「ビートレス」アニメ・原作比較 Phase4 Automatic World
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「ビートレス」アニメ・原作比較 Phase4 Automatic World

2019-05-28 19:00




    ・ Phase4  Automatic World
     ケンゴはマイクロバスに乗せられて、9人の男と共にある場所に向かっている。この1週間、毎日こんな感じで江戸川の廃工場に連れて行かれてリーダーについて移動する訓練と、実弾を使っての射撃訓練をやらされてきた。参加メンバーは軍隊経験があるらしい教官をのぞけば全員素人で、誰も幸せそうではない。携帯は取り上げられている。やがて車は目的地である大井町産業振興センターに到着する。武器を積んだ車が待っていて、銃を手渡される。軍隊経験者らしい者2名、素人10名。ケンゴはどうしてここまで来てしまったのか、と考え続けている。今警察が来て捕まらないか、とも思っている。素人ばかりで上手くいくはずないとも。
     ここで作戦のリーダーが現れる。紅霞である。露出の多い衣装に疑いの目を向ける素人たちに、私が軽装なのは全身義体で、肌色のところも軍用の防弾仕様だから、と平気で嘘をつく。
     彼女がhIEだと知っているのはケンゴだけらしい。
     22世紀の日本では軍需産業が復活している。自衛隊も今は軍になっている。警備用hIEにも銃を使うタイプがある。こちらは素人でも、相手はプロなのだ。
     hIEである紅霞が、政治をhIEから取り戻そう、と人間たちを先導する。

     その頃アラトは定食店「さんふらわあ」を訪れている。ここはケンゴの自宅。今どきめずらしい木造住宅兼店舗である。ユカとレイシアも同行している。ユカはレイシアがさらわれた直後は怖がって学校にも行きたがらなかったがようやく元気を取り戻してきた。商売をやっている表口ではなく、裏口にまわる。
     金髪の少女が出迎えてくれる。ケンゴの妹のオーリガだ。ユカの話を聞くと時々遊びに来て、ご飯をずうずうしく食べさせてもらっているらしい。オーリガはケンゴやアラトの一歳下。ユカより二歳年上だがユカよりおとなしい。
     ケンゴがここ1週間帰りが遅く、夜中過ぎになるという。そして今日はアラトの家に遊びに行くという口実で姿をくらましたらしい。妹との約束をすっぽかして。兄を心配した彼女が、ユカを通してアラトに相談してきたのだった。
     レイシアがいるのでケンゴの両親は挨拶に来ない。仕事も忙しいのだろうが二人ともhIEにはいい感情を持っていないのだ。オーリガとユカをお茶で飲んでおいで、と送り出して、レイシアにケンゴの部屋を走査させる。ここには家内システムがないので不確かだが荷物を大掛かりに運び出したような形跡がないのはレイシアが物品タグで確認する。
     続いてレイシアはパソコンを起動し、あっさりパスワードを解除する。立ち上がった画面を見て、レイシアがこれが原因ですね、とアラトに言う。
     これは抗体ネットワークという組織のプログラムで、hIEや警官の位置情報を集約し、一人歩きするhIEを破壊するための支援ソフトであることをレイシアは解析する。そしてケンゴもその一員であると。ケンゴは犯罪者である。
     アラトは何でそんなことを、と相談してくれなかったことを残念に思う。レイシアが自分がさらわれた時に位置を追跡してくれたのもこのプログラムでしょう、とケンゴがアラトを助けたことも指摘する。そしてケンゴの帰宅が遅くなったのは、アラトとレイシアが紅霞と遭遇した翌日からであることも。
     ここでレイシアは黙り、アラトの命令を待つ。アラトはケンゴの居場所を探るようレイシアに頼む。アラトは紅霞にオーナー失格と言われたことが気になっていて、レイシアに何か頼む時にこれはつまらないことだろうか、と考えてしまう。友人を救い出す事ならつまらなくはないはずだ。

     リョウはミームフレーム社の会議室にいる。進路の参考にしたいと理由をでっちあげて、爆発事故があった時に東京研究所にいた研究員に話を聞いている。シノハラという50代の男である。爆発事故があった日にアラトはレイシアと出合った。レイシアはレッドボックスの可能性が高い。そしてミームフレーム社には世界に39基しかない超高度AIの一つ、ヒギンズがある。ヒギンズならレッドボックスの開発が可能である。
     リョウはシノハラに、爆発事故があってもミームフレーム社の業務には影響が無かった事を話題にして巧みに話を引き出す。ここでは、いってみれば行動管理プログラムを使用するためのOSみたいなものを管理していて、日々刻刻これを更新し続けている。停止したら大問題になるはずなのだ。
     シノハラは良く聞いてくれた、という感じでここだけの話、と打ち明ける。ここのデータは自分の二本の足で退避できるんだ、と。持ち運ぶデータはかなりの容量、大きさになる。レイシアの黒い棺桶が頭に浮かぶ。レイシアや話に聞いた紅霞はそれだ、とリョウは直感する。
     ミームフレーム社が支障なく業務を続けているということは、少なくとも1体はレイシアのような機体を確保していることになる。そしてレッドボックスの逃亡を許したということになれば、ミームフレーム社の社長である父親のクビもあぶない。逃亡は公にできない。レイシアを表立って探している者が現れないのはそういうわけだったのだ。

