「あきない世傳金と銀6(高田郁著)」
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「あきない世傳金と銀6(高田郁著)」

2019-03-19 19:00




    ・江戸時代、大坂天満の呉服屋の女主人(あちらではご寮さん:ごりょんさん と呼ぶとのこと)の一代記みたいな。父と兄を病で亡くし、老舗の呉服屋に奉公人として働くようになるが、運命の変転が重なって、今は彼女がこの店を支える屋台骨となっている。
     その間三人の夫を持ったが、最初の夫は店を守る気もない放蕩者。その夫が死んでその弟の嫁となるが、今度は商売熱心だが人の心がわからぬ理屈の人で、結局取引先と衝突して出奔してしまう。さらにその弟の妻となり、こちらはおだやかな気性で娘も授かり、ようやく落ちついたと思えたのもつかの間、娘は幼くして亡くなり、夫も急死してしまう。
     というところまでが5巻までの内容。大坂には女名前禁止、という商売のルールがあり、男の跡継ぎに店を譲らねば商売が続けられない。死んだ放蕩者の最初の夫に芸者に生ませた男の子がいるとも聞くが、そういうわけにもいかず、行方不明の前の夫を探すのもどうかと思われるが特例で足掛け二年は店主を続けられる。その間に江戸に出ようと彼女は考える。以前からいくつかの手は打っており、その方向に本格的に動き出す。

     立地を考えて候補地を絞り、信頼できる奉公人二人を江戸に派遣して手頃な店舗を探すと共に下調べをさせる。呉服(絹)だけでなく太物(木綿)も扱おうと心に決める。
     いろいろな商習慣が重なって、大坂では店頭での現金売りというものはできない。こちらから屋敷をまわり、金利を乗せて年に数回まとめて支払いを受けるというやり方しかできない。
     絹を扱うなら木綿は扱えない。禁止されているわけではなくても、常識としてやれない。商売人の組合の手前もある。
     
     とにかく江戸でこれまでになかった工夫を重ねて商売を広げようとする。それは既に亡くなった先代のご寮さん、彼女を雇ってくれた恩人の夢でもあって、恩返しでもあり自分自身の夢でもある。

     この巻の最後でついに江戸に新店舗がオープン。次巻では江戸での商売が軌道に乗るかどうか、女主人でいられる間に跡継ぎを見つけられるか、という話になるのだろう。














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