アニメ映画「シャーロットのおくりもの」を40年ぶりに見る(ネタバレあり)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

アニメ映画「シャーロットのおくりもの」を40年ぶりに見る(ネタバレあり)

2015-05-14 22:33
    ・最近、ようやく落ち着きを取り戻した感があるが「シャーロット」という名前がマスコミでよく話題になっていた。
    私が「シャーロット」と聞いて真っ先に連想するのはこの「シャーロットのおくりもの」というアニメ映画。  
     
     ディズニー映画だとばかり思っていたが、調べたらハンナ・バーベラ・プロダクションがイギリスのサジタリウスプロダクションという会社と共同制作したらしい。
    古い作品だし、ハンナ・バーベラプロダクションも消滅してしまったので公式HPのようなものは見つからなかった。ウィキペディアにほんの少し紹介がある程度。

     日本公開は1973年。家族で観に行った記憶がある。
     もともとは原作になった絵本があって、→絵本じゃなくてちゃんとした小説みたい

     これをベースに映画化したものらしく、続編の
    「シャーロットのおくりもの ウィルバーの大ぼうけん」というのが2003年に、

     実写リメイク(出演はダコタ・ファニング、ジュリア・ロバーツ(声の出演)など)
    が2006年に

    製作されているという。これらは未見。

     見直す前に記憶にあったのは、当時のポスターは豚が逆立ちしているような絵柄だった
    (リンクを貼ったが、うまく表示されなかったので削除)
    のと、その豚が食べられなくてすむように、シャーロットというキャラクターがこの豚が特別な豚だ(だから生かしておきましょう)というメッセージを牧場主に送り、
    さらにこの豚が品評会で優勝することによって彼の命が安泰となる、という話だったような。
     他に仲良しのネズミがいて、「どこへ行ってもご馳走、ご馳走、品評会~」と歌いながら品評会でいろいろな食べ物を山ほどたいらげてしまったシーンがあったのも覚えている。

     まあそんな事で見直してみました。
    日本語タイトルは「シャーロットのおくりもの」だが原題は「Charlotte's Web」つまりシャーロットというのは、この作品に出て来る雌蜘蛛の名前。
     本名はシャーロット・A・キャバティカというらしい。

     ある農場に春先に生まれた子豚のウィルバーは、身体が兄弟達に比べて小さく、このままではちゃんと成長しない、と農場主に間引かれそうになるが、娘のファーンがかわいそうだと言ってそれを止める。そんなに言うなら、お前が世話をしてみろ、と農場主は彼女に預ける。
     これは親切ではなく、子豚を育てるのが大変な事だというのを身をもって知れ、という事だと思うが 彼女はがんばって6週間世話を続け、ウィルバーは農場主も驚くほど大きく成長する。
     だが逆に、これだけ成長したなら、と近所の農場に売られる事になる。ファーンは反対するが、農家の定めなのでこれは防げない。
     ウィルバーが暮らす事になった農場も待遇は悪くないのだが、これまでいつも一緒だったファーンがいないのがさびしくてたまらない。
     牧場の他の動物達に、ぼくの友達になって一緒に遊んでよ、と頼んで回るが、ガチョウには卵を温めるから、と断られ、ネズミからは俺はもっとこそこそしたい、と断られ、羊からは格が違う、と断られる。格?と聞き返すウィルバーに、羊は我々は農家に毛を提供する有用な家畜だが、豚は殺されるのを待つだけだからな、と教えられ、自分は来年を待たずベーコンにされることを知るウィルバー。
    悲しむウィルバーに、私が友達になる、と話しかけたのが、蜘蛛のシャーロットだった。
    何かウィルバーを助ける方法がないかと彼女は考える。
     ファーンはこの農場にやってくるようになり、ウィルバーや他の動物たちとも交流するようになる。ここはおじの農場らしい。
     ガチョウの卵が孵り、7羽のヒナが生まれる。末の一羽が少し発育不足で身体が弱いが、ウィルバーは自分もそうだったから、とこのヒナを何かと守ってやり、ヒナもなつく。

     牧場で楽しく過ごしながらも、ウィルバーは自分の命がいずれ失われる事に苦悩する。

     ある日、シャーロットはようやく思いついたわ、とウィルバーに告げる。
     「人間は目に見えるものを信じるのよ」

     その夜、シャーロットは一晩かけて新しい巣をかける。その巣には
     「SOME PIG(たいしたブタ)」という文字が書かれている。

     農場主はこれを神のお告げと考え、このブタ(ウィルバー)は特別なブタなんだ!と興奮する。奥さんは「特別なのはクモの方でしょ」と実に正しいツッコミを入れるが彼は聞き入れない。農場主は近所にふれまわり、新聞も取材にやってきて、ウィルバーは一躍有名になる。
     だがブームはすぐに去り、シャーロットは農場の動物たちにも協力を求めて
    (ネズミだけはあまり協力的でないが、都度彼の利益にもなる事を説き協力させる)
     「TERRIFIC(すばらしい)」
     「RADIANT(ピカピカ)」 
     などと言葉を綴り続け、気をよくした農場主はウィルバーを品評会に出すと決める。
     

