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「失楽園(ミルトン著)」第二巻
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「失楽園(ミルトン著)」第二巻

2021-04-21 19:00


    ・サタンは地獄に落ちて来た元天使たちに檄を飛ばし、再度神に挑むと表明する。だがそのやり方については衆議したいと一同の意見を聞く。
     モーロックが正面から再度挑まん、と主戦論を述べる。この地獄に永遠にいるよりは、戦った方がいいと主張する。たとえ敗れて消滅してもかまわないと。
     弁論に長けるベリアルは、戦いの結果何が起きるか、再び敗れてもっとひどい状態に陥るのではないかとモーロックを巧みに持ち上げながら反対する。この状態で耐え続ければいつかいい事もあるだろうと。
     マンモンがこの地獄をもっと自分たちが住みやすいところに変えていこうじゃないかみたいなことを言う。これに賛同するものが多い。
     ベルゼバブが立ち上がり、地獄は神の影響下にあって我々の思うようにはならないだろう。天国への再侵攻も事実上は難しい。だが一か所、我々の力が及ぶ場所がある。
     サタンが先立って言ったように、神は新しい実験として新たな世界、新たな種族を造った。この新たな世界の守りは薄い。この世界を征服するなり壊すなり出来れば神へ一矢報いたことになるのではないかと提案する。これはいい、と大勢はこれに傾く。
     そのためにはこの新しい世界に誰かを派遣して偵察しなければならない。地獄を抜け出すのは多大なエネルギーを必要とする行為で、天使に見つからぬよう細心の注意を払わねばならない。力強く聡明な者でなければ失敗するだろう。それに思い至ると自分からこの困難に挑もうと手を上げる者は誰もいない。

     サタンが諸君らの盟主たる自分が行くべきであろうと決意を示し、単身でこの任務を引き受ける。これで会議は解散し、サタンは諸君は自分が戻るまで地獄を少しでも住みよいところに変えるように指示をしてかの地に向かう。

     長い長い距離を飛翔して、サタンは地獄の門にたどり着く。その両側には二体の異形の門番がいる。一方は上半身は美しい女性の姿だが下半身は蛇。胎内に猟犬の群れを飼っている。
     もう一方は形の無い影のようなもので、頭らしきところに王冠がある。
     サタンは門を開けるように命ずるが、影のようなものは拒絶する。両者は一触即発でにらみ合う。だが妖女の方がサタンに父と、影に息子と呼びかけてこの争いを止める。
     蛇女はサタンがまだ天使だった頃にその身体から分裂するような形で生まれた女神であり、娘であったが父であるサタンと情を通じて影のような息子を産んだのだという。彼女は神との戦いに参加したわけではなかったがサタンの敗北に伴って地獄に落ち、この地獄の門の門番をつとめるよう神に命令されたとのこと。彼女は地獄の門番をしながら子を産み落とし、さらにその息子に犯されて猟犬の群れを産んだ。猟犬は彼女の胎内を住処とし、彼女のはらわたを餌として食っている。彼女の名は「罪」であり、息子の名は「死」にほかならない。
     サタンは自分はお前たちをはじめとした地獄に落とされた者たちを救うためにこの門を出てある場所の様子を見に行くのだと言い聞かせると、罪は鍵を取り出して門を開ける。
     死もサタンが自分の父であること、自分も救われることを知ると喜びを示す。

     門を抜けたサタンは、もしかしたら神よりも古いかもしれない空間を行く。ここでは「熱」「寒」「湿」「乾」が覇権を競って戦い続けており、それぞれ原子の群れを率いている。
     戦いの審判は「混沌」と「偶然」らしくいつまでも決着がつかない。「風評」「紛争」「不破」などもここにいる。この地の支配者は「混沌」らしく、「夜」がこの混沌と果てしない戦いを続けているという。この地は天国でも地獄でもない様子。
     サタンは混沌に来意を告げて最近神が作った世界に行きたいのだが知っているかと尋ねると、神が彼らの領土内にそうした空間を作ったようだと教えてくれる。地獄も彼らの世界だった部分に生じて拡大しているらしい。
     サタンは混沌に教えられた道を行く。その先には我々の住む宇宙・天と地が見えて来る。

     以下補足。
     モーロックは天使の中で最も強く獰猛な戦士だったとのこと。
     ベリアルは優雅で洗練された最も端麗な天使で、高邁で勇敢と思われているがこれは偽りで、本性は低俗な口先だけの天使だとのこと。
     サタンから分離した娘は、武具を身にまとって生まれたとありギリシャ神話のアテネもしくはアテナらしい。
     「熱」「寒」「湿」「乾」は「火」「水」「風」「土」の四大元素と対応するらしい。
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