「カブのイサキ⑤(芦奈野ひとし著)」
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「カブのイサキ⑤(芦奈野ひとし著)」

2019-03-24 19:00




    #29 飛来
     翌朝、風のような音に目覚めたイサキは、飛行場にハナグロが1機降りるのを見る。須走にはこれに乗って行くのだった。操縦するのはもちろんイサキではなく、荷物係りとして乗るのだった。カジカとイサキはハナグロに乗れる、と喜ぶが朝が弱いサヨリはまだ反応が鈍い。

    #30 ハナグロと
     頼まれた荷物は、ジュース類とシロさんに頼まれて御殿場まで持ってきた包みだった。御殿場の店長はもう中身を見たからいいのだという。
     荷物室には、シロさんから預かったのと同じような包みがたくさん積まれている。そしてハナグロを操縦するのは誰かと聞けば誰もいないという。ハナグロは自分で考えて飛ぶというのだ。3人が乗り込むと、ハナグロは気さくに気をつけてね~みたいに話しかけてくる。そしていよいよ出発である。

    #31 しゃべる者
     ハナグロには性別などないのだが、一人称は「ぼく」である。ハナグロは東京塔や、大阪にある高さ700メートルの太陽の塔など各地の目標点というものについて話してくれる。そんな話をしているうちにもう須走である。

    #32 須走
     須走は環境が厳しいため、ハナグロは屋内の格納庫のようなところに止まる。三人はジュースをフロントに持って行こうとするが、迷うから、と小さな車輪のような杖を持つように言われる。すると、杖もハナグロの声で喋りはじめる。広くて人気のない施設内に怖さも感じる三人だが、フロントにはちょこんとおばあさんがいる。あの荷物をおばさんに渡すと、何かハカリのようなものに乗せている。おばあさんが言うにはここは観測基地みたいなもので町の人というものはおらず、ふだんは観測隊員がいるだけなのだという。なので外に出るのもむずかしいらしい。イサキは富士山を見れないだろうか、と聞いてみると、おばあさんはどこかに電話をして、頂上まで貨物を運ぶケーブルカーに乗ってみる?と言う。

    #33 ケーブルカー
     三人は杖のハナグロの案内でケーブルカーの駅に向かう。あの荷物が通行手形みたいなものだと持たされている。ケーブルカーも自動運転のようで、時速100キロはあろうかという猛スピードで走る。トンネルの中なのか景色は全く見えない。ハナグロも富士山の頂上に行ったことはなく、飛行機の身体でも行かない高さなのだという。やがて終点が近づいてくる。

    #34 対岸
     シロさん。今日は定休日だと、双眼鏡と弁当を持ってふらっと出かけ、何かを双眼鏡で見ている。西の方を見ているらしい。三人がいるあたりを。

    #35 頂上駅
     ハナグロは頂上駅は高度3万メートルを越えるという。駅についてドアが開くと、外には女性が出迎えに出ている。ここは観光客は本来お迎えしていないのだがみなさんは特別です、こちらでお茶をどうぞ、と案内した先にはガラスの向こうに地平線まで果てしなく続く雲海がある。この女性はあとでネコさん、と呼ばれている。

    #36 扉
     案内した女性は、ここでケーブルカーが出るまで30分ほど自由にお過ごしくださいと言い、イサキだけこちらで書類を、と案内する。イサキは窓の外にハナグロに積んであった荷物が置かれているのを見る。案内の女性は頂上の空気にあてているのです、とだけ言う。
     イサキは例の荷物をスキャナーみたいなのに当ててピッとする。するといつの間にか彼は自分が遠くからバイクに乗って富士山を眺めているのに気付く。

    #37 カブの時間
     富士山を眺めているイサキは、バイクのカブに乗っている。借り物らしく持ち主の先輩から早く返しに来い、みたいな電話が入り、彼はカブを発進させる。明らかにこれまでの世界とは異なる、普通の富士山がある世界という感じである。
     と思うと次の瞬間、また富士山の山頂に意識が戻る。女性に今の現象について聞こうとするがやめる。女性についてカジカとサヨリのもとへ戻ると、イサキの主観では20分くらい過ぎているのにカジカは一瞬で戻ってきた、と言う。女性は何も言わない。
     一同はまたケーブルカーの駅の方にいざなわれるが、イサキは何か忘れ物をしたような気分になる。

    #38 休みのあける前
     イサキはシロさんとコーヒーを飲みながら、カジカを乗せて飛んでいるサヨリのピッツを眺めている。二人はずいぶん仲良くなったみたい。
     イサキは富士山に行ってから、自分の感覚がどこか違ってしまったような気がしている。シロさんが預けた荷物は結局誰に渡しても最終的にはイサキに返されて、シロさんのもとに戻ってきた。シロさんはそれでいいのよ、と言う。イサキはあとでゆっくり話したい事があるんだ、とシロさんに言う。

     5巻はここでおしまい。これまではそんな世界の話だな、と思ってきたけどここで違う世界にもイサキがいるような描写が出てきて、これまでと世界観が変わってきた感じ。
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