映画「ちえりとチェリー」ネタバレ
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映画「ちえりとチェリー」ネタバレ

2019-02-25 19:00
    ・ていねいに作られた真面目な人形アニメーションだけどだからこそちょっと商業作品としては地味すぎてほとんど宣伝もされておらず、完成から何年も経ってようやく全国公開にこぎつけたものの二週間限定で、上映館も少なく上映回数も1日1回か2回。

     DVDなどにしてもちょっと苦しそうで、採算とかも気になってしまう。商業作品ではなく、児童館とか図書館で上映する作品としてであればまた話は別かもしれない。
    HPを見るとDVDやシネコンに頼らず、自主上映会を中心にして活動していきたい様子ではあるけど。

     ちえりというのはヒロインの名前。HPでは小学六年生とあるがもっと幼く見える。三年生くらいの印象。

     彼女はもともと空想好きで、一度空想をはじめるとその世界の中に深く入り込んでしまう。その度に母親からは叱られていた様子。だが父親は理解してくれていて、空想の内容も聞いてくれる。彼女はお父さん子だった。
     だがその父親が若くして他界してしまう。自宅ではんてんなど着ていたことが多かったようで、病気療養が長かったのかもしれない。母親は女手ひとつで生活し、子育てもということになるがいそがしすぎて娘にかまっていられないし、空想につきあってもいられない。彼女の空想癖を嫌悪もし、心配もしているようでもある。だから空想に没頭する様子が見えると現実に引き戻そうとする。これを繰り返すうちに母と娘の距離はますます遠くなっていく。

     何回忌かわからないけど父親の法事のため、母子は車で父の生家に向う。ここには父親の母と、父親の妹がいる。主人公から見れば叔母であり、彼女は息子と娘を連れている。息子はちえりと同年齢か一つ二つ年上な感じ。娘は幼稚園か小学校一年か二年か、かなり年下の印象。
     ちえりは父の実家の玄関を見てさっそく従兄妹に挨拶もしないで空想の世界に没入してしまう。彼女はウサギのぬいぐるみを大切にしており、母親は嫌がるのだが今日もこれを抱いている。このぬいぐるみの名前がチェリーで、彼女の心の中では常に自分のことを心がけてくれる友人であり、父親の代わりに彼女の相談にのり、質問に答えてくれる存在でもある。
     ぬいぐるみの声は父親と同じ人がやっている。現実ではヒロインの腕の中に隠れる程度の大きさだが、空想の中ではちえりより背が高い庇護者でもある。
     彼女はチェリーと話しながら、父の実家の敷石を海の中の安全地帯みたいに見立てて一歩一歩進んでいくが、従兄に何やってんだお前、みたいに現実に戻される。従兄はさらにその変なぬいぐるみ貸せよ、みたいになって喧嘩となる。ちえりは従妹を突き飛ばして泣かせてしまうがあやまらない。

     従兄妹たちと喧嘩したこともあって、法事の時間が来てみんながお寺にでかける段になっても自分は行かない、と我を張り通す。こうなった娘はもうダメだと知っている母親はじゃあ留守番してなさい、とちえりを置いて出かける。

     残されたちえりは空想力を発揮して、チェリーと実家の中の探検をはじめる。そして倉庫みたいなところで空想なのか実在なのかネズミやネコ、臨月の犬などを発見して話し込む。そしてその倉庫がチェリーと初めて出会った場所だったことにも気付く。この家には父の葬儀の時に来ているのだが忘れていたのだった。回想シーンの彼女は幼稚園生くらいの感じなので、今回は父親の七回忌くらいなのかもしれない。

     ちえりは子供の頃、この家が怖かったことを思い出す。天上の節穴が化け物に見えてしまうのだ。その化け物(名前をつけていたのだが忘れてしまった)は尻尾が3本あって何とかでカントかで、空も飛べば海にも潜り狙われたら助からない、みたいにどんどんハードルを上げて一人でどんどん怖くなってしまう。当時健在だった父親がこうしたらどう?と助け舟を出しても、それをさらに否定してどんどん怖くしてしまう。

     臨月の犬は産気付き子犬が生まれるが息をしていない。これはその化け物が子犬の命を奪おうとしているから。化け物の手下のカラスと戦ったりしてなんとか子犬の命の火を守ろうとし、一度は取り戻すがが化け物本体が現われてねずみやネコや子犬の命も、チェリーもみんな一緒に屋根裏の世界へ連れ去ってしまう。この化け物は美女にも見え恐ろしくも見えてなかなかデザインが良い。
     ちえりは勇気を出して後を追い、父親に教えられた魔法の呪文を思い出し、チェリーの助力もあって化け物を無事に倒し、仲間を連れ帰る。だがランプに入れておいた子犬の命の火は消えてしまう。

     チェリーが提案する。子犬の命を取り戻す方法が一つだけある。僕の命を使えばいい。その代わり、チェリーはいなくなってしまう。もう、そういう時が来たのだと。

     チェリーの体の中には、父親のはんてんの紐が入っている。これは父親がたった一つ、ちえりに残してくれた形見のようなもの。ちえりは肌身離さず持っているソーイングセットでこれを取り出す。命の火と一緒に。

     やがて法事を終えた家族が帰ってくる。泣きべそでもかいているのでは、と思っていたちえりがちょっと大人になった感じで玄関で待っている。
     母親に意地になってごめんなさい、とあやまり、お父さんがいなくなってたいへんなのに自分をそだててくれてありがとう、これからもお母さんでいてください、と礼を言える子になっている。

     エンドロールで中学の制服?を着たちえりが、犬の親子と散歩している姿がうつる。

     という感じで特にひねりはない、良い子のための映画という感じ。こういう作品は大人が良かれと思って見せてもなかなか子供は喜んで見てくれなかったりするのだが、子供がまだ素直でかわいいうちに見せておきたいお母さん、お父さんは今のうちにどうぞ。実際に連れてゆきたいお子さんがこのブロマガをみることはまず無いと思うので、親御さん向けにネタバレとしましたがご容赦を。

     公式HP
    http://www.chieriandcherry.com/


     人形アニメはなかなか挑戦する人が少なく苦労も多いのだとも思うけど、あえて挑戦する人は応援したい気持ちもある。技術の進歩もあって昔のままのやり方では飽きられるところもあるだろうし。今回水の表現なんかはCGの助けも借りているのだと思うけど、うまく組み合わせて人形アニメならではの面白さだってまだまだ見つけていけるように思う。
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