「ビートレス」アニメ・原作比較 Phase1 Contact
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「ビートレス」アニメ・原作比較 Phase1 Contact

2019-05-25 19:00
    ・大人の事情でニコニコ生放送で9話までしか配信されずそこまでしか見ていない「ビートレス」がGYAOで無料配信中なので視聴中。ついでに原作もペースを合わせて再読して、両者を中途半端に比較してみる。こと細かににここが違う、とかやるんじゃなくて、両者の印象がどう異なるかみたいな。

     既に無料配信は5話+総集編1話が配信済み。

     アニメでのここまでの流れは
    (1話)Contract
     hIE(エイチアイイー)という人間型アンドロイドが普通に普及している未来社会で暮らす主人公が、レイシアという美人アンドロイドをひょんなことから拾い、彼女のオーナーとなることを承諾する。
    (2話)Analog hack
     妹と二人暮らしの主人公の家に加わったレイシアは、抜群の家事能力を発揮。主人公は友人二人にレイシアのことを話すが、実家がhIEに関わっているイケメンは深入りしないよう忠告する。妹がやらかしたおかげで、レイシアはモデルとしてデビューすることになる。
    (3話)You’ll be mine 
     レイシアがモデル活動のため不特定多数の目に触れたため、粘着するマニアが現われてレイシアを拉致するという行動に出る。主人公は友人のメガネの助けを借りてこれを追跡しレイシアを取り戻す。だがレイシアの妹。コーカを名乗るhIEが出現して戦闘となる。
    (4話)Automatic world
     メガネは実はhIE排斥を主張するテロリストまがいの集団の一員で、その技術を使ってレイシアを発見したのだがこれがばれて罰則としてある計画に強制参加させられる。その指揮をとるのはhIEのコーカという矛盾。主人公はレイシアの協力で友人を助けに行く。
    (5話)Toos for outsoucers
     テロリストの目的は政治用hIE・ミコトの破壊。政治をhIEにまかせてよいか、という実験に乱入したコーカたちは第三のhIE・スノードロップの出現による混乱もあってミコトの破壊に成功。主人公はその間隙をぬってメガネの救出に成功する。

     というところまででここまでをまとめた総集編(Intermission_01)が入る。制作スケジュールがきつかったらしく総集編は変なタイミングで度々入ることになる。

     アニメの内容が頭に残っているうちに原作小説を読んでいく。

    Phase1 Contact
     主人公遠藤アラトは幼き日に大火傷を負って入院生活を送る。多忙な父は面会にほとんど来れず妹もまだ幼く寂しい毎日。母親については書かれていないが既に死亡していたのか。看護師さんが犬を連れてきてくれて、その犬が楽しそうにしていることに自分の寂しさが救われる。だから寂しそうな人を見たら自分から働きかけようと思い、同じ入院患者の少年にともだちになろう、と自分から話しかける。
     17歳に成長したアラトは学校ではいつも海内遼(カイダイリョウ)と村主(スグリ)ケンゴの三人でつるんでいる。
     季節は四月だが三学期。新学期が始まるのは九月。百年前は四月が新学期だったと語られる。アラトはあまり優秀では無いほうらしく、リョウは優秀らしい。ケンゴは機械やコンピュータに詳しい。
     リョウは金持ちで二枚目でもある。女性にも気軽に話しかけるのだがクラスメート全員を口説いたらしく、女子と女子に嫌われたくない男子からは結果として総スカンされている。リョウと親しいアラトとケンゴも一緒に浮いている。
     そこで最近は他校の女生徒を口説いているらしく今度花見に行こうぜ、女の子4人呼んだから、などというのだがアラトは気乗りがしない。
     彼らが住んでいるのは東京の隅田川沿いらしいが、本所吾妻橋一帯は42年前に瓦礫と化したらしく、それはハザードと呼ばれる大災害があったためらしい。なので墨田区は碁盤の目のように区画整理されて昔とは町並みが異なっている。ハザード前後の新旧の建物が混在している。
     行き交う車は全て自動運転で、交通量も含めてコントロールされているらしく渋滞というものは無くなった。
     だが信号はあって、そこで女の子に手を引かれたおばあさんが難儀している。アラトは手伝う、と駆け出していくが他の二人はあの女の子、hIEだぜ、としらけている。
     hIE(humanoid innterface Elements:エッチアイイー) とは人間型ロボットもしくはアンドロイドで、たい焼き屋もそば屋もスーパーのレジもhIEだ。これが社会の穴を埋めて人手不足は解消しているのが西暦2105年の日本である。
     だがhIEに反感を持つ人もいるらしく、これを襲い壊してまわる輩がいる。三人はそんな犠牲になったらしいアンドロイドの腕を見つけるが、リョウもケンゴももったいない、とは言うもののただの道具だ、モノだ、という冷たい反応。アラトはhIEでもやはりかわいそうに思う。
     その晩東京湾第二埋め立て島群の一角にあるミームフレーム社東京研究所で爆発があり、警備を担当しているPMC(民間軍事会社)・HOO(ハンズ・オブ・オペレーション)のヘリが要請を受けて出動する。要請内容は逃亡した5体のhIEの捕獲もしくは破壊。これが本来ありえない事態であることが語られる。hIEは無線操作される操り人形にすぎず、その行動を管理するクラウドサーバーを扱うのがミームフレーム社なのだ。つまり一人では動けないはずの操り人形が勝手に逃げ出したのでなんとかして、ということになる。
     ヘリに乗るのは米軍の退役軍人らしく、現場指揮官は元グリーンベレーのシェスト少尉。パイロットのトマ・リュウ軍曹とオペレーターのコリーヌ・マライ曹長。地上から指揮を取るのはコリンヌ・ルメールという女性少佐。彼女は軍歴不明。
     元は中央防波堤外側埋め立て処分場と呼ばれていた第二埋め立て島群というのは学術研究都市で民家は無い。AIからは住宅地での戦闘の方が有利と戦術提案がされてくるが少佐が却下して埋め立て島群が作戦区域となる。ここなら重火器も使用可能。少尉は網膜に直接戦闘に必要なデータを投影させてたりする。
     コンテナを投下して無人兵器を展開。だが逃亡した5体のうち、たった1体こちらに向かってくる赤いhIEを破壊できない。さらに花びらがどこからか大量に現れてこれも不気味。投下したコンテナも破壊され、これが通信中継所でもあったことから無人兵器は無力化されてしまう。さらに軍用通信システムをハッキングされて、hIE全てに逃亡されてしまう。
     今更のように、これまで開示されていなかった情報がクライアントから送られてくる。
     今回逃亡したhIEはレイシア級と呼ばれる量子コンピュータ搭載型で、ネットワーク支援無しで高度な判断力を持つということを。それぞれの名前は
    タイプ001 紅霞(コウカ)
    タイプ002 スノウドロップ
    タイプ003 サトゥルヌス
    タイプ004 ―――――
    タイプ005 レイシア
     であることが中継映像と共に示されるが、004は動きが素早くカメラには捕らえられない。名称も不明。優秀な軍人である少尉は、逃亡したhIEの性能に畏怖を感じる。

