刑事ヴァランダー シーズン1
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

刑事ヴァランダー シーズン1

2020-10-27 19:00
    ・GYAOで見たので。原作はスウェーデンのヘニング・マンケルという人の警察小説で、それをスウェーデンとイギリスでテレビ番組として制作したとのこと。撮影はスウェーデンで行っているらしいが言語は英語。
     そのせいか登場する風景が見たことがあるようで見たことのない、微妙な違和感があって知らない世界の話に思える。なんてことない景色なんだろうけど非常に美しく見えたりする。
     北欧なので夜8時でも明るかったり、夜中でも薄明かりがあったりもする様子。非常に渋い作品。

     ヴァランダーという中年で愚直な刑事が地味に地味に捜査を行って、事件を解決するのだがスーパーマンでも名探偵でもないので被害者を救えなかったり、犯人を逃がしてしまったり、自分の近しい人が事件に巻き込まれてしまったり、目の前で証人を殺されてしまったり、怒りのあまり犯人を半殺しにしてしまったり。
     時にはこんな仕事もうできない、と慟哭したり、自分自身も返り血を浴びるように心を削られたりする。家庭も自分の身体もボロボロ。でも仕事だから刑事だから捜査に向かうみたいな。無骨に見えるが非常に繊細な心を持つ人物で非常に存在感がある、現実にいそうな人間臭さがある主人公。

     なんか刑事の全然カッコよくない現実を見せられているような。発生する事件は非常に残酷で陰惨なんだけどホラー映画のような視聴者を驚かすような演出は無くて淡々と起こる。実際に刑事が見るであろう死体(焼け焦げていたりウジがわいていたり)がチラッとだけどそのまま映ったりするのでそういうのが苦手な人は要注意。わざわざ見せているのではなくて現実の描写として避けずに見せている感じ。

     主人公ヴァランダーはスウェーデンの南東の港町イースタの警察署勤務という設定。ウィキペディアだとイースタッドと出てきたりするけど私にはどちらがいいのかよくわからない。
     作品の紹介ページではイースタとなっている。スペルはYstadらしいけどスウェーデン語なので発音がわからない。
     主人公は女性の警察署長から直接指示を受けたりしている様子で、一番ベテランで捜査の中心になる様子。アラフィフくらいに見える。演じた俳優さんは第一作撮影当時48歳だったみたい。役職は警部の様子。
     部下には彼に影のようによりそう相棒みたいな年恰好も似たスヴェードベリ刑事、既婚で娘もいる中年になりかけている美人ののアン=ブリッド・フーグルンド刑事、若くていつも怒られてる感じでメンバーの中では一番ITとかに強そうなマグナス・マーティンソン刑事。
     他に鑑識のちょっと太めの刑事がちょくちょく出て来る。

     主人公がちょっとパワハラ気味にナニナニを調べておけ!みたいに指示すると、残る三人がいろいろ調べて来る。捜査会議には署長も時々参加しているみたい。若いマーティンソンはいつも文字通りゴミ箱をあさるような仕事を当てられる。ただ主人公は嫌われているわけではなく、部下の信頼は得ている様子。主人公の家庭環境は良くなくてみんなひそかに案じている。妻とは離婚寸前で気難しい父親とは確執がある。何をしているのかわからない学生なのかもしれないけどやり手のキャリアウーマンみたいにも見える美人の娘は一緒に住んでいるのか時々泊まりに来るのかわからないけど父親を気遣っている感じ。

     シーズン1は約1時間半の3つのエピソード。

    1.目くらましの道

    平和な夏の始まりを少女の焼身自殺で迎えたヴァランダー警部。そして追い打ちをかけるように、事件発生の通報が入った。殺されたのは元法務大臣。背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた……。
     とGYAOの解説にある。美しい黄色い花(菜の花?)畑の中を歩く15歳くらいの少女。畑の持ち主に捕まえて連れ出してくれ、と呼び出されたので主人公が彼女を保護に畑の中に入る。ところが少女は怯えていて、主人公が安心しろ、と警察手帳を示した途端に持っていた灯油だかをかぶってライターで火をつけ、焼身自殺してしまう。
     主人公は自分が怯えさせたから少女が死んだのだ、と落ち込む。遺品はD・M・Sとイニシャルが刻まれたペンダントだけ。少女の身元を調べるがわからない。

     そんな時に大事件が起きる。清廉で知られる元法務大臣が斧で殺されて頭の皮をはがされる。続いて高名な画商が同じような手口で殺される。さらに三人目の犠牲者が出るが今度は町の嫌われ者で誰彼かまわず暴力をふるい、家族も虐待しているような前科者。取り調べたことがある女刑事は人間のクズと言い切る。この三人を殺したのは同一人物と思われるが、共通点は何か。
     こちらの事件に捜査チームの意識は向いてしまうが、主人公は少女の身元捜しに集中するように命ずる。彼女を探している家族がいるはずだと。
     やがて少女の身元がわかり、彼女の自殺と連続殺人につながりが見えて来る。

