「カブのイサキ⑥(芦奈野ひとし著)」
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「カブのイサキ⑥(芦奈野ひとし著)」

2019-03-27 19:00






    #39 奥の棟
     カジカはシロさんから突然、うちのカブ、好きならあなたにあげる、と言われて戸惑う。仕事はどうするの?と聞くとふだんは立ち寄ることのない「奥の棟」に移動。そこにはピラタス・ポーターという飛行機がある。以前は町内会で使っていた機体だが、壊れて久しく利用されなくなっていたものを譲り受けて修理したのだという。これを仕事に使うのでカブはカジカに、ということらしい。

    #40 ステージ
     イサキは富士山に行ったときのバイト代でバイクの方のカブを買う。カジカは中学生かと思ってたけど小学六年生らしい。

    #41 カジカの日々
     カジカには小学校にハコちゃんという仲良しの女の子と、あっちゃんという男の子の友人がいる。あっちゃんはどうやらカジカを好きらしいが、カジカとイサキの関係が彼を悩ませている。二人はそっくりなので兄妹か親戚だと思っていたのだがそうではないらしいので。

    #42 夕飯前
     イサキは今日は目的地も荷物もなく、ただ飛ぶためだけに空に上がっている。そういうば仕事以外で飛んだのは今回で3回目。上空で夕暮れを感じながら物思う。

    #43 浪
     サヨリのピッツの後部座席に時々乗せてもらうイサキだが、カブとは全然違う感覚でまだ慣れない。サヨリはイサキにもピッツに乗れるようになってほしい。シロさんによれば二つの機体は飛ばし方の文法が全く違うとのこと。
     二人は休憩中にバイクのカブで近くの海に。浪を眺めながらサヨリはイサキに、将来は飛行機の仕事やりたいの?だったら木更津に来れば仕事あるよ。一緒にやらない?と持ちかける。
     イサキは何気なく、カジカを一人にできないからな、みたいなことを答える。

    #44 船
     イサキがカジカのところにやってくる。シロさんはいつかイサキが届け物をした飛行船に行って不在だという。仕事ではなくゲストとして招かれたらしい。飛行船の女性スタッフが4年の任期を追えて「卒業」する。その送別会らしい。彼女は以前イサキの応対をした女性である。飛行船の任務にはいろいろ謎があるらしいのだが。

    #45 海じいさん
     イサキは暑さに耐えかねて部屋を脱出。バイクのカブで海に涼みに来る。海じいさんという老人がやって来る。海の向こうには伊豆が見える。富士山は見えるの?と聞くと、「お前にはまだ行く先があんのか」と謎の言葉を残して去って行く。そう言われて、どうして他のみんあは富士山をあまり話題にしないんだろう、と思うようになる。

    #46 道端から
     イサキはシロさんに 誰も富士山を気にしない と語りかける。みんなは近所のことにしか興味ないみたいだけど自分は遠くのまだ行ったことのないところにあちこち行きたい。すると自分だけ周囲から浮いているような気分になるのだと。シロさんが何かをすると、突然周囲の景色が切り替わる。シロさんはここでの話は忘れちゃうかもしれないけど、と前置きして、この10倍の世界って、何の10倍なんだろうね?と話はじめる。

    #47 シロさんの時間
     シロさんはイサキに、あなたは途中で来ちゃったのよ、45秒あなたの時間をちょうだい。小さなカジカがあなたをここに連れてきた。カジカはあなたのお姉さんだから。45秒のあともみんなで一緒にいましょうね と謎めいたことを言い、イサキを抱きしめる。

    #48 カブとイサキ
     これまでとは違うらしい世界で、バイクのカブで走るイサキがいる。このカブを先輩にもらったばかりらしい。彼はふと放置された空き瓶を手にとって、きれいだな と持ち帰る。このビンは前の話でシロさんが持っていたものかもしれない。
     帰り道、イサキはきれいな女性を見かける。シロさんなのだがこの世界ではイサキは彼女を知らないようだ。イサキはこのカブでいろいろなところに行きたいな、まずは富士山か、なんて思っている。

     で終わり。何だかつかみどころがなくて、よくわからない話だったという印象。以前は1巻ずつポツン、ポツンと読む感じで前巻までの内容はこまかいことまで覚えておらず、変なことがあっても以前なにか説明があったんだっけ?とさほど気にしなかった。今回はじめて通しで読んで、やっぱりそんな説明とか無かったんだ、とわかった。

     ネットで見ると この10倍になった世界は死後の世界で ここにいる人たちはみんな死者。だがイサキは生きている人間が臨死状態か何かで迷い込んできたものらしい。シロさんが行った45秒後にまた会いましょう、というのは45=死後にまた会いましょう、ということなのだろう みたいに解釈している人もいた。

     なるほどな、と思うけど著者の公式見解は見つからず。思うにそんなに詳細に設定したわけではなくて、なんとなくふわっとはじめてみて、気ままにこうしたらいいかな、ああしてみよっかな、みたいに風に流されるように描いているうちにこうなった、みたいな感じかも。

     雰囲気を楽しめればそれでいいんです、というような。4巻くらいまではこの世界での日常を描いている感じだったけど、5巻で富士山に登ってからは転調したように雰囲気が変化した。著者の直感でそう描いてみた、という印象だった。でもイサキとカジカが兄妹のようによく似ている、というのは最初の頃からなのでおぼろげなイメージは最初からあったのかも。

     ヨコハマ買出し紀行とつながるのかな、とも思ってたのだけど、そういうわけではなかったみたい。
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