「機械じかけの恋人(浅井昭博著)」
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「機械じかけの恋人(浅井昭博著)」

2019-11-18 19:00


    ・1992年に出た少年サンデー大増刊(目玉作品は高橋留美子さんの 人魚の傷の前後編一挙再掲載)というのに収録されていた作品。人気作家の作品に抱き合わせて新人作家の発表の場みたいな役割の雑誌だったみたい。この作品は第30回新人コミック大賞佳作と紹介されている。

     女性型のロボットと彼女を開発した技術者の恋物語みたいな、よくある設定といえばよくある設定。古典SFの時代から未来のイブとかメトロポリスのマリアとかエドマンド・クーパーのアンドロイドのマリオンAとか古びた感もあるテーマだったんだけど、AI技術の発展に応じて古典SFとは違う角度から扱う作品もいろいろ出てきている。ビートレスとかアンドロイドタイプワンとか。
     この作品に登場するロボット(と言っている)は六波羅工業株式会社製多機能人間型ロボットTYPE-6。
     英語の頭文字を並べるとM・R・I・CO(マリコ)となる。研究者が自分が好きな芸能人の井上実里子(まりこ)の姿に似せて開発した。彼はモテナイので理想のオンナノコをこうやって作ったみたいな。彼は開発主任である権限を利用して彼女の仕上げを自分の家でやるみたいに長期休暇を取って連れ帰ってしまう。AIという単語は出て来ないけど自己学習型という設定。

     彼女はどんどん知識を吸収して成長していくのだが、同時に恥ずかしいという感情や退屈という感覚も持ちはじめる。なまじ実在する人間そっくりの容姿をしているために彼女が退屈して外出したことがいろいろ問題になり、意識を持ったこと自体もさらによろしくないという判定で解体処分という流れになってしまう。開発主任はそれに抵抗するのだが・・・

     みたいな話。こういう話はハッピーエンドにはなかなかできなくて、悲劇の中にちょっとだけ希望を残すみたいのが基本パターンだったんだけど最近の作品はそうでもなくなっている。

     アンドロイドを相手にするのが当たり前の世界で人間の女性をあえて相手にする、みたいな方向に今後はシフトしていっちゃうのかな。

     著者はその後プロの漫画家として活躍したのかはペンネーム使ったりかもしれないのでよくわからないけど、同姓同名でプロのアシスタントをしていて趣味で漫画を描いています、という人のHPがあった。
     同一人物かわからないのでリンクはやめておくけど、漫画好きな人なんだな、と思う

     好きな人がきちんと足元を固めた上で好きなことをするのは基本的には応援したい。自分の生活や人間関係をズタズタにして死ぬ気でガンバル、みたいのはちょっとアレだけど。
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