愚考 クリフォードの定理
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

愚考 クリフォードの定理

2019-06-04 19:00
    ・というのがあるらしく、数学者の岡潔さんが中学生の頃に興味を持って、いろいろ考えてその時は結局証明出来なかったんだけどその時にあれこれ考えた事が数学の下地をつけてくれた、とエッセイ(春宵十話)に書いている。
     聞いたこと無かった定理なのでそれって何だろう?中学生にわかるようなものなんだろうか?と興味を持って調べてみる。
     するとクリフォードの定理とは、という感じで簡単に書いているページがネットではなかなか見つからない。いくつかあるけどいきなりすごく難しくてよくわからない。

     岡さん本人はこんな書き方をしている。
     奇数個の直線は円を決定し、偶数個の直線は点を決定し、直線の数をいくらふやしてもそれは変わらないといった定理だったが、これがいかにも神秘的に思えた。
      これがどういう意味かよくわからないけど考えてみる。

      奇数個というから1でもいいんだと思うからとりあえず頭の中で線を1本引いてみる。
      そこに頭の中で円を考えて重ねてみるが、直線1本だとこれが円の位置を決定するとは
     ちょっと思えない。素数でも1は除外、とかやってるから1はたぶん違うんだろう。

      直線2本を並行ではなく交わる位置に置けば、その交点が1つ決まる。これは偶数個の
     直線が点を決定したといっていいだろう。これはわかる。

      直線3本を頭の中で交わる位置に置く。どの線も互いに平行ではないことにする。交点も1箇所だけで重なるのは無しとする。すると交点は3箇所あって、三角形が一つできる。
      三角形ができると外接円なり内接円なり三角形に位置を決められてしまう円があるから、
     直線3本は1つの円を決定したと言ってもよさそうだ。

       直線4本を並行ではなく交わる位置に置くと、交点が4つできる。交点が1つだけ、
     というのはちょっと例外とすると4本の直線が4つの点を決定した事になる。

      直線5本を並行でなく交わる位置に置くと、交点が5つできる。五角形が1つできる。
     でも五角形には三角形みたいに内接円や外接円が必ず描けるとは限らないような気がする。

     という感じで3本まではいいけど4本、5本はなんか違うんじゃないかな、という気がする。これは引用した定理が大雑把なものであるからかもしれないので、原典ではどう書いてあったか知りたくなる。

     今はありがたいことに国会図書館のHPで著作権に問題ないものは簡単に見ることができる。すると該当する原文はこんな感じだった。
     


     明治の本なので漢字が旧字だったり、今は使わない言い回しをしていたりでとっつきにくいけど、大雑把に書き下すとこんな感じかな。

    第1 2直線あれば1点を確定す。すなわちその交点これなり。
    第2 3直線あれば第1のごとき点3個を得 よりて1円を確定す。すなわち3直線の
       成す三角形を入るる円これなり。
    第3 4直線あれば第2のごとき円4個を得 この4円は1点において交わる
    第4 5直線あれば4直線づつの5組を得 しこうして(そうして)各組に第3のごとき
       1点あれば5点を得 この5点は一円周上にあり
       (仏人ミケルはじめてこれを証明したりここに紹介する)。

     かくのごとく交互に1点と1円を確定する事限り無し
     6直線あれば各5直線づつの6組ありて第4のごとき円6個を得 この6個は1点に
     おいて交わる 以下これに準ずる 
     まとめてこれを言えば 偶数(2n)の直線は同数の円の交点なる1点を確定し
     奇数(2n+1)の直線は同数の点を経過する1円を確定す
     (これクリフォード氏のはじめて証明したるところなり)

     仏人ミケルうんぬんという()内がちょっとよくわからない。クリフォードさんはイギリスの人みたいなので自分のことではない。ミケルさんという人が4直線までのことを証明していて、クリフォードさんがこれが無限に成り立つことを証明したのかな。畧というのは略と同じ意味らしいけど意味がうまくはまらない。苦し紛れに紹介するとしたけど間違ってるかもしれない。

     こうやって原典にあたると私の勘違いがわかる。
     直線4本の場合、交点4箇所を得て終わりじゃなくて、まず円を4つ得てこの4つの円が一つの点を決める。
     直線5本の場合は五角形を得てなんてことじゃなくて、5つの円を得てその円がそれぞれ一つの点を決めると、その5点全てを通る円が一つ決まる。

     ということで直線が偶数の場合ひとつの点、奇数の場合は一つの円と直線の本数を増やすたびに交互にただひとつの点と円が決まっていくという意味だった。岡さんは決定する としか書いてないけど、決定すると書けば一つだけに定まる、ということなんだろう。
     3直線の成す三角形を入るる円とあるから円の中に三角形がある。ということは外接円だな。内接円で考えると何か違う定理が見つかったりするのだろうか。

     岡さんが中学生の時に読んだという数理釈義という本はざっと見たら図形と面積とか体積とか、足し算引き算とか分数とか算数のレベルのことも多く書いているみたいだけど、時々ぴょんとこのクリフォードの定理みたいにレベルの違う話題が混じっている感じ。今の教科書にはあまり出て来ない螺旋なんかも解説されている。
     おそらくクリフォードさんは初歩的な数学の解説書を書いて、その中に自分の証明した定理をついでに入れたんでそこだけぴょんと高いんだろうと思うけどよくわからない。でもそのおかげで岡さんが数学者になったんだから面白い。もし読んだのが別の本だったら数学の歴史も違っていたのかも。これは岡さんのお父さんの蔵書だったのかな。 

     4直線の場合の説明図みたいのが線がかすれちゃってよくわからないけど入っている。
    左の原図に4直線が作る三角形とそれぞれの外接円をおおざっぱに色分けしてみると、外接円4つ全てが交わる点オーがある。これが4直線によって決定する1点ということだな。
     5直線が決定する円の図なんかは無いので、じゃあ描いて確かめてみよう、となるのはわかる気がする。CAD持っている人はいろいろ作図してみると面白いかもしれない。


     ネットに証明みたいのもいくつかあったけど私には全然わからない。

     調べていて興味深いことが書いてあったHP。
     http://www.ishitani.com/2009kyoto-toujitsu.pdf
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。