     ドラマは原作の発表順通り作られているわけではなく、この話は原作の第5作にあたるらしい。



    2.混沌の引き金


    金目的でタクシー運転手を刃物で殺害した18歳の少女ソニア。彼女は拘留されるが脱走してしまう。一方、町の広場で、中年男性フォークの死体が見つかる。死因は心臓発作とされるが、彼の心臓は健康そのものだった……。
     はした金を目的に偶然乗ったタクシー運転手をめった刺しにして殺したソニアは、主人公の取り調べにもふてぶてしく応じて何の罪の意識も無い様子。
     一緒にタクシーに乗った少女の証言もあいまいで役に立たないが、ソニアが殺人を犯したことは間違いない。あらためて取り調べをしようと思っているうちに警察署にシステム異常が起きて、電気錠が開放された隙に彼女は逃げ出してしまう。主人公はソニアの両親やボーイフレンドに心当たりを聞くが行き先はわからない。
     時を同じくして死体で発見されたフォークは病死と思われたが、不審な点が出て来る。彼は優秀なIT技術者で海外での活動歴も豊富。主人公は彼の自宅を調べ、毎日のように時間とCMという文字だけが書かれた手帳を見つける。
     街で停電が発生し、作業員が変電所らしい建物に出向くとソニアの死体がある。ここが殺人現場であれば現場検証がすむまで停電を復旧できない。
     その間に今度はフォークの死体が盗まれてしまう。これも停電で電気錠が開放された隙の出来事だった。やがて死体が発見されるが両手両足が切り落とされている。
     主人公はフォークの妻からの聞き込みにより、彼が仕事場にしていたビルを突き止めるがそこには今も稼働中のコンピューターが。マーティンソンに解析させようとするがロックがかかってしまって手が出ない。
     主人公は以前検挙したことがあるハッカー青年を連れてきて対処させる。青年はロックを破るが、次に出てきたのは指紋認証の指示だった。

     原作では「ファイアーウォール」というタイトルで、8作目にあたるらしい。


    3.友の足跡


    ヴァランダーの同僚スヴェードベリが自宅で、何者かに銃撃され殺害された。殺される前日、スヴェードベリが自分に何か言いたそうだったにも関わらず無視してしまったことから、ヴァランダーは自責の念にかられる……。
     主人公は片腕と頼む同僚のスヴェードベリと組んで退屈で疲れる張り込み中。一日中双眼鏡を覗いて車のナンバーを確認する地味な仕事。帰りに珍しくスヴェードベリが一杯やろうと言うので気が進まないがちょっとだけ付き合って、また明日、と席を立つ。
     翌朝彼が出勤してこない。数名の少女の行方不明事件が発生していて、一人の母親がどうなってるんだ、と警察署に怒鳴り込んでくる。どうにも手が足りない。主人公は捜査の合間を縫って彼の自宅に行き、彼の射殺体を見つける。
     彼の遺族に連絡しようとして、主人公は同僚として付き合いの長い彼のプライベートをほとんど知らないことに気付く。彼には家族はおらず、親戚に事情を聞くとスヴェードベリは生前主人公の事を親友だとか最も信頼する相手だとか高く評価していた様子。
     だが彼の自宅を調べると、行方不明の少女たちの写真と、素性のわからない女性の写真を見つける。彼は地道に少女の家族や友人たちに事情を聞いていたらしいが、何故か一切それを報告していなかった。主人公は彼の後を追うようにもう一度関係者に事情聴取をすることになる。前の刑事さんに話した、といぶかられながら。
     素性のわからない女性も何者かわからない。彼の恋人だったのか。やがて行方不明だった少女たちの死体が見つかり、彼女たちの友人で当日一緒にいなかったため生き残った少女から事情を聞いた主人公は、彼女からスヴェードベリが言っていたある言葉を聞く。


     原作では「背後の足音」。7作目に当たる様子。レギュラーの一人が退場する話だが、テレビでは放送順の関係で彼の登場するしないが変わっている様子。



     このシリーズはシーズン4まであって、全部で12本作られているとのこと。原作は全部で11作のようだが短編集もあるのでその関係で数が合わないのかも。娘も刑事になるようで、その娘が主役の話もあるみたい。
     主人公を演じるケネス・ブラナーという俳優さんはイギリスのシェイクスピア俳優として有名だそうで、監督や脚本もこなすらしい。
     先日公開された「テネット」では存在感のある悪役を演じ、現在公開予定が延びているらしい「ナイル殺人事件」では名探偵ポアロを演じて主演兼監督とのこと。

     違う役者さんがヴァランダー刑事を演じている作品もいろいろあるらしい。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。