「十三夜(樋口一葉著)」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「十三夜(樋口一葉著)」

2020-08-06 19:00


    ・貧乏な斎藤家の娘、十七歳のお関が羽根つきをしていたところ、車で通りかかった原田という身分ある男に見初められて熱烈に求婚されて嫁に行く。最初の半年ばかりはかわいがられたがいつしか教養がないとさげすまれるようになり、七年過ぎた今は夫婦の間は冷え切っている。最近夫は外泊が多くめったに帰ってこない。
     太郎という子供に恵まれたが、今はこの太郎の乳母として置いてやっているといわんばかりの扱いで毎日が針のむしろである。

     何年も我慢したがついに耐えかねたお関は、ある十三夜の晩に太郎を婚家に残したまま実家を訪ね、両親に離縁して実家に戻りたいと訴える。
     だが父親はお関の弟が原田のコネで就職していることもあり、娘の嫁入り先のおかげで周囲から一目置かれるようになったこともあり、ここで戻れば二度と太郎の顔を見れなくなるぞと説得する。両親にはもう彼女を引き取る力はないのだろう。お関は自分がどこまでも死んだつもりで耐えるしかないのだ、と わかりましたと人力車を拾って戻っていく。
     その人力車を引いているのは幼馴染で高坂という煙草屋の一人息子・録之助の成れの果て。お関が嫁入りしたころから生活が荒れ、親が嫁をもらえば落ち着くだろうと結婚させて娘も生まれたが放蕩はやまず、家業もだめになって母は姉に引き取らせ、妻は里に返しましたと自嘲気味に話す。娘は昨年病気で死んだという。
     お関は少女時代にこの録の嫁になって一緒に煙草屋を営めたらと思ったことを思い出し、もう冷え切った原田の家に戻っていく。

     解説には十三夜の夜の過ごし方が全く異なるお関の実家と婚家で明治の旧世代と新世代を対比させ、さらに前半は意に染まぬ結婚で不幸になった被害者のお関が、録之助やその妻から見れば加害者でもあることが描かれているみたいに書いてある。

     青空文庫。
    https://www.aozora.gr.jp/cards/000064/files/386_15291.html


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。