「ビートレス」アニメ・原作比較 Phase2 Analog Hack
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「ビートレス」アニメ・原作比較 Phase2 Analog Hack

2019-05-26 19:00




    GYAO無料配信に合わせて原作再読中。

    ・Phase2 Analog Hack
     レイシアが一緒にいるのが当たり前になって、遠藤兄妹の食生活は急激に改善されていく。これまでアラトは食事の世話に追われまくって余裕が無い毎日だったのが、レイシアのおかげで余裕を持てるようになったし、母親を早く亡くし、めったに帰宅しない父親を当てにもできず自己流で学んだ食事は栄養バランスも悪かった。そうしたことは全て過去のこととなった。

     それでもアラトの頭の中は問題で一杯である。ユカが勝手に申し込んでしまったモデルの件もそうだし、レイシアをリョウやケンゴに紹介もしないといけない。
     レイシアを家に置く事を父親が許可してくれるかも心配事のひとつだったが、これはあっさりOKが出た。hIEの研究者である父親にもレイシアについてはよくわからないらしい。
     アラトとユカが食事をとるテーブルの天板はコンピューターの画面を兼ねていて、レイシアがグランプリをとったことがニュースあるいは広告として大きく表示される。次の日曜日はレイシアの初仕事である。
     ユカは緑茶に砂糖を入れて飲もうと言い出したりして今日もマイペースである。

     レイシアを拾ったことを話すと、ケンゴとリョウはちょっと疑いを持ったようで、レイシアを通信端末で呼び出して紹介することになる。ケンゴはレイシアの機体番号を確認し、最高位のモデルであることを指摘する。高校生が所有できる価格ではなく、それだけの高級機があれだけモデルの件でニュースになっているのに元の所有者から問い合わせも無いのもおかしいという。hIEは常に自分の居場所を固有コードと共に発信し続けていて、相手が探していればすぐ発見できるはずなのだ。
     リョウはレイシアに行動管理クラウドがどこのものかを確認する。これがレイシアの振る舞いを決めるクラウドデータになる。するとリョウの父親の会社、ミームフレーム社のものだとわかる。実はリョウの父親がここの社長で、リョウは御曹司ということになる。そう知ったとたんにリョウの態度があからさまに変わる。アラトにもレイシアにこれ以上かかわるな、と忠告してさっさと帰ってしまう。これが気になったアラトは携帯端末を学校に忘れて帰ってしまう。電車の精算なども端末で行うのだが、腕輪に予備タグが入っていてそのために気付かない。だが宿題のデータは携帯端末にしか入っていない。
     そこで高校まで取りに帰ることになる。レイシアも同行する。新小岩から本所吾妻橋まで地下鉄浦安線というのがあることになっていて、これに乗る。
     本来hIEを学校に入れてはいけない決まりだが、真っ暗な学校に気味悪さも感じるところにレイシアは自然についてくる。アラトもあえて止めない。携帯端末を回収した後、レイシアと誰もいない校舎の中をしばらく歩いてみる。屋上に上がり、レイシアはオーナーはもっと欲望を解放して世界を拡大していいのですよ、みたいに炊きつけるようなことを言う。