     そこにアラトから電話が入る。ケンゴが抗体ネットワークの一員として、大井町産業振興センターを襲撃するらしいと。そしてレイシアに手伝ってもらってそれを助けに行くと。
     レイシアや紅霞の出自を知ると、警察に相談するのもやぶへびのような気がする。レイシアを本当に信用していいのか、もリョウにはわからない。だがアラトは行くという。

     アラトがビルに到着すると、レイシアが銃声を感知する。もうはじまっている。レイシアには考えがあるらしく、途中で買った樹脂製のツナギと手袋をアラトは身につけている。さらにバイク用のフルフェイスヘルメットをかぶる。レイシアは以前花びらを透明化したのと同じような方法で、光を身体にまとったナノマテリアルに沿って屈折させることでアラトや自分を透明化できるのだという。これでビル内の警備システムもごまかせるという。そのままだと視界が真っ暗になるのてレイシアが音響データを映像に変換してゴーグル経由でアラトの網膜に送る。これで白黒画像のような視界が確保できる。ダイビング用のマウスピース型スピーカーでレイシアと口を開けずに会話もできる。携帯電話は位置がばれるので車に置いていく。
     レイシアの処理能力の限界を超えるというので、アラトを感知するためには手をつないでいてほしいという。アラトはドキドキする。こうした潜入任務の振る舞いはクラウドに無いらしく、レイシアは恋人同士のそれを代用しているらしくやたらと二人の距離が近い。
     レイシアはいつものように、これはアラトの意志でやることで、アラトの命が失われる可能性もあることを指摘して決意を確認する。ケンゴたちは音響探査からみて15階あたりにいるらしい。

     ケンゴはもう嫌だ、と心で叫びながらまだ活動している。ゴム弾しか撃ってこないと聞かされていた警備用hIEはこちらが銃器を使っているとわかると実弾を撃ってくる。既に3人撃たれて負傷している。20階までなんとかやって来れたのは、紅霞の戦闘力のおかげだ。日本でトップクラスの無人機メーカー、「真宮防」の警備用hIEも紅霞にかかれば簡単に破壊されてしまう。22階が目標の実験場だ。紅霞がケンゴを呼び出し、近距離でしか通じない赤外線通信で私がhIEだと告発しても誰も信じないよ、と釘を刺してくる。そんなことを言われなくても判断力を失って、生き残るためには紅霞についていくしかない、と盲従している素人たちには思考能力が残っていない。ケンゴは反射的に紅霞が倒してもまだ動いていたhIEを銃で破壊する。hIEは嫌いだが、自分で破壊したの初めてだ。
     紅霞は、私のオーナーになってくれれば生きて帰れることは保障するよ、と誘いをかけてくる。ケンゴはhIEの紅霞の指示に道具のように従っている自分を含めた人間たちに気持ち悪さを覚える。