     新小岩にあるアラトの家では、14歳の妹のユカが晩御飯のおかずを晩御飯の前に食べてしまうという惨事が発生してアラトが買出しに出るはめになっている。ユカは自分のせいで買い物に出るはめになった兄に当然のようにアイスをねだる。父親はめったに帰って来ず、母親はかなり前に世を去っていて、兄は妹の母親でもあり父親でもある様子でかなりシスコンの様子が見える。
     妹は成績も良くなく食欲や遊びの本能に忠実な様子で食べてはゲームばかりしている、ちょっと頭の中がお花畑なタイプ。でもアラトは甘やかしすぎたかと言う自覚はあるものの妹の心根の良さを評価している様子。
     近所の地主の家の中年女性型のhIE、マリエさんと会ってのスーパーからの帰路、5色の花びらが降り注いで(民間軍事会社が遭遇したのと同じものの様子)、マリエさんの様子がおかしくなる。さらに駐車中だった自動運転車がアラトを轢き殺そうという意志があるように向かってくる。思わず「助けて!」と叫んだ彼と車の間に割り込んで車を焼失させた存在がある。レオタードのようなものを着込んだ華奢な女性の姿。
     マリエさんだったものは爆風で吹きとばされてうずくまっている。
     「あなたは、助けてと、求めました」と彼女は言う。レイシアと名乗る。アラトも名乗り返して逃げようと誘うが、レイシアは何故逃げるのか、と動かない。アラトはレイシアもおかしくなるのでは、と恐れるが、花びらが原因のようにも思えるのでレイシアの髪から花びらを払い落とす。
     「アラトは、わたしを信じますか」とレイシアが言うので「信じるよ!」と返す。
     だがまた別の車が襲ってくる。レイシアはアラトに要請をする。
     「わたしの所有者(オーナー)になってください」と。
     レイシアは道具にすぎず、責任を取る事ができない。だから全力で行動するためには、誰か人間が法的な責任を取ってくれないと、みたいな話らしいが、アラトには理解できない。理解できないまま許諾契約事項に了承を与え、自分の生体情報が取得され続ける事にも同じく了承を与える。その結果レイシアのデバイスロックが外れ、これまでも何気なく車が襲ってくるのを防いでいるのだけど、これまで以上に強力な力を行使できるようになるみたい。
     レイシアは周囲の光通信の遮断を提案する。ペースメーカーみたいな医療機器を使用している人間が周囲にいれば、その人の生命を奪う可能性があると言い添えて。そう言われてもアラトには選択肢などなくて、「やれ!」としか言えない。
     その結果、花びらは全て透明になり、光信号を受けることができなくなったとかで無力化される。日常が戻る。
     その場を離れて帰宅するとユカは遅い!とご機嫌斜めなのだが、レイシアを見ると目を丸くする。だが彼女がhIEであり、アラトが彼女のオーナーになったと聞くとあっさり納得して受け入れる。レイシアはクラウドデータ上のレシピを利用してごちそうを作り、ユカは食事を堪能して寝てしまう。洗い物などもレイシアがやってくれるので、これまでアラトがやっていた家事も彼女まかせでよくなって、アラトは時間を持て余す。お茶を入れるレイシアにアラトが感心すると、単なる蓄積されたデータに従っているにすぎないと彼女は言う。
     どうしてもレイシアを人間の女性と思い、そう接しようとするアラトに対し、レイシアは繰り返し自分には魂は無く単なる道具にすぎないことを告げる。彼女の振る舞いに、人格の幻を見ているだけだと。

