「墓場鬼太郎(水木しげる著)」②
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「墓場鬼太郎(水木しげる著)」②

2019-12-08 19:00




    ・これは2巻だけど1巻を読んでない。猫娘の原型であるという寝子が出て来るエピソードだけ読めればいいやと思ったので。

     貸本では鬼太郎夜話の1巻、2巻として出たものらしい。それぞれ「鬼太郎と猫娘」「地獄の散歩道」とサブタイトルがついている。
     
     話は猫娘以外のエピソードとも複雑にからんでいて、歌手のトランク永井なる人物が電車の中でねずみ男と出くわして、吸血木の種を腕に植え付けられる。彼は死人のような男と飲み屋で意気投合し、世の中には人間の常識では考えられない不思議なことがあるんです、と言う彼の経験を聞く。
     彼こそは鬼太郎を拾い、育てることになった血液銀行のサラリーマンだった。彼は鬼太郎とかかわったために一度地獄に行くことになり、帰還したもののそれいらい顔色は青く体温も低いという。
     今も彼は鬼太郎親子と暮らしており、彼らが下宿している谷中初音町のもと三味線屋である ねこや の一階に住む大家の孫娘が寝子で、鬼太郎は彼女に影響されて同じ学校に通うようになっている。
     彼女は美人だが、ネズミや魚を見ると化け猫のようになってしまい、それを食べると元に戻るという奇妙な性質がある。学校ではそれを隠していた様子だが、鬼太郎が弁当にドブネズミを持っていったためクラスメートの前で本性を表わしてしまい退学する。
     ネズミ男を襲って頭の一部を食べてしまったりもするのだが、トランク永井に頼み込んで、ちょうど公演中に永井が吸血木になってしまった穴埋めとして急遽キャット寝子としてデビューし、一躍人気者になる。
     だがここで何故かニセ鬼太郎がネズミ男と組んで暗躍し、鬼太郎のチャンチャンコを盗んでこれも有名人になっていくのだが自分たちの正体を知っている寝子を邪魔に思って公演中にネズミを放ち、彼女は舞台の上で化け猫モードになってしまって芸能界を引退。
     さらにニセ鬼太郎が無理心中を仕掛ける形で殺してしまう。

     ニセ鬼太郎も結局地獄に落ちてしまうのだが、目玉親父と地獄では猫娘と名前が変わっている寝子のおかげで生き返る。猫娘はニセ鬼太郎を生き返らせるために自分が生き返るチャンスを放棄する。それは生き返っても自分は社会の好奇心にさらされ、いじめられるだけだから。
     生き返ったニセ鬼太郎は頭を丸め、これまでとうってかわった穏やかな性質になる。

     話はさらにネズミ男や吸血木やビート族なるものがからんで続くのだが、寝子あるいは猫娘の出番はこれで終わる。すぐに次のエピソードがはじまってしまうので寝子のエピソードとしてはあまり余韻がなく、なんかあっけない。

     寝子の登場場面はさほど多くなく、顔のアップなども少ない。化け猫になった時はアップがあるけど美人モードのアップは皆無に等しい。死亡シーンなども彼女の顔が見えずなんかあっけない。この作品の頃は水木さんにアシスタントは奥さんしかいなかったと思うので、ご自分で描かれたんだと思う。

     後に「ねこ屋のきょうだい」としてハッピーエンドにリメイクされていて、この時は寝子はつげ義春さんが描いているらしくて美人度が増している。吸血木などのエピソードは省略されて、ニセ鬼太郎と寝子が生き別れの兄妹みたいな設定になっている。根子にとり憑いていた猫の霊みたいのも妖怪病院で治して、寝子は普通の人間として兄と幸せに暮らしたのだろうみたいなラスト。

     少年マガジン連載時に墓場鬼太郎を読んでいた記憶があって、吸血鬼エリートのエピソードは覚えている。溶かされた鬼太郎が壷に入れられるシーンが怖くてコワイ夢を見た記憶もある。いきなりタイトルがゲゲゲの鬼太郎に変わってアレ?と思ったりもしたのだった。
     墓場としては3つエピソードを読んだような気がするが、覚えているのはエリートだけだな。猫娘のエピソードも雑誌掲載時に読んだけど、まさかあんな美人キャラになって人気が出るとは思わなかった。

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