     アラトとレイシアも階段を登って21階までたどり着いている。15階まではエスカレーターを使えたので早い。だがエレベーターにはレイシアの棺桶が邪魔して乗れないのでそこから上は階段になる。21階が受付で、22階から25階までの総合会議場が実験場になっている。ケンゴたちは裏階段を登っているが、アラトたちは見えないのをいいことに表の大階段を登ってゆく。そしてケンゴたちより先に、目的地である会議場内に入る。中から扉があいて人が出てくるのをすり抜けるように入る。レイシアは入り口のX線ゲートを突破する際に電子戦モードを解放し、セキュリティ情報を欺瞞する能力があることを見せるがアラトはあまり気付いてない。
     演壇でhIEの女性が演説をしている。これが実験なのだ。彼女の名はミコト。政治を行うために開発されたhIEで、アンケートなどで人々の意見を集約してこれを政治の場に持ち出す機能がある。なので彼女の演説は世論のつぎはぎである。人間の意見を集約した彼女が、人間の政治家はいらないという考え方を示している。それは便利なのか?とアラトは思う。
     レイシアは、この全自動の世界がくだらないものに見えますか、と問いかけてくる。アラトは答えられない。
     警備会社を経営しているという真宮寺という男がミコトに質問をはじめる。hIE議員というものがこれまで実現しなかった理由を把握しているかと。ミコトは世論が激しく変動すればその変化を捉えきれず、愚かな選択をする可能性もあると自分で認めている。つまり人が愚かならその愚かさを集約し形にしてしまうと。
     その時爆発音がしてビルが揺れる。議場内に大量の花びらのようなものが落ちてくる。マリエさんをおかしくした花びらだ。
     21階で警備hIEの防衛線を突破できないでいたケンゴたちのところにも花びらは降ってくる。そして花びらに取り付かれた報道のヘリが22階の壁にめり込んでいる。
     紅霞はこれをチャンスと見る。警備側はヘリの対処とゲストの避難誘導にさかれて、紅霞たちに対する戦力を維持できない。そしてついにケンゴたちは会議場に突入する。議場に小さな白いワンピースを着た女の子がいて、床に積もった花びらを救い上げては空中に放り上げている。花びらが動いているのに気付いた誰かが悲鳴をあげる。紅霞が、スノウドロップの花びらは人間には害はないよ、通信端末によってくるのだけ手で払えばいい、落ち着こっか、と声をかける。
     演壇の下で若い女性が避難を呼びかけている。実験は中止だとも。彼女は全身を花びらにたかられている。花びらは人間には取り付かない。ではこれがhIEのミコトなのだ。
     ミコトに誘導される人々と、紅霞に指揮される自分たちが重なって、ケンゴはふいに憎しみを感じてミコトに銃を向ける。アラトは駆け寄って銃口をつかみ、止めようとする。アラトの姿が見えないケンゴはかえってパニックになる。レイシアはケンゴをこのまま連れ出してしまおうと提案するが、アラトはケンゴに姿を見せることにしてヘルメットを脱ぐ。
     スノウドロップは花びらで警備hIEの残骸を操る。その残骸を紅霞が蹴り飛ばす。紅霞がビームを撃つと、花びらが燃え上がる。だがスプリンクラーは作動しない。
     このどさくさに襲撃隊は逃げてしまい、ケンゴだけが取り残されている。アラトはケンゴを助けようとするが気付いてもらえない。スノウドロップがもう一機ヘリを突入させたようで壁に大穴が開き、暴風が吹きすぎる。ケンゴは紅霞に守られて無事のようだ。
     ケンゴはhIEなんて大嫌いだ、と叫ぶ。察してはいたが、はっきり言葉で聞いたのは初めてだ。スノードロップはお腹に巻いたデバイスで、警備hIEの残骸を「食べて」いる。
     ふとスノードロップが気付いたようなそぶりをすると、警備hIEが銃撃をはじめる。捕食した警備hIEから銃の操作を学んだ様子。アラトも狙われて、あわてて身を隠す。紅霞がケンゴを守ろうと銃口に斬りつけるが、その隙にヘリパイロットのhIEがケンゴを抱えて壁の穴の外に消える。アラトがそちらに走る。スノードロップに攻撃の気配があるが、レイシアが防ぐ。壁の外を見ると、ケンゴがかろうじてしがみついている。パイロットhIEはそのまま落ちたようだ。
     アラトはケンゴの手をつかんで引っ張り上げる。ケンゴからはアラトの首だけが見えている。何でこんなところに、と聞くケンゴに、助けに来たに決まってるだろ、と答える。
     ケンゴはバカじゃないんですか、と涙をこぼす。アラトがhIEは嫌いなんだな と聞くと、人間のほうが好きに決まってるじゃないですか とケンゴは答える。

     スノードロップが伸びをして、おなかいっぱいになったから帰る、と出口に向かう。紅霞は抗体ネットワークメンバーの位置を確認し、撤退の指示を出す。そして爆風で倒れていたミコトを見つけ、頭を撃ちぬく。さらに銃弾を撃ちつづけてミコトを残骸にする。これで任務完了である。ネットワークのメンバーにこれを伝える。よくやったね、と。
     レイシアは透明のまま。アラトはようやくケンゴを引っ張り上げる。紅霞は、あとはお姉さまにまかせるね、と開いた穴から夜空に飛び出していく。結局死にかけても自分のオーナーになることを拒み通したケンゴにバーカ、と声をかけて。

     アニメでは第4話、第5話がこの Phase4に該当する。
     アニメ第4話が Automatic world、第5話が Toos for outsoucers というタイトルになっている。原作にはToos for outsoucersという章は無い。
     ケンゴがhIEをはじめて破壊するあたりまでが4話。

