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「復讐クラブ(ジェニイ・サヴェージ著)」
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「復讐クラブ(ジェニイ・サヴェージ著)」

2021-06-12 19:00


    ・同タイトルの諸星大二郎さんの漫画や、こうしたものが登場するドラマがあったりするけどこちらは昭和に紹介された海外ミステリ。
     著者は解説によれば31歳の新人作家で離婚経験がある二人の子育て中の女性とのことだが、検索してもこの作品しかヒットしない。原書発行は1977年、日本語版発行は1979年らしい。
     
     舞台はイギリスの田舎町ハラートン。ハラートンで検索しても出てこないけど、作中にウォリントンの隣とあるのでこちらを検索すると実在して、隣にHalton(ハルトン)という地名がある。ノース・ウェスト・イングランドのチェシャー州の都市と書いてある。
     おおざっぱにこのあたり。

    地図検索表示画面 (gsi.go.jp)  
     出典:国土地理院ウェブサイト  に赤い丸印を追加  ※ルールに従えば引用可能

     ここで痛ましい事件が起きる。時期は書かれていないけど作品が執筆された頃ということだろう。すると1776か77年。
     日本でいえば小学生高学年くらいの女の子が連続して誘拐され、凌辱された上でバラバラ死体になって発見されるという事件が起きる。犯人はさらに犯行の様子をカセットテープに録音していて、これを被害者少女の母親に送りつける。一人目、二人目の母親は幸い警察が間に入ってこのテープは聞かずにすんだが、三人目の母親は不幸な行き違いがあって聞いてしまう。
     母親はテープを持って警察にやってきたが平常心を失っている。警察はこの状態で車を運転させるわけにはいかないと捜査員に運転させて彼女の家に送らせる。この捜査員はたまたまFBIからロンドン警視庁に交換派遣で来ていたのだが、田舎町のハラートン署が二人目の犠牲者が出た時点でロンドンに応援を頼んだ結果、主任警視と部長刑事に加えて一緒に派遣されて来たのだった。
     FBI捜査員が彼女の家に着き、彼女のかかりつけの医者を呼ぶ。医者が来ればあとはまかせて引き上げるつもり。だがそこに子供の死体を発見したという電話が入り、娘の死を聞かされた母親は失神する。
     このことがきっかけでFBI捜査員は被害者の母親である彼女を気にかけるようになる。彼女は4年前に夫を長患いの末に失っており、母一人娘一人だった。ちょっとしたきっかけで彼女は署の近くにある捜査員のアパートにもやってくる。そこで捜査員が二年前に離婚しており、息子が一人いることがわかる。
     この時彼女は捜査員のピストルを勝手に持ち出してしまう。発作的に犯人を殺さなければ、復讐しなければ、という精神状態に陥ったのだ。もともと彼女はメンタルに危ういところがあった様子。捜査員はこれに気付いて彼女をなだめ、ピストルを取り返すと復讐など考えないように言い聞かす。

     だが彼女は犯人に復讐するという考えにとらわれて、自分の娘の葬式に来てくれた先の二人の被害者の母親にある提案をする。力を合わせて犯人を殺そうと。どうせ捕まっても死刑にはならないかもしれない。それなら自分たちで裁くのだと。
     犯人らしい車の目撃者が出て、この証言が思いのほか正確だったらしく犯人は車の特徴が報道されると新たな犯行を起こすことなく息を潜めてしまう。

     ということで犯人を殺すために動きはじめた女性と、それを察してなんとかやめさせようとする捜査員の話になる。捜査員はいつかこの繊細で危うい精神を持った女性に特別な感情を持つようになっていく。

     話はある女性ジャーナリストが関係者に聞き込みをしていくという感じで進む。関係者の様子ではこの事件は既に決着がついており、当時は大きく報道されたが今は過去の話になっているらしい。そして痛ましい事件だったと認識されている。
     彼女はこのよく知られているが何故そうなったのか自分が納得できない事件について、調べて本を書こうと思っている。

     母親は復讐をとげたのか、犯人はどうなったのか、FBI捜査員は今どうしているのかなどは最後の最後で明かされる。

     原題は「THE NEMESIS CLUB」。復讐というとリベンジかと思うけどネメシス。
    ネメシスというのはもともと女神の名前で、復讐とは微妙に違うみたい。無理やり日本語にするならば天罰とか因果応報みたいな。
     神の怒りに触れた者に対する罰を実行するのが女神ネメシスで、復讐というよりは天意による懲罰を代行する者みたいな。

     ネメシスと言われるとスタートレックの映画を思い出す。他にもネメシスという単語を使った映画やドラマは多い印象。

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