     このあたりでアニメ第1話分は終わりなのだけど、小説の第1章はもう少し続く。

     レイシアがいる生活が続くと自分は何もする必要が無くなって次第に堕落していくような気もするのだが、実際は生活リズムが安定してきて自堕落な生活から兄妹して抜けつつある。生活時間に余裕もできてきている。
     突然妹に宛ててメールが来る。アラトが見せてもらうと、レイシアがあるモデルコンテストでグランプリを獲得したという。いつの間にか妹の制服を着せた写真を添えて応募していたらしい。
     レイシアは何かと戦っていたのに、こんなことやって情報を公開していいのだろうか、と悩むアラトと全く悩まないユカ。二人の言い争いにレイシアは笑う。アラトは魂が無いと聞かされていながら、レイシアの笑顔に魅了される。

     ここまでで小説とアニメの印象を比べると、地名や軍人の名前、企業名などが明確に記されている小説に対しアニメでは特にそうしたことは言葉として伝えられていない。
     近代的な建物はあるものの、現代を舞台にしたアニメとさほど風景に変わりはなくhIEも人間にしか見えないのであまり100年先の未来だという印象は感じられない。
     地図でなんとなくこのへん、と示されたりモニターの端にMOOなどと表示されたりはしているけど原作を読んでない人には多分わからない。
     小説では民間軍事会社が出動しても5体のhIEの逃走を防げなかったんだな、というのがわかるけどアニメでは民間軍事会社であることもよくわからないし、何をしようとしたのかもよくわからない。漠然と戦闘シーンがあったな、という印象。
     キャラクターデザインは小説から感じるものとさほど違和感ないと思う。声も同じ。セリフもアニメと原作でさほど大きな差異はない。レイシアは固めの聞きなれない単語を使うことが多く、声だけで聞いても意味がぱっとわからないような印象はある。文字だとすっと理解できるのだけど。
     アニメでも第1話からhIE5体全員一応登場してたんだな。サトゥルヌスも出てたんだ。

     アニメだとリョウは女性にもてる人気者という印象だけど、小説では性格に難があってクラスの女生徒からは嫌われていることになっている。
     ユカとリョウやケンゴは顔見知りらしく、リョウはユカを気に入っている様子。リョウとケンゴの妹はこの段階では未登場。アニメでは妹三人組と兄三人組の邂逅シーンがあるけど原作には無い。

     全般的にアニメは情報量が小説より少なくて、表面的なものしか見えていない感じ。
     中年hIEのマリエさんはアニメでも小説でも死体を何度も蹴られているような感じで気の毒。アニメではアラトの首を絞めるけど小説では最初に吹っ飛ばされてそのまま。小説では彼女のオーナーがユザワさんという名前だとわかるが、ユザワさんは最後まで登場しない。十年以上稼動している古株hIEということだから、急にあんな形でいなくなったらオーナーもショックだったろうに。新しい身体で戻ってくるとかできたんだろうか。
     hIEにかわいそうという感覚を持つアラトがマリエさんの喪失をもう少し気にしてもいいように思う。

     レイシアをアラトがオーナー認証するシーンはアニメでは互いに向かい合って立っているけど、小説ではレイシアがアラトをあぶない、と押し倒して尻をアラトの腹の上に乗せた体制みたいになっている。さらに理由はわからないけどレイシアの全身がびしょ濡れということでちょっとエロチック。そのへんをアニメで強調する必要も無いと思うけど、めったに行われない認証行為のデバイスなら首辺りにあるよりも紅殻のパンドラみたいな場所にあった方が合理的な気もする。

     レイシアの手が体温を持っていて温かいことも小説では書かれているけど、アニメでは硬質な冷たいボディのような印象も受ける。

     レイシアのブラックモノリスや紅霞のデバイス形状や変形の様子は、小説ではいまいちイメージが捕らえきれないけどここはアニメだと一目瞭然。映像の強み。

     妹の性格はかなり自己中心的でわがままなんだけど、それが必ずしも嫌な奴に感じられ。
    ないのは面白いところ。ここはアニメでも良く出ていたと思う。こんな子実際にはいないだろと思いつつ。いるのかな。


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