「ロウソクの科学(ファラデー著)」第六講
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「ロウソクの科学(ファラデー著)」第六講

2019-10-22 19:22




    第六講

     ロウソクの燃えが悪いときには煙が出て、燃えがいいときには煙が出ない。ロウソクの輝きは煙が燃えることによる。
     大気または酸素中で燃えた炭素は二酸化炭素となる。ロウソクなどがうまく燃えなかった時に出る煙の粒は炭素である。
     重さにして6の炭素と16の酸素をいっしょにすると重さにして22の二酸化炭素が手に入る。木炭はほとんど純粋な炭素といってよく、火をつけると灰も残さず空気の中に溶けるように燃えていく。酸素は二酸化炭素になっても体積が変わらない。

     水を酸素と水素に分解したように、二酸化炭素を二つの成分に分けることもできる。燐を燃やして二酸化炭素の中に入れると火が消える。ただしもう一度外に出すとまた燃える。
     カリウムの場合は二酸化炭素に入れても燃え続ける。つまり二酸化炭素から酸素を奪い続ける。そのあとには木炭のような炭素が残る。
     石炭ガスでも中に入れる物質を選ぶと水素だけが燃え、黒い煙として酸素が残る。

     鉄は燃えても固体のままだが、炭素は固体が燃えて気体に変わる。このような性質があるのは実は酸素だけである。鉄や鉛は粉にして燃やすとけっこう燃えるが、大きな塊のままだとあまり燃えない。それは中まで空気が入っていかないから。炭素の燃焼が生成物がどんどん逃げて酸素を供給しながら燃えるのとは異なる。

     呼吸してはき出した息はロウソクを消す。石灰水に通すと白く濁らせる。つまり呼吸の結果はきだした息は汚れている。汚れた、というのは火を燃やせない、という意味で新鮮でないということにもなる。

     呼吸というのは肺に入り込んだ空気が炭素と化合して二酸化炭素をつくることであり、この炭素は食物が変化して肺にとどけられたものである。つまり食物も燃料だと見なせる。

     氷砂糖は炭素・水素・酸素の化合物であるが水素と酸素の比は水を作るそれと同じであり水と炭素の化合物とも言える。呼吸において大気中の酸素と化合するのはこの糖分に含まれた炭素である。砂糖を含んだシロップに濃硫酸をたらすと炭素の黒いかたまりを残す。つまり砂糖から炭ができる。

     燃えたものからも炭素が出て、呼吸する人や動物からも二酸化炭素が出る。炭素が二酸化炭素に変わるときに熱が出る。これが体温である。
     燃えた炭素は二酸化炭素となって大気にとけこみ、よそに運ばれていく。そして動物にとっては呼吸に適さない二酸化炭素は草木や作物にとっては必要なものとなる。水中でも事情は同じである。そして植物は炭素も吸収する。

     このように動物と植物は互いに必要なものを頼りあって作りあっている。空気中に置いただけで燃え出す物質もあれば、何千年も空気に触れても変わらずそのまま、待機しているような物質もある。ロウソクのロウや炭もそうだしガスにもそういうものがある。

     こうした燃料になるものは燃え出す温度は違うものの、いわば燃焼する条件が揃うのを待っているのである。

     ロウソクは燃え、人は呼吸する。皆さんがロウソクのようにまわりの人々に対して光となって輝いていただきたい。
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