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「日本百名山(深田久弥著)」
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「日本百名山(深田久弥著)」

2021-03-07 19:00


    ・賛否はともかく日本で山登りをやる人ならどこかで必ずぶつかるはずの有名な本。まだ登山というものがスポーツでもレジャーでもなくて、山伏とか猟師とか絵師とか信仰の対象や職業としてしかそういうところに踏み込まなかった江戸時代から明治になって、技師や宣教師など様々な目的でやって来た登山を趣味とする外国人がそうした未開の山に登頂してゆくと、日本人の中にも大学を中心にそうした登山をしようという人たちが現れる。一方で測量隊とかも登山するようになる。
     そうしたまだ登山をする人がレアだった時代から日本各地の山を登って黎明期の山岳雑誌に文章を書き続け、晩年は日本山岳会副会長も務めて68歳で登山中に亡くなった著者が、自分が山頂に立って、山の品格があって昔から人間と深いかかわりがあって個性があって原則として1500m以上の高さがある山の中から迷いつつも自分の基準で百座選び、簡潔な文章で紹介したのがこの本で、昭和39年に発行されて今も現役のロングセラーになっている。良くも悪くも一種の基準になったみたいな。

     今はわからないけど、かつては新潮文庫の百冊みたいな中には必ず入っていた。私もそれで書名だけは中高生くらいから知っていたけど登山の趣味は無かったのでずっと読む機会はなかったのがようやく巡り巡って読みました。

     コロナ禍の今、こうしたものを読むと何か遠くに行ってきたような気になる。

     紹介されている山の分布はこんな感じ。



     この文章の中で著者自身が山の俗化のようなことを残念に思っているような部分もあるのだけど、自分の著書がその俗化に拍車をかけてしまったところもあり胸中は複雑だったのかもしれない。著者は競争みたいに個人の心の自由を奪うような登山団体のあり方には疑義を感じていたともある。
     今はもっと時代が下っているので、むしろここで紹介されそこなった山(あとがきに入れたかったけど入れられなかった山というのが多く列記されている)の方が著者の時代の登山者が感じていた雰囲気が味わえるのかもしれない。私は行かないけど。
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