私のイメージとは異なったけどこれはひとりひとり違うことで仕方ない。
     
     原作はいろいろあって一度完結したラストを書きかえて続編を開始するなどちょっとバージョン違いがあったり、著者が出版社といろいろあって掲載誌や単行本発行元を移籍したりして全部揃えようとするとけっこうたいへん。他に小説版やOVA、ゲームなんかもあるみたい。

     キャラクターも大勢いるのだけど、名前はそのままだけど境遇はいろいろアレンジされて映画内に散りばめられている。原作ではちょっと世代が異なるコヨミが同世代(といってもアリータは本当は300歳以上なのだが)でヒューゴの仲間になっていたり、原作の重要人物であるジャシュガンは顔見せ程度に登場するもののその妹のシュミラは割愛されていたり。最も異なるのはヒロインのアリータ(原作ではガリィ、本名は陽子。夢の中でアリタと呼ばれたことがあった)を助け父親のような存在になるイドがバツイチで元奥さんも登場すること。この奥さんの名前はチレンでOVAオリジナルキャラが元らしい。夫婦には娘もいたことになっていて、アリータはその娘の名前だったことになっている。原作のガリィは猫の名前をつけてもらった設定だったから少し進化したというか。

     ザパンは予告では目立つけどたいした役ではない(原作でも最初のうちは小物だけど)。マカクは登場せずグリシュカとしてかなり異なる設定で登場。これもOVA由来らしい。キヌバは格闘家ではなくモーターボールの選手として登場する。ゴンズは看護士に置き換えられている。サイボーグ犬使いのマードックはコミックの印象に近いが娘は出てこない。
     原作ラスボスっぽいドクター・ノヴァは顔見せ程度に登場。ザレムから逃亡して地上に住むのではなく、ザレムにいて権力を持っている模様。

     このへんの命名などはいろいろ原作やOVAや小説などの設定も混ぜ込んで丁寧にはめ込んでいる感じ。真面目に作っているなという印象はある。

     というわけで印象は悪くないんだけど、壮大な原作のプロローグだけをやった感じ。マカクをグリシュカに変えて、その決着をモーターボールでつけて、ヒューゴとの初恋がからむ。
     第二の恋人となるフォギアやザレムを打倒しての社会変革を目指す電、電と因縁あるケイオスなどは登場しない。ザレムの住人であるビゴット局長やルゥも出て来ない。続編があれば登場するかもだが、映画でこのへんの話をどこまでできるか、かなりハードルは高そう。映画の設定改変で原作通りの続編を作るのはけっこう難しくもなっている。

     イドやノヴァ、ベクターなど、役者さんの印象も悪くない。チレン役はジェニファー・コネリーで雰囲気も悪くないけど最後がこれでいいの?という気の毒さ。サイボーグ戦士であるザパンやグリシュカ役の人は、CGにはめ込むための顔だけ出演という感じ。役者さんとしてはどうなんだろう。

     というわけで原作を知らないで映画を見る人にとってはそんなに出来は悪くないと思うんだけど、お客さんは公開直後の金曜夜で2割に足りない感じの入りだった。良くも悪くもアメリカの人向けのような気もして、日本で大ヒットするかは微妙かなという気がする。
     ダークエンジェルよりはいいのではと思うけど。あれも最初は良かったんだけど。結局全部みてないけど。

     原作独特のジャンクっぽいグチャグチャした感じや、設定の細かさ、ヒロインの過去まで遡っての壮大なストーリーを思い浮かべてそれを期待して見に行く人はちょっとあてが外れるかも。原作を知ってもらうきっかけになればそれでいいのかもだけど。

     個人的には原作は好きだったんだけど、イドが退場したところで興味を失ってしまった。それでも続編のラストオーダーはしばらく読んだんだけど、出版社変更で違う会社のを買い足す気がしなくてストップ。完結編になるらしい火星戦記は一冊も読んでない。

     とても魅力ある作品であるのは間違いないんだけど。新装版があったり完全版があったり出版社変更があったり続編が何種類もあったりで、どれをどの順番で読めばいいのかわかりにくいのもちょっとややこしい。今から読むならこのシリーズなのかな。

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