     翌日日曜日はレイシアの初仕事。山手線恵比寿駅の喫茶店でレイシアの担当マネージャーと端末経由で名刺交換。アラトにはこうした経験ははじめてなので戸惑う。
     マネージャーはファビオンMG(メディアグループ)の如月明日菜というふわふわした女性。有能そうなhIE、カスミを伴っている。最初は自分の方がhIEのふりをしてカスミに小言を言われたりするちょっと軽い印象。はいているパンプスは踵が可動して高さが変わる。
     喫茶店の内装というのは100年前からあまり変わらないらしい。
     人間でないレイシアをファビオンが直接雇用するわけにはいかないので、オーナーであるアラトがまず会社に雇われて、オーナーがhIEに命じる、という形になる。そのために契約書が必要になるのだがアラトにはちんぷんかんぷん。契約書はレイシアがチェックして説明してくれる主従逆転現象がある。代理労働契約というらしい。
     明日菜はレイシアを秘密めかして売り出したいらしく、アラトがレイシアと撮影した画像などもネットにアップしないよう注意する。だがアラトがさほどレイシアに対し所有欲を発揮することに積極的ではないようなのでそこは安心した様子。レイシアは彼女も見たのははじめて、というクラスの高級機らしく、そこを開示してしまうとレイシアが着ることになる服の買い手である若い女性に共感を得られない可能性があるという。
     彼女は軽くみえるけど大学では擬似人間工学を専攻。アラトの父の研究についても知っているらしい。
     ファビオンはファッション系の広告に強いメディアグループで、人間やhIEのモデルを多く抱えている。ファッション誌や地域情報誌を自ら発行もしている。
     さっそくレイシアは今年の夏の衣装をPRするために着替えて恵比寿から渋谷の街を歩く事になる。周囲にはカメラユニットが浮遊して映像をリアルタイムで配信する。レイシアの動きは洗練されたプロのモデルのそれだが、これもクラウドのデータによる。ファビオン社は振る舞いに関するデータを膨大に持っている。振り返りやターンに特に強い。
     レイシアが洗練された振る舞いで歩くことによって群集が集まって来る。何でもネット経由で満足する人が多いこの時代、生身の人間を移動させることができる、というのは大きな力になる。
     集まる群衆にアラトは不安も覚えるが明日菜は心配していない。ファビオン社のhIEモデル、アンジェラとユリーと合流することでクライマックスになるという。信号や町中のディスプレイまで制御した群集コントロール術をアラトは見せられる。群集は魅せられて、hIEたちに誘導されてファッションビルに入り、そこでhIEが着ていた服を買うようになる。
     明日菜はhIEには人間を錯覚させて好意を持たせ、自発的に動かすという力、アナログハック と呼ばれる能力があり、これを利用すれば今回のような群集コントロールも可能だという。アラトはレイシアが遠くなったように感じる。
     男性客の一人がレイシアの肩に手をかけるという事故があり、警備によって引き剥がされて追い払われる。明日菜は思い込みが強すぎちゃう人が暴走してしまう、アナログハックのマイナス面もあるのよね、と言いつつレイシアの安全は会社が守るから安心して、とフォローする。
     ようやく仕事が終わり、アラトはレイシアと共に帰宅する。新小岩駅までは会社の車で送ってもらった。会社が警備をつけると申し出たがこれはレイシアが断わった。アラト家のデータがファビオン社ではなく警備会社に把握されることになると。
     近所でまたhIEが襲われた現場に遭遇する。今回はhIEを守ろうとしたオーナーが負傷したという事で警察がいて、野次馬も多い。警官の中にもhIEがいる。レイシアはどうやって得たのかアラトにあらましを話す。
     警官が人間と思っておとなしく話していた野次馬が、hIEと知って突然嫌悪感をむき出しにするのをアラトは目撃する。レイシアは私がモデルをすることによって発生するアナログハックはどのくらいの敵意を生み出すのでしょうか、みたいなことを言う。

