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「朝は死んでいた(桑田次郎著)」
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「朝は死んでいた(桑田次郎著)」

2020-10-21 19:00
    ・漫画図書館Zで無料で読める、「マラコット深海」に同時収録されている作品。非常に陰惨な内容。
    https://ch.nicovideo.jp/metabou/blomaga/ar1951513

     久々に生まれ故郷に戻ってきた青年。彼の故郷で新たに古墳が発見され、地元出身の彼が発掘調査の準備のために派遣されたのだ。追って教授もやってくることになっている。彼は東京の生物学研究所勤務らしい。

     だが途中で出会った地元の人たちの様子がおかしい。土砂崩れで露出したらしい動物の骨をめぐり、その死因について議論しているのだが その死因の推定も間違っているし、明らかな動物の骨を人間の死体だと思っている様子。この人が死ぬところを見たと証言するものもいるのだが明らかに間違っている。だが本人たちは大真面目らしい。やがてやって来た警察官も新たな説を付け加えるだけ。

     青年は何だあいつら、とあきれて温泉旅館を営む実家へ。実家は2年ぶりらしい。母親と快活な妹がいる。母は何かを考え込んでいる様子で一人でぶつぶつ言っているが、あの古墳はたたりがあると心配そうな表情をする。
     青年はそれを笑い飛ばし、露天風呂へ。妹も同行する。青年は妹に母さんの様子少し変じゃないか?前はもっとほがらかだったぞと聞くと、妹は最近あまり笑わないの、村では変死する人が続いていて、うちの旅館に泊まった人も一人死んでいて、ここ一週間ほどはお客を泊めてないのよ、と青年が知らなかったことを言う。やっぱりたたりかしら、と妹。

     悲鳴が聞こえるので駆けつけると首なし死体がある。青年にナタを持った男が襲い掛かってくるが、同じ村の顔見知りの男だった。青年は妹を逃がすと石を投げて抵抗し、足を滑られて川に落ちた男は魚に食われて骨になってしまう。ピラニアかと思うと、襲った魚はただのカワマスだった。

     やがて教授がやって来る。青年は村に起きていることを報告し、教授に意見を求める。教授は東京から研究資材を取り寄せて、古墳より先にこの異変を調べることにする。母に教授の食事の支度を頼むがぼーっとしていて反応が鈍い。妹が私がやるから大丈夫よ、と言ってくれるが、豆腐と間違えて石鹸をまな板に乗せている。

     教授は人を襲ったというカワマスの細胞から未知のビールスを発見する。教授はこれが生物に進化を促すビールスではないかと仮説をたて、もっと詳しく調査することにする。

     その夜、妹が母親を殺してしまう。あのナタで襲ってきた村人と同様、おかしくなっている。教授を呼びに行くと、教授も正気を失っている。家の外に出ると村人が殺し合いをはじめていて、村中が火事である。

     隣町に助けを求めに走った青年だが、隣町も同じようなことになっていた。

     という、何の救いも無い作品。妹は快活で、教授は頼もしそうに描かれているだけに落差が激しい。

     これはリアルタイムで読んだ記憶があって、少年キングの巻末に載ったのだと思う。当時のキングはSFっぽい読み切りを巻末に乗せていて、桑田さんや古賀新一さんなどがちょっと暗めの作品を寄せていたように記憶している。古賀さんは殺し屋カプセルなんかをこの枠で書いていたと思う。桑田さんはこの頃、パノラマ島奇談のコミカライズなど、陰惨な作品が多かったように思う。


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