    「死にたくなければ品評会で勝て」と羊はウィルバーにハッパをかける。

     ウィルバーはシャーロットに品評会について来てほしい、と頼むが、
     「卵を産む準備があるので約束はできない」と彼女は答える。

    品評会前日に会場に乗り込む一同。結局シャーロットも一緒に行く事になり、彼女は手助けに、とネズミにも同行を求める。彼は断るが、品評会にはごちそうがある、とガチョウに言われて参加を決める。
     ファーンはウィルバーと最初は一緒にいるが、好きな男の子が観覧車に誘いに来ると、
    ウィルバーをほったらかして遊びに行ってしまう。

     シャーロットは「これが最後になるわ」と言い残し、品評会会場でネズミが持ってきた新聞にあった単語
     「HUMBLE(つつましい)」を書くと決める。
     役割を果たしたネズミは会場で一晩中食べ放題を楽しむ。

     翌朝、シャーロットは514個の卵を産み落とし、また「HUMBLE(つつましい)」
    という言葉を書いた蜘蛛の巣も完成させている。

     審査の結果、ウィルバーは優勝は逃したものの特別賞に輝き、賞金25ドル(安くないか?つつましいけど)とブロンズのメダルを獲得する。これは彼のおかげで観光客が増え、州の収入が増えた事も考慮されたらしい。
     農場主はウィルバーをベーコンやハムにせず、最後まで面倒を見ると宣言する。

     だが、シャーロットはその夜、力を使い果たして静かに息をひきとる。
    このシャーロットが死を迎える場面の演出はすばらしいと思う。こういう見せ方もあるのか、という感じ。

     冬が来て、春が訪れる。またガチョウや羊に子供が産まれ、ネズミも子持ちになっている。
     そして待望のシャーロットの子供たちも。喜ぶウィルバー。だが彼らは生まれてすぐに糸を伸ばし、風に乗って去ってしまう。喜びが大きかっただけに、それが一瞬で失われ、はげしく落胆するウィルバー。

     羊がウィルバーをなぐさめ、そこを見ろ、という。発育が悪く、飛べない小さな蜘蛛が3匹、残っていた。ウィルバーは彼女達にジョイ、アラネア、ネリー と名前をつけ、一緒に暮らす事になる。

     今見直すと結構いい作品だったと思う。何か過剰な感動の押し付けがましさがあんまりなくて、淡々と命の連鎖を描いているような。
     子供向けなのであまりこだわってもあれだけど、途中で消えてしまうキャラクターが結構いる(ウィルバーになついたガチョウのヒナや、ウィルバーの兄弟や母豚などがどうなったかわからない。兄弟はおそらくお肉になったのだと思うが)のが気になる。

     人間の女の子、ファーンは ウィルバーやシャーロットの言葉がわかるみたいな演出も
    ちらっとあるが、あまりその事は強調されず、出番はどんどん少なくなって 動物よりも 
    男の子の方が大事になって ウィルバーから離れていく。
     悲しむウィルバーを、シャーロットは「彼女は今もあなたを愛しているけど 成長したの。
    彼のことが好きなのよ」と慰める。
     ペットを欲しがって、結局世話をしなくなるのはよくある話。
    彼女にしても、シャーロットが文字を書くたびにどっと集まってきて、しばらくすると飽きて誰も来なくなってしまう人々にしても、人間というのは心変わりするものだ、という真理をさりげなく子供に教えているような。

     ウィルバー、ガチョウのヒナ、シャーロットの子供たち、と発育不良のキャラが続く。
     ハンデを持って生まれても、生きる価値や意味はあるんだよ、と言っているような。

     シャーロットはウィルバーと話しながら、巣にかかったハエや蛾を食べる。残酷だ、
    と言うウィルバーに「私が食べないとハエは増えて自然が破壊される」と彼女は答える。
    でもウィルバーの目の前では食べないように気遣いはしてくれる。

     何でシャーロットがこんなにウィルバーを助けてくれるんだろう、と思うが、
    彼女は自分の死の直前にこんなことを言う。
    「命ってふしぎね この世に生まれ つかの間 生きて 死ぬ
     クモの生活はつまらないものよ ワナを仕掛け ハエを食べるだけ
    でもあなたを助けることで生きる意味ができた」

     またラストのナレーションも印象深い。
     「シャーロットは永遠の思い出 彼女の子供や孫たちも大好きですが 
    シャーロットの代わりにはなれません 彼女は特別な存在でした
    親友であり 特別な言葉をおくってくれるのは シャーロットだけ」
     めでたしめでたし、という感じではない。ちょっと苦さが残る。

     代わりが無い存在と出会って、それを失ってからも人生は続く。そうした存在と
    出会った事こそが、人生の意義みたいな。
     ウィルバーを助けて、満足して生を終えるシャーロットに、子供を育てる母親とか、
    弟子を育てる師とか、人によっていろんなものを重ねる事もできる。
     この年齢になって見直してみると わりと深い映画だったように感じる。

     
     「シャーロット」の話題に乗って、この作品のリバイバル上映を、なんて言ったらやっぱり怒られるか。中古でワンコインで買えるくらいでよく見つかるので、興味のある方は、見るのはあまり難しくないと思います。



     
     


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。