     そのhIEを襲い、人間に怪我をさせたのは 抗体ネットワーク という組織であり、会員は人目の無い場所を一人で歩くhIEや警察の動きをネットに上げて、その情報から襲撃方法や逃走経路に目星をつけた上で襲撃部隊がhIEを襲う。悪意のボランティア組織である。
     メンバーには直接襲撃に加わる暴力的な人間もいればhIEや警察の位置情報を報告するだけの人間もいる。そしてネット上の情報を実行犯に適切なタイミングで知らせる情報監視役もいる。その一人がケンゴだった。今も人間に怪我をさせた連中に自室のパソコンから逃走経路の指示を出している。人に怪我させるなんて、馬鹿者が、と思いながら。
     情報提供者にはhIEに仕事を奪われた人間たちもいる。警察にもhIEがあるから警察内にもいる。彼の両親はこの地で洋食店を営んでいる。家族経営で、昔かたぎの父はhIEを入れようとしない。だが店の経営は周囲のhIEを置いた店に追われて苦しくなっている。また人間とのコミュニケーションを忘れた客のマナーも悪くなっていく。hIEに対するのと同じ態度を人間の店員にも取るようになり、「おいしい」とも「ごちそうさま」とも言わなくなる。店の雰囲気は悪くなる。そのへんがケンゴがhIEに敵意を持ち出した理由だろう。だが友人のアラトがhIEを持った事は彼を動揺させている。もしレイシアが組織の攻撃対象になったらどうしよう、と。
     ケンゴの父は日本人、母はロシア人だ。ケンゴは日本人に見えるが妹・オーリガは母親似である。そのせいなのか、ケンゴは妹にも敬語を使う。
     食事をすませて自室に戻ると、そこには紅いhIEがいた。相手はレイシアの妹の紅霞(コウカ)と名乗る。抗体ネットワークの上層部から派遣されてきたのだと。
     hIEを排斥するための組織の上層部がhIEを使用していることになる。

     アラトは日に日にレイシアをまぶしく感じるようになってきている。注目を浴び続けるスターのレイシアと、平凡な高校生に過ぎない自分のギャップを感じている。
     レイシアもそれを感じ取ったのか、その日は5分間だけコミュニケーション形態を変えましょう、と提案する。突然表情も話し方も異なる、顔が同じ別人になったレイシアは、アラトの頭をなでて膝枕をしてくれる。自分をお姉ちゃんと呼びなさいとも。アラトが変な気持ちになりかけたところで延長なさいますか?と聞かれて正気に戻る。
     アラトはこれでレイシアの人格と思っているものは簡単に別人に切り替えられるものなのだと感じ、レイシアが人間の姿をした壁のように感じる。今話しているのはどのレイシアだ?などと思ってしまうが、レイシアはすぐにこれまで通りの人格に戻る。唯一つ、これまではアラトのことをオーナーと呼んでいたのがアラトさん に変わる。

     翌朝、ゴミを出しにいったユカが駆け込んでくる。最近はレイシアがいつもお供している。ユカはそのレイシアが車にはねられて、倒れたところを車に引きずり込まれ、連れ去られた、と泣き叫んでいる。

     アニメの第2話も Analog Hack だけど小説版のレイシアがモデルとしての初仕事をする内容にほぼ絞られていて、ケンゴが抗体ネットワークとして活動するシーンは無く、彼の部屋に紅霞がやってきたり、レイシアが5分間だけコミュニケーション形態を変えたり、レイシアが拉致されたりといったエピソードはアニメでは第3話に入る。

     セリフはほぼ原作通りなんだけど、やはり難しい言葉が多いので小説通りの言い方だとさらっと過ぎてしまって耳に残らない気がする。このへん原作に忠実に映像化することが必ずしも正しいとは限らないのかも。小説と映像の伝え方は違っていいような。
    レイシアと一緒に暮らす許可を父親に得るくだりや、如月明日菜がhIEのふりをしてアラトを驚かせるシーンなどはテレビでは省略。この明日菜というキャラのイメージは結構デザインがむずかしいと思うけど、アニメで見せられるとこれもアリかなと思う。
     アナログハックという言葉を見出したのは著者の見識を示す、上手い言語化だと思う。

     アニメのファッションショーというかパフォーマンスのシーンはこちらがそういうショーを知らないせいか出来不出来はよくわからない。
     
     アラトが雰囲気を簡単に変えるレイシアに感じる奥深さというか底の知れなさみたいのはアニメではいまいち伝わって来ない気がする。 
     ケンゴと妹がロシアの血を引いているというのもアニメでは特に触れられていなかったと思う。ケンゴが妹に敬語を使う理由もわからなかった。血の繋がっていない連れ子同士というわけでもなく両親は同じみたい。
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