「プレイ(モンキー・パンチ作)」
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「プレイ(モンキー・パンチ作)」

2019-04-17 19:00


    ・モンキー・パンチさんの訃報に接して読み直してみた。

     神内童太(じんないどうた)という若いカメラマンが、ある日ある所でへんなやつに話しかけられる。切り立った岸壁から海に飛び込むので写真をとってくれ、友人とカケをして、証拠が必要なんだ、カケに勝てば10万円が手に入って大学を卒業できる(学生にしては老けた男だが)・・・
     童太は気の毒に思って承知する。撮影ポイントは沖にある一本松の岩。そこからなら角度もいいので、と。岩に移動して男が飛び込むのを待つ。崖の上に立った男はなかなか決心がつかないのかなかなか動かない。
     十分、三十分、・・・一時間・・・三時間・・・・・・日がくれて十時間。おかしい。

     調べに行くと男と思っていたのは人形。手の込んだイタズラだったのだ。この時そばにノラ犬が一匹。

     これ以来、童太はノラ犬を見るとムラムラっとして悪質なイタズラをするようになる。
     いうことを聞かないモデルをイタズラで追い出す。
     
     銭湯に行こうと探しているとあの男が銭湯から出て来る。覚えてろ、と文句を言うといい湯だったと男。だが脱衣所で服を脱いで浴室へのドアを開けると工事中。


     ついに童太は男とイタズラ勝負のため男の屋敷へ。そこには通れないドア、座れないイス、飲めない飲みものなどがあって童太は続けざまに引っ掛かる。

     だが男に睡眠薬を飲まし、逆転の大イタズラを仕掛ける。

     あとはネタバレになっちゃうけど、この作品今探して読むのはほとんど不可能だと思うので書いてしまうと

     男が目覚めると天井に寝転んでいる。見上げるとテーブルに座った童太が男を逆に見上げている。おろせ、と男は叫ぶが童太は取り合わない。
     飛び降りてやる、と男は天井板を蹴る。すると男の身体は反転して天井と屋根を突き破り、冒頭の男が飛び込むはずだった断崖に落ちてゆく。

     童太は上下さかさまの家を造り、自分の身体や椅子、テーブルは固定して崖に据え付けていたのだった。



     この作品はウィキペディアのモンキー・パンチさん作品リストにも今のところ記載されていないみたい。COM1968年11月号に掲載。

     なんというか、モンキー・パンチさんの絵柄があって成立するアイデアで、もっとギャグよりの絵だと全然意外じゃないし、もっとリアルな絵だとそんなことできるわけないだろ、となってしまう。でもこの絵柄だと全然抵抗なく読める。

     この掲載号巻末の作者近況では兄、弟の動向をそれぞれ書いている。この頃はモンキー・パンチさんは兄弟作家、という認識が漫画ファンの間では一般的だったと思うけどけどウィキペディアではご本人が後のインタビューで否定されたことから間違い、ということになっている。でも当時の雑誌は兄弟作家として扱っていたのは嘘とは言い切れない気もする。間違いじゃなくて、当時はそうだったんだよな、と思う。


     週刊少年アクションに掲載された仕事場訪問では兄弟の共同作業と書かれている。このイラストを描いたのは読者ページを怪人やるうという名前で担当していた御厨さと美さんだと思う(当時 ルパン小僧 という作品を連載中だった)。

     手塚治虫さんの生年月日が生前ご本人が語っていたのと実は違っていた、みたいな感じで、そうしといた方が面白いんじゃない、そろそろ訂正しとくか、みたいなことだったのかもしれない。そのインタビューを読んでいないのでニュアンスがよくわからないけど。
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