ユーザーブロマガは2021年10月7日(予定)をもちましてサービスを終了します

「仏教と神道(ひろさちや著)」第Ⅳ部 親鸞の愛、宣長の道
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「仏教と神道(ひろさちや著)」第Ⅳ部 親鸞の愛、宣長の道

2021-06-23 19:00


    Q20 アマテラスオオミカミ(天照大神)は女神。仏教では観音様が女性だそうですね。

     アマテラスオオミカミは広く女神と言われ皇祖神とも伝えられてきたがそれなら何故伊勢神宮の祭神なのか、大和ではないのかなどと考える学者も出て、著者によれば本来は伊勢の漁民の信じる男性神がおり、これに仕える巫女であったヒルメ(日女)が天皇家に取り入れられて皇祖神になったという説が出てきているという。こうなると女神と言い切ってよいのかわからない。

     一方観音様、観音菩薩も一般には女性と思われがちだが、仏教教学上は全ての菩薩は男性であるとされているとのこと。ただし奈良法華寺の観音菩薩像は美人として知られた光明皇后、もしくはもう少し後の時代の檀林皇后をモデルにしたと言われているという。
     こうしたものは性を超越した存在と考えるのがいいだろうと著者は書いている。

    Q21 お大師さまは、仏さまですか神さまですか。

     太閤と言えば本来は平安時代の摂政や太政大臣に対する尊称だったのが、秀吉が好んで自称したため今では太閤=秀吉みたいになってしまった。本来は太閤も大勢いたのである。

     同様に中国では高徳の僧に対する尊称であった(日本では諡号として扱われた)大師も、伝教大師(最澄)、慈覚大師(円仁)をはじめ多くの大師がいるのだが、弘法大師空海の知名度が圧倒的に高く、事実上大師と言えば空海、弘法大師みたいになってしまっている。
     それなら密教は仏教の一派だからお大師さまは仏さまでいいようだが、古来マレビトと呼ばれる旅人を神として扱う風習があり、このマレビトをオオイコ(大子)と呼んでいたのがダイシと読まれるようになり、これがいつしか大師に変わって弘法大師と結びついたという説もあるという。そうなると大師さまは神道の神様とも言えることになる。
     著者は神仏混淆の聖者と扱うのがいいのでは、と書いている。
     弘法大師は四国八十八か所のお遍路さんともかかわりが深いが、お遍路さんの菅笠に書かれる同行二人の一方である弘法大師はお遍路さんにとっては仏教でいう仏さまであるという。

    Q22 七福神といえば、神さまのように見えますが、布袋さんの姿は坊さんのようにも思われます。七福神はいったいどちらの神さまですか。

     日本には神道、仏教だけでなく儒教、道教、キリスト教の神も混じって共存している。七福神もその象徴のようなところがあって、メンバーにも諸説あるが一般には天海僧正が定めたとも言われる 大黒天 恵比寿 毘沙門天 弁財天 福禄寿 寿老人 布袋 だと言われている。福禄寿と寿老人は同じ神だと言われていて、吉祥天を入れる場合もある。
     このメンバーの出自を調べると

    大黒天・・・ヒンドゥー教の神マハーカラと日本古来の大国主が混同され同一視されたもの。
    恵比寿・・・漁民が信仰していた神道の神
    毘沙門天・・別名多聞天でインド仏教の守護神。
    弁財天・・・ヒンドゥー教の河川神サラスヴァティーが仏教に取り入れられ、本来は弁才天。
    福禄寿・・・中国の道教系の民間信仰の神。寿老人と異名同体と言われる。
    吉祥天・・・ヒンドゥー教の女神で毘沙門天の妻。
    布袋 ・・・中国に実在した禅僧で、死後も民衆に親しまれて神さまみたいに。

     ということで日本らしい節操のなさがよく現れているとかなんとか。

    Q23 天神さまは受験の神さま、金毘羅さまは航海の神さま。仏教にも、とげぬき地蔵や虫歯地蔵などがあります。近頃は神さまも仏さまもすっかり商売上手になられたようですが、どうしてそのように専門化、分業化されたのですか。

     天神さまは文章(もんじょう)博士だった菅原道真の神としての称号。金毘羅さまはもともとは仏教の守護神クンビーラで鰐を神格化したもの。そこから航海安全の神になっている。
     日本の神はもともと一芸に秀でた者が神となっていて、最初から専門化・分業化されている。病で死んだ者が口中の病の神になったり痔の神になった例もある。
     仏教の神々は本来専門は無いのだが、日本に伝わるとどうしても専門・分業化してしまうのだとか。多神教というのはもともとそういう性質を持つらしい。

    Q24 天皇家の宗教は神道といわれます。一方、門跡寺院は住職に皇室の人を迎えてきました。日本の皇室も神仏混淆なのですか。

     天皇家の宗教は神道です。なので一年を通じて様々な祭祀を行います。この中には天皇家のプライベートなものもあれば、国家のための祭祀もあります。
     一方で仏教伝来の時に仏教の採用を決め、寺院を建立したのも仏教の法要を行うのも皇室が中心となって行いました。その意味では皇室は神仏混淆であるとも言えますが、もともと日本全体が仏教の伝来以来神仏混淆になっています。みたいに書いてある。
     門跡寺院は宇多天皇の出家をきっかけに寺院の格付けを表す称号となりましたが、明治時代に廃止された制度ですと書いてある。格付けが三段階あって三門跡制とか呼ばれたらしい。
     でも現在もそう言っている寺院はあるようで、今後新たに誕生することはないという意味なのかな。そのへんよくわからない。

    Q25 日本の仏教には、親鸞や道元のように、現代の日本人に大きな影響をあたえた思想家がいます。神道にも、そうしたイデオローグはいますか。

     ざっと名前を上げると 聖徳太子 行基 最澄 空海 空也 源信 法然 栄西 親鸞 道元 日蓮 一遍 一休 蓮如 白隠 良寛 などは思想家としてとらえられる仏教関係者だが、親鸞と道元には政治権力から離れていたという共通点がある。
     親鸞は師の法然に連座して流刑になって以降政治との係わりを断ち、道元は師事した如浄禅師の訓戒によって政治に近付かなかった。
     そのため時間・空間を超越した普遍的な人間の生き方を深く思索できたのだろうと著者は書いている。親鸞には「歎異抄」、道元には「正法眼蔵随聞記」があって現代も読み継がれているが、どちらも本人ではなく弟子が書いたという共通点もある。

     一方で神道は祭政一致が原則ということもあり政治と分けられない。北畠親房や平田篤胤などの思想家はいるが時に国家神道として戦争にも利用され、時代を超えた普遍的な思想にはなりにくいと著者は書いている。
    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。