     アニメでは4話冒頭で紅霞がケンゴにミコト破壊に参加するように指示を出す。毎日帰りが遅いケンゴを心配するオーリガのエピソードが小説版より膨らんでいる。相変わらずケンゴは妹に対して敬語を使い、妹はそれに対してまた敬語、と独り言を言う。
     紅霞は目的地に着いてから合流するのではなく、現地に向う車に乗っていて指示を与えている。小説では彼女は自分を元軍人で全身義体、つまりサイボーグだと説明しているがアニメではこのシーンが無いので何で疑問に思わないんだ、と感じる。

     リョウは今回レイシアがレッドボックスであることに確信を持つ。超高度AI、ヒギンズの名も4話ではじめて登場する。

     小説ではケンゴの家は木造で、時代にあらがうような木造の建物である事が語られている。22世紀仕様なのはパソコンがあるケンゴの部屋だけ。テレビではそこまでの印象は受けない。
     ケンゴの妹・オーリガは小説では金髪。アニメではもう少しおとなしい色。今のアニメで、髪の色はあてにならないけど。

     レイシアは途中でホームセンターに寄って買い物をすると言うが、具体的に何を買ったのかよくわからない。小説ではツナギと手袋ということになっている。素肌だと透明にするためのナノマテリアルが汗で落ちるかららしい。ヘルメットとゴーグルは買ったのか家から持ってきたのかよくわからない。アニメではゴーグルはレイシアから渡されるけど、小説では最初からアラトが持っている。なので前回レイシア捜索に使ったのと同じもののような印象を受ける。
     ダイビング用の通信機もホームセンターで買ったのではないと思う。 

     携帯電話は位置がばれるからと車に置いていくが、ゴーグルが以前と同じものならこれでも通話していたのでいいのかな、と思う。アニメではレイシアが差し出すゴーグルは違うタイプのようなので、GPS機能とかは無いのかも。

     襲撃目標のビルは36階建て。高度情報管理施設ということで、機密性の高い情報を扱うためビル内では許可の無い無線通信を禁じている。そのため外部からの無線による支援はできないし、もちろん電波通信もできない。そのため紅霞たちは首輪型の赤外線通信システムを利用している。10メートルくらいの距離でないと通信できないので、紅霞は移動を繰り返して全員に指示を送っているものと思われる。

     人間の警備員がいたら、人間を守るのが建前の抗体ネットワークは攻めあぐねることになるが、この時代は警備はhIE、と決まっているみたい。

     紅霞は繰り返し抗体ネットワークの人間たちに 人間を撃たない事、自分の指示無しに撃たない事、撃つのはhIEだけ、と言い聞かせている。

     銃を持った侵入者がいるとわかっても実験を止めないのはちょっと違和感がある。一応警備会社の社長が安心してください、と言ったからみたいになっているけど。ミコトはもっと早く実験を中止して避難するべきだったように思う。
     警察のビル突入を拒むなどビル側の管理体制にはいろいろ問題がある。

     小説では二機目のヘリが突っ込んでくるが、アニメでは1機目のヘリを爆破したことでビル外壁に大穴が開くことになっている。

     スノードロップは気まま気まぐれに行動している印象。何をしたいかよくわからないしオーナーも欲しがらない。紅霞はちょっとスノードロップと戦おうとするが、1対1では倒せないとわかっているみたい。

     紅霞は何度もケンゴを私のオーナーにならない?と誘っているが結構本気だったみたい。オーナー契約をしなくても、さりげなく何度もケンゴを守っている。絶体絶命でもケンゴが紅霞がオーナーになることを拒絶したのでスノードロップに断られちゃったね、とからかわれている。

     スノードロップはエレベーターシャフトに飛び降りて逃げた模様。

     ケンゴをビルの外に落とそうとするのは小説ではヘリパイロットのhIEだがアニメでは警備hIEの一体。ここの表現がアニメではとても助からないだろ、というのが何故か助かっている感じになっている。あれで転落しないようしがみつけたりアラトがケンゴの手をつかんだりは特別な訓練を受けていない普通の人間には無理。小説だと感じないけど映像で見ると不自然に感じる。

     小説では紅霞は抗体ネットワークに撤退指示を出して、全般的に紅霞は人命が失われないように気を配っているように感じる。適切なタイミングで激励も慰労も行っている。警察に捕まった場合の心構えなんかも言い聞かせているけどアニメでは放り出して逃げた感じ。

     一方スノードロップは第一話から人命おかまいなしという印象。見かけだと紅霞の方があぶなそうだけど、スノードロップの方がどこか倫理的に壊れている感じでコワイかも。

     Phase5の内容はアニメ6話、7話に該当するみたいなので7話を見てから。ということで7話は今週土曜日配信開始だからブロマガは